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Album Review: Liberoba チェロとピアノの絶妙なアンサンブルによる麗しき哀愁

  • Liberoba「Album Review: Liberoba チェロとピアノの絶妙なアンサンブルによる麗しき哀愁」1枚目/1

 メランコリックな音色による、メランコリックな音楽。そんなキャッチコピーを付けたくなるのが、Liberobaのファースト・アルバム『This Is Liberoba』だ。Liberobaは、ピアニストの中村由利子とチェリストの植草ひろみによって結成されたデュオである。クラシックをベースにタンゴなども演奏する植草が、ソロとしても数多くの作品を残している中村をパートナーに作り上げた作品群は、とにかく全編メランコリアに包まれたメロディを堪能できる。

 チェロとピアノというととても地味なようだが、ここにあるのはとにかくリリカルな演奏から立ち上るような麗しき哀愁。ブラジルでいうサウダージという言葉だったり、アルゼンチンのタンゴにも通じる孤高の雰囲気を感じるかもしれない。実際、本作におけるメインのレパートリーはタンゴだ。「リベルタンゴ」や「オブリビオン」といった有名曲を筆頭に、アストル・ピアソラの楽曲が5曲。カチョ・ティラオやカルロス・グアスタビーノなどアルゼンチンの作曲家もあるが、これらはピアソラの盟友だった作曲家ホセ・ブラガート直々に楽譜を預かったという。それだけに、一定のメランコリックなトーンは、アルゼンチン仕込みといってもいいだろう。

 しかし、ここでは楽譜だけでは表現しきれない、2人のアンサンブルの妙がポイントだ。二つの楽器だけではあるが、雄弁なモノローグもあれば、優しく寄り添うシーンも出てくる。しかし、親しみやすいメロディを引き立てるために、とにかくアンサンブルのバランスや心地よさを重視しているという印象。これ見よがしのテクニックを見せつけるわけではないが、その上でそれぞれが自己主張しているのだ。それは、中村によるオリジナル・ナンバー「This is Liberoba」から、アンドレ・ギャニオンの「ピアノとチェロのためのソナタ あなたに惹かれて」まで徹底されている。

 本作をどう聴くのかは、きっとそれぞれだろう。ライトなクラシックやヒーリング、ポスト・クラシカルや南米風味の室内楽としても楽しめる。そして、どのような聴き方をしても、少しメランコリックな気分にさせられ、気付けば心が穏やかになっていることだろう。

Text: 栗本 斉

◎リリース情報
『This is Liberoba』
Liberoba
2015/06/25 RELEASE
2,800円(tax incl.)

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