重いと感じるよりは、凄く良いチャンス

－－先日、第2回となる総選挙が開催され、10位に松井珠理奈さんが、11位に松井玲奈さんがそれぞれ選出されました。

松井玲奈：最初は順位よりも、自分たちが1年間頑張ってきたことを、ファンの方々がどう受け止めて下さっているのか。改めて自分の中で感じるための、良い機会だなって認識していたんですけど、いざ、あの緊迫した会場の中にいると、色んな気持ちがこみ上げてきたりして……。
もっと上に行きたいって気持ちは常にあったんですけど、本当ならあの場でもっとしっかり、ファンの方、応援して下さる方に感謝の気持ちを伝えなければいけなかったなって、今振り返ると思います。あんなに感情的になってしまうなんて……、ダメだったなって（笑）。今も、応援して下さった方たちに、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

松井珠理奈：去年、総選挙が終わった後からからずっと1年間、頭の中にはあったし、選挙が決まってから当日まで緊張したし不安もいっぱいでした。当日もいつものコンサートの楽屋とはちょっと違って、リハーサルの時から緊張した空気が出来上がっていて……。

JCBホールには来られなかったけど映画館で観てくれていた方もいらっしゃったり、応援してくれている方もいっぱいいらっしゃいました。本当のことを言えば応援して下さっている方、全員に逢いに行って御礼を言いたいんですけど、なかなか難しいところがありますよね。だから自分のパワーを全部出して、踊っている姿を見て頂いて、元気をもらって頂くことで、恩返しができればいいなって思っています。

－－“メディア選抜”（※1）と呼ばれる12位以内に入ったことで、AKB48としての露出が増えていく。ある意味では、SKE48を背負って立つ身とも言えますが、プレッシャーや重みは？

松井玲奈：重いと感じるよりは、凄く良いチャンスを与えて頂けているって思います。これからシングル『ごめんね、SUMMER』の選抜メンバーとして、たくさんのメディアの方々から私たちを伝えて頂けますし、8月にはAKB48さんのシングルがリリースされますので、そこでもメディアさんに取り上げて頂ける。今までよりもさらに多くの方々に、SKE48の活動を知って頂く良いチャンスだと思っています。

松井珠理奈：私は逆に責任感が前回よりも軽くなったというか、プレッシャーが若干ほぐれたところがあるんです。12位以内にふたり選ばれましたし、他のメンバーもアンダーガールズとして3人選んで頂けたので、……若干ちょっとほっとしました（笑）。良かったな、嬉しいなって！

－－ただ、AKB48のファンの方々の中には、SKE48のメンバーが上位にランクしたことに、ネガティヴな感情を持っている方も少なからずいると思うんですよ。

松井珠理奈：そういう方がいらっしゃるっていうのは何となく分かるんですけど、好きになってもらえるように努力したいんです！

松井玲奈：私たちにネガティヴなイメージを感じている方がいるということは、少なからずSKE48の存在を知っているっていうことですよね？ だから私たちがもっともっと頑張れば、プラスに変わりやすくなるきっかけでもあると思うんです。今、そう感じている方にも好きになってもらえるように頑張っていきたいと思ってます！

－－また、4月には【SKE48 teamS 「制服の芽」東京公演】も拝見させて頂きました。総選挙を終えた今、ステージに望む意識に変化はありますか？

松井玲奈：それは今までと変わらないですね。公演はいつも新しい発見や課題を与えてくれたり、自分の成長を感じさせてくれるんです。“あたたかいおうち”みたいな感じがする時もありますし、みんなと一緒にステージに上がれて、ファンの方々と逢える。また早くステージに立ちたい気持ちでいっぱいです。

松井珠理奈：最近、名古屋での公演の時も、初めてなんじゃないかな？って方がたくさん来て下さったりしているので、「また来たいな」って言って頂けるような。もちろん、最初の頃から来て下さっている方には、「この子のココが成長してるハズだから、絶対また観に行きたい！」って思って頂けるようなステージをしたい!!、っていう気持ちが以前より増してきましたね。

※1.総選挙の順位より、22位～40位はシングルのカップリング曲を担当する“アンダーガールズ”に、21位～1位はシングルA面の選抜メンバーとして、それぞれ振り分けられる。中でも1位～12位は“メディア選抜”と呼ばれ、テレビ等のプロモーションに参加できることになる。

角度によって色んな光り方をする宝石みたいなグループ

－－前シングル『青空片想い』はオリコン初登場3位にランクしました。確かに今、知名度も増してきていますよね。

松井玲奈：以前から名古屋のオアシス21っていう野外ライブをできる会場に立たせて頂いているんですけど、初めは1階が埋まらないくらいだったのが、最近では1～3階まで360度を全部お客さんが囲んで下さるようになって。 先日、初めて握手会で福岡に行かせて頂いた時も、想像していた以上に多くの方が来て下さって。たくさんの方が私たちのことを応援して下さるようになっていることに、嬉しい気持ちでいっぱいです！

松井珠理奈：以前は名古屋をみんなで歩いていたり、新幹線で名古屋駅に行ったりすると、「あれ、AKB48だよね？」って言われることが多かったんですよ（笑）。でも、最近は「SKE48だよね？」って言って下さる方が増えてきたんです。嬉しいですね！

－－そんな中、SKE48は7月7日にシングル『ごめんね、SUMMER』をリリースします。おふたりは選抜メンバー（※2）としてタイトル曲を担当しています。

松井珠理奈：Bメロの歌詞では、男の子の恋している純粋な気持ちを、海の青さだったり砂浜の白さだったりで表現されている。本当に夏にぴったりな曲になっているので、たくさんの方に聴いて頂けたらって思いますね。

－－また、通常盤のジャケットはおふたりの写真になっています。こういうジャケは今まで…… 珠理奈＆玲奈：ないですね～……（笑）。

松井玲奈：それについては、あんまり実感が無くって。「え!? これがCDショップに並ぶんですか？」っていう（笑）。まだ全然想像がつかなくって。

－－でも、ジャケットが解禁になった日も、ネットメディアでは一斉にニュースとして取り上げてましたし、二枚看板的な様相は見せていましたよ？

松井玲奈：えー！（笑） そういう状況にあっても、何となくそれを自分の中で認めたくないっていうところがあって。認めたら、何となく今までのものが崩れてくるっていうか、それ以上、成長できなくなりそうで怖くなるというか。嬉しくない訳じゃないんですけど……。まだ慣れないですね……。

－－話は変わって、カップリングも凄く良い曲だったことは、おふたりにとっても嬉しいんじゃないですか？ 自分はこの前の東京公演と「少女は真夏に何をする？」（通常盤typeA or 劇場盤収録）で、木下有希子さんのファンになりました！ 珠理奈＆玲奈：おおおお～～～っ！！！

松井玲奈：SKE48は本当に個性的なメンバーばかりなので、そのひとりひとりが全員がミュージックビデオに出られたことが嬉しくって。ずっと応援して下さっている方には、応援しているメンバーがMVに出ていることを喜んで頂けると思いますし、これから応援して下さる方でも、こういうメンバーがいるってことが分かる作品になっているので。 SKE48は角度によって色んな光り方をする、宝石みたいなグループだと思っているんです。選抜の7人だけじゃなくって、SKE48のメンバーを応援して下さるようになったら嬉しいなって思います！

－－しかも「羽豆岬」（通常盤typeB or 劇場盤収録）は愛知県の地名だったりと、本当にSKE48ならではの楽曲が揃っているんですよね。

松井珠理奈：「ごめんね、SUMMER」だけじゃなくって、「ピノキオ軍(シアターガールズver.)」も含めた4曲が入っているからこそ、もっとたくさんの方に聴いて頂けるんじゃないかなって。玲奈ちゃんが「メンバー全員に個性がある」って言ってましたけど、その個性に合わせた曲をそれぞれが歌っているんですよ。「少女は真夏に何をする？」にはダンスが得意なメンバーが揃っているし、女の子らしい「羽豆岬」なら平松可奈子ちゃんとか、ほんわかした雰囲気にぴったりな子が選ばれていたり……。

松井玲奈：決して「ごめんね、SUMMER」がA面な訳ではなくて、全部がA面だと思って聴いて頂くのが、私たちにとって嬉しいんです！

※2.『ごめんね、SUMMER』における選抜メンバー7名は以下の通り。
松井珠理奈（team S）、松井玲奈（team S）、矢神久美（team S）、石田安奈（team KII）、高柳明音（team KII）、向田茉夏（team KII）、木※ゆりあ（team S）
※は山偏に竒
［チームは2010年7月現在］

あのステージにSKE48として立ちたい

－－「ごめんね、SUMMER」のMVは、SKE48では初のストーリー仕立てとなりました。

松井玲奈：初めに、何処で撮影するのかを訊いたら「香川県だ」って言われてビックリして！ しかも小豆島だったので、海を二回も渡ることになって、一体何をするんだろう？って。

松井珠理奈：みんなMVのことよりも、「うどん食べたい！」ってことばっかり（笑）。

松井玲奈：でも実際行ってみると凄く綺麗なところで、エンジェルロード（※3）っていう素敵な観光名所があったり。恋人たちがそこを一緒に渡ると幸せになれる、っていう言い伝えもある場所なので、「登場人物たちもいつかはそこを一緒に歩いていくのかな」って想像もできる、素敵な場所でした。
ただ、ダンスシーンをそこで撮ったんですけど、エンジェルロードは普段、海の中にあって潮が引いた時にしか現れない道なんです。砂浜の8割くらいが貝殻でできているので、踊るにもなかなか難しくて、次の日は足が筋肉痛になったり。楽しかったんですけど、「青空片想い」とは違った大変さがありましたね。

松井珠理奈：あと、みんなが全力で走るシーンがあって、そこでSKE48の全力さをアピールできる。……走るのが苦手な子もいるんですけど！（笑） 私たちも“SKE48という存在を知って頂きたい”って目標に向かって、毎回公演を行ったりテレビなどのお仕事をやらせて頂いているので、そういうところの全力さが伝わったら嬉しいなって思います。

－－そして、何と言っても玲奈さんの涙の演技ですよね？

松井玲奈：私も見せ場だと思って演技したのですが……。でも、完成したMVを観た時、自分が走り出す瞬間に、おでこが全部ブワァアア！って出てたのがショックで！（笑）

（一同笑）

松井玲奈：しかもその直後に、凄く綺麗に撮って頂いたリップシーンとかが差し込まれていくので、そのビフォー／アフターに心が痛くて痛くて……（笑）。泣きながら走る演技も初めてだったんですけど、また新しいことを経験させて頂いたので、凄く勉強になりました。

－－また、今回の選抜7人には、石田安奈さんと木※ゆりあ（※は山偏に竒）さんが新たに選ばれています。

松井玲奈：最初にこの選抜メンバーって言われた時に、安奈は“KII”のメンバーなので、（向田）茉夏と珠理を介して“S”のメンバーとも仲良くなれる。私たちとも交流があったので安心していたんですけど、当時研究生だったゆりあは、正直初めはどう接していけばいいのか、みんなと馴染めるのかが凄く不安だったんです。
でも、凄く人懐っこい子で、「玲奈さん！ 玲奈さん！」って自分からたくさんおしゃべりをしてくれる子だったんです。だから一緒にお仕事をし始めたらすぐに打ち解けて、みんなと仲良くすることができました。

松井珠理奈：私はあんにゃ（＝石田安奈）のダンスが凄い好きなんです！ あんにゃは身体が小さいからこそ全身で大きく表現していて、それが“元気！”って感じで、もうエネルギーの塊なんですよ！（笑） ゆりあちゃんは中学三年生だし、あんにゃも中学二年生なので、フレッシュさも出していければ良いなって思いました！

－－では、リスナーの皆さんにはどのように聴いてもらいたいですか？

松井珠理奈：歌詞にも海を連想させる言葉が多いので、家族でも何でも大勢で海に行く途中の、ドライブ中に聴いてもらえたら良いんじゃないかなって思います！

松井玲奈：前回の選抜に入っていたゆっこ（木下有希子）と小木曽（汐莉）ちゃんが変わってしまったんですけど、そのふたりがアンダーガールズの両チームをもの凄く引っ張ってくれている。「青空片想い」で経験したことを、今回のメンバーに伝えてくれているって、MVを観て感じたんです。今回、外れてしまったのは残念ですけど、悔しい気持ちをバネに頑張ってくれているのが伝わってきたのが嬉しかったです。これからもみんなで切磋琢磨して頑張っていきたいです！

－－最後に、これから挑戦してみたいことは？

松井玲奈：全国47都道府県で公演をしたいです。出張公演をたくさんの場所でやりたいって思っているので、まだ何年もかかると思うんですけど、最終的に「SKE48は全国で公演をしました！」って言えるようになりたいです！

松井珠理奈：去年、私とくーみん（矢神久美）と玲奈ちゃんはAKB48さんと一緒に紅白歌合戦に出させて頂いて、本当に良い経験をさせて頂けたと思うんです。いつも自分たちが年末に観ていたテレビに、出演できたっていうのが凄く感動的で……。あのステージにSKE48として立ちたいって思ったので、頑張ります！

※3.香川県 小豆島にある名勝。本文にて松井玲奈が説明してくれた通り、潮が引いた時にのみ、姿を魅せる観光名所で、手を繋いで渡ったカップルは将来結ばれる、という逸話を持つ。