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<インタビュー>みさきが恋愛ソングにこだわる理由 新曲「恋に落ちた私の負け」裏話も

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Interview: Takuto Ueda

 今年6月にメジャーデビューしたシンガーソングライターのみさきが、4thデジタルシングル「恋に落ちた私の負け」をリリースした。すでにTikTokとYouTubeで弾き語り動画が公開されており、TikTokの動画再生回数は100万回を超えている。

 TikTokを中心に頭角を現した当時は顔出しせずに活動していたが、現在は顔出しオープンで活動の場も広げ、夢だったという路上ライブも積極的に行っている。意外にも人見知りだというみさきに、新曲の制作エピソードを聞いた。

──高校在学中にTikTokの投稿を始められ、最初はカバー曲でしたが、2021年にオリジナル曲を投稿されました。そのきっかけはなんだったんでしょうか?

みさき:好きな人がいて、その人に言えないことを歌にして気づいてもらおうと思って作ったのが初めてのオリジナル曲です。それをTikTokに載せたら、「私のことみたい」とか「この曲を聞いて告白する勇気が出ました」っていうコメントがたくさん来て、それがすごく嬉しくて。自分の体験を歌詞にしただけなのに、それがたくさんの人の共感を得たり、人に勇気を与えたりすることがあることと知って、もっと届けていきたいと思うようになりました。

──その恋は実ったんでしょうか?

みさき:はい、実りました。

──それはすごく説得力があっていいですね。TikTokに予想以上の反響が集まったとのことですが、ほかにはどんなコメントがありましたか?

みさき:唯一無二の歌声ってよく言っていただくんですけど、それもすごく嬉しいですね。自分では語尾が裏返るところが癖だと思ってたんですけど、歌詞がスッとまっすぐ入ってくると言われるようになって、その癖が自分の声の特徴なのかなって思っています。

──TikTokでは顔出しせずに投稿されていましたが、こうしてお顔を出して活動していくと決めたときの心境やきっかけも教えていただけますか?

みさき:正直、顔は出したくなかったんですけど、活動範囲も限られてて。ライブをたくさんやっていきたかったので、活動の幅を広げるためにも顔出しをしようって決心しました。

──オープンにしてよかったって思いますか?

みさき:はい、昼間のイベントで歌う機会も増えましたし、ずっと前から路上ライブもやってみたかったので、それが叶えられて嬉しいです。よくTikTokにほかの方の路上ライブの投稿が流れてきて、カッコいいなっていつも思ってたんです。

──ほとんど知らない人しかいない環境で、ある意味一番過酷なライブだと思いますが手応えはどうですか?

みさき:人前で歌うのは恥ずかしくないんですけど、MCが本当に苦手なんです。その場で喋ることを考えなきゃいけないじゃないですか。それがもう苦手で。少人数しか集まらないと思ってたんですけど、思ったより立ち止まってくれる方が多かったです。ライブ後にステッカーを渡しているんですけど、「通りすがりに初めて見たんですけど聞き入っちゃいました」とか「いつも応援してます」っていうお言葉を頂いて、すごく嬉しかったです。

──4thデジタルシングル「恋に落ちた私の負け」はどう生まれた曲ですか?

みさき:これは想像で書いた曲なんです。最初から失恋ソングを書くと決めて、TikTokのコメントなどを参考に歌詞にしました。

──自分の経験というよりは、いろんな人たちの恋愛経験をもとに作ったんですね。自分の経験をもとに曲を書くのと、人のエピソードをもとにするのと、どちらが多いですか?

みさき:自分の実体験が多いです。でも、「恋に落ちた私の負け」は想像のほうが多くなりました。今までの曲は全部、自分の実体験で、そっちのほうがスラスラ書けるんですけど、最近はちょっとネタ切れで……。

──経験ベースだと、なんでもかんでも出てくるわけじゃないですよね。この曲の核になったフレーズは?

みさき:それはもう、タイトルにもなっている「恋に落ちた私の負け」です。最近は幸せな曲ばかりになっちゃって。今回のために昔の恋愛を思い出したり失恋エピソードを読んだりしました。人って幸せなときに音楽をあまり聞かなくなるって話を聞いたことがあって。聞いてくださる方に寄り添いたいので、失恋ソングにしました。


──みさきさんも、そういう音楽に救われてきたのでしょうか?

みさき:そうですね。失恋したときに聞いていた曲って、一瞬でも耳に入ったら当時のことがよみがえるじゃないですか。それってすごい現象だと思っています。初めて告白して振られたとき、私はmiwaさんの「片想い」をずっと聞いていて、今でもその曲を聞くと、当時好きだった人のことを思い出します。私もいつか誰かにとってそういう存在になりたいです。

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──誰かの体験をもとに書かれましたが、こういう恋愛にみさきさんは共感できましたか?

みさき:はい、めっちゃしました。ここまでかわいそうではないんですけど、似たような経験はあって。私、遠距離恋愛していたことがあって、約束の時間に電話する予定だったのに、毎回あっちの都合に振り回されるなって。私の返信が遅くなっても、向こうは気にしてない感じがあったり。こっちはちょっとでも返事が来ないと、ずっと気にしてるのに。何をしても私が離れていかないって思われているところが、すごくムカつきます。

──そういうフラストレーションはありつつ、やっぱり恋に落ちてしまうと好きな気持ちは簡単には揺るがないっていう。

みさき:はい。好きだから、ちょっとでもそばにいられるだけで幸せなんですよね。

──SNSではすでに公開されていますが、どんな反響が届いていますか?

みさき:フィリピンとか中国とか海外の方からのコメントが多くて、びっくりしました。歌詞よりもメロディーが受けたのかなと思ってます。海外の人にオリジナルが受けたのは初めてだったので、すごく嬉しかったです。

──切なさが曲調にも表れていますが、編曲をお願いするにあたってなにかイメージはありましたか?

みさき:あまりなくて、とにかく切なくてシンプルなアレンジをお願いしたところ、想像通りの泣けるアレンジにしてくださって、大満足です。最後にエレキが入っているパートがあって、そこが結構気に入っています。今までの曲には邦ロックのようなバンドアレンジがなくて、失恋ソングでエレキが際立ったアレンジもあまりなかったので、気に入ってます。

──なるほど。この曲は失恋ソングと言いつつ、最後は前向きになれる希望がある終わり方ですよね。

みさき:そうですね。同じように恋愛で悩んでいる方を悲しいままにさせず、その方の背中を押せるような曲にしたかったので、曲を聞き終わったあとに前を向ける歌詞にしました。

──歌っていてご自身も励まされますか?

みさき:失恋ソングを歌うと、今までは当時の彼氏が思い浮かんじゃって、ムカつくことが多かったんですけど、今は「全員に後悔してほしい」って思ってます。私、過去に付き合った人に自分から振ったことないんですよ。もったいないことしたって、後悔していてほしいんです。

──愛に溢れた方であることは曲からも伝わってきました。やはり恋愛は人生の原動力になっているんですかね?

みさき:そうですね。常に好きな人がいないとダメなタイプです。やっぱりこの世は愛に尽きると思ってるんです。愛がなければ優しくできないし、私は愛で生きています。

──愛の大切さを作品やライブで届けていくと思います。アーティストとしての目標や夢はなんですか?

みさき:ずっと恋愛ソングを歌い続けていきたいので、西野カナさんのような恋愛ソングの女王に憧れを持っています。全国ツアーもやってみたいですし、海外でも聞いてくれる方がたくさんいるので海外ツアーもしてみたいです。

──先ほどmiwaさんの名前があがりましたが、最近刺激を受けた楽曲は?

みさき:『ユイカ』さんが書く歌詞はどれも全部好きです。女子の頭の中をそのまま描いたようなストレートな歌詞で、「ザ・女の子」な表現に影響を受けてますし、好きでよく聞いてます。「おくすり」っていう曲を聞いたときは「どうやって作ったんだ?」って驚きました。なんでも『ユイカ』さんが風邪をひいて、病院でくすりの処方箋を眺めていたら歌詞が浮かんだようです。尊敬してます。

──今は幸せな曲ばかりできちゃうとおっしゃっていましたが、今後作りたいと思っているテーマはありますか?

みさき:家族愛をテーマにした曲を書いてみたいと思っているんですけど、なかなか難しくて。私が小さい頃の母と父の思い出話になっちゃって、果たして自分の話に共感してもらえるのか、そこに苦戦してます。

──なるほど。今後取り組んでみたいサウンドはありますか?

みさき:洋楽のカントリーをよく聞いていて、洋楽っぽい曲を作ってみたいです。

──そういうのもライブ映えしそうですね。来年1月にはSHIBUYA PLEASURE PLEASUREでワンマンライブが控えています。どんなライブにしたいと考えていますか?

みさき:メジャーデビュー後初のワンマンライブで、ここから始まるっていう意味を込めて、古い曲も新しい曲も歌います。私のいろんな一面を見てもらって、みさきの音楽がどう進んでいくのかを感じてもらえるライブにしたいと思ってます。

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