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2017/12/22

指揮者・大野和士が発案 大規模共同制作プロジェクト「オペラ夏の祭典2019-20」発表

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会にあわせ、東京文化会館と新国立劇場が初めての共同制作を行う大規模オペラプロジェクト【オペラ夏の祭典2019-20 Japan⇔Tokyo⇔World】の記者発表が行われた。

 東京文化会館と新国立劇場とが手をとりあい、2019年にプッチーニ作曲「トゥーランドット」、2020年にワーグナー作曲「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を新たに共同制作するとの発表。都と国がその立場を超えて共同制作を行うのは初めてのことだ。また上演については両劇場のほかにも、都内の劇場が参画。「トゥーランドット」についてはびわ湖ホール、札幌文化芸術劇場での上演が予定されている。またオペラ上演にあたっては藤原歌劇団や二期会などのオペラ団体の協力も得て、まさにオールジャパンでこの大きなプロジェクトを成功させるという意気込みがうかがえた。

 演出は、バルセロナオリンピック開会式の演出を手がけたスペインの演出家集団ラ・フーラ・デルス・バウスの芸術監督であるアレックス・オリエ。また、「トゥーランドット」では大野和士が音楽監督を務めるバルセロナ交響楽団がピットに入ることが決まっている。このキャスティングについて大野和士は、バルセロナからの東京オリンピックへの使者というメッセージが込められていることを語った。

 この新制作オペラに関して、大野和士は「東京発信」というキーワードを強調する。「発信、というのはどういうことか。それは他の劇場に引き継がれるということ。『東京発』というからには、外国のどこかの劇場で必ず受け継がれるようにする。そういうスキムを考えている」と、国際的な活躍をしている大野和士ならではの自信と信念が感じられる宣言となった。

 指揮者であり発案者でもある大野和士は、本プロジェクトで総合プロデューサーを担う。更に来年9月には新国立劇場のオペラ部門の芸術監督に就任が決まっている。「日本からの発信という文脈で、日本人の作曲家を選択するという可能性は無かったのか」との会場からの質問に対しては「より多くの人に、オペラのその答えは1月11日の新国立劇場記者発表会まで待って欲しい。今回の演目選択はオペラの古典をより多くの人に見て頂くのが主眼」と答え、来年への期待を高まらせた。Text:yokano

◎公演情報
プッチーニ「トゥーランドット」(新制作)
指揮:大野和士
演出:アレックス・オリエ
美術:アルフォンス・フローレス
衣裳:リュック・カステーイス
照明:ウルス・シェーネバウム
演出補:スサナ・ゴメス

出演:
トゥーランドット:イレーネ・テオリン/ジェニファー・ウィルソン
カラフ:サイモン・オニール/未定
リュー:中村恵理/砂川涼子
ティムール:リッカルド・ザネッラート/妻屋秀和
アルトゥム皇帝:持木弘
ピン:枡貴志/森口賢二
パン:与儀巧/秋谷直之
ポン:村上敏明/糸賀修平
官吏:豊嶋祐壹/成田眞


ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(新制作)
指揮:大野和士

出演:
ハンス・ザックス:トーマス・ヨハネス・マイヤー
ファイト・ポークナー:クワンチュル・ユン
ジクストゥス・ベックメッサー:アドリアン・エレート
フリッツ・コートナー:青山貴
ヴァルター・フォン・シュトルツィング:トミスラフ・ムツェック
ダーヴィット:望月哲也
エーファ:林正子
ほか

 

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