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<インタビュー後編>小室哲哉、【ELECTRO】への想いを語る



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 小室哲哉が昨年開催した初のオーケストラコンサート【Premium Symphonic Concert 2022 -HISTORIA-】は、J-POP史に残る数々のTKメロディの歴史と“強さ”を、オーケストラが 紐解き、証明した3公演だった。そして2024年——【billboard classics ELECTRO produced by Tetsuya Komuro】を6月29日愛知県芸術劇場大ホールを皮切りに、全国で6公演開催する。一昨年初のフルオーケストラコンサートを経て感じた衝動を、【ELECTRO produced by Tetsuya Komuro】という進化形のオーケストラコンサートとして提示する。電子音と生音が交差し生まれるダイナミズムが観客を魅了した前回、今回はどんな熱狂をプロデュースするのか、インタビューした。【後編】ではまもなく開催となる【ELECTRO】の構想を聞き、“究極のオーケストラコンサート”の演奏予定曲や内容を、聞かせてもらった。

インタビュー前編記事は こちら

(Interview & Text:田中久勝/Photo:石阪大輔)


ELECTROへの想い

── 前回は一曲目から「Get Wild」(TM NETWORK)が投下され、「My Revolution」(渡辺美里)や「寒い夜だから…」(trf)、「恋しさとせつなさと心強さと」(篠原涼子)ほか小室さんが手がけたヒット曲のオンパレードでしたが、今回はどんなセットリストになりそうですか? 

小室:オーケストラありきで作った「FREEDOM」(西川貴教 with t.komuro『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』主題歌)は是非演奏してみたいなと思っています。新曲も用意しています。前回は初めてのフルオーケストラコンサートということで手探りの部分もあったし、お客さんのことも考えてベストヒットTKみたいな感じでした。それはオーケストラアレンジになった時、楽曲の力が改めてどれくらいあるのか見極めたいという実験的な部分もあって、演奏曲も事前にアナウンスしました。やってみた結果、曲を知っているかどうかじゃないかもって思いました。やっぱりその場で聴いて心が動かされるような楽曲選びや構成にしなければいけない。根底にあるのは皆さんをとにかく感動させたいということです。グッときたとか泣きましたとか、そういうエモーショナルな反応が返ってきてほしいんです。前回はコロナ禍ということもあって、客席も静かにしていなければいけなかったけど、今回は思い切り感情を露わにしてほしいです。


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── おっしゃる通り前回はベストヒットTK的なセットリストでしたが、TM NETWORKの楽曲は「Get Wild」と「BEYOND THE TIME –メビウスの宇宙を越えて-」の2曲と少ない印象でした。 

小室:前回はTMのツアーが始まったばかりのタイミングだったので、TMの曲はあまりやらない方がいいかなと思ったのですが、今回は全方位で選曲ができるので、TMの曲をもっと入れようと思っています。「Get Wild」は、今回の【ELECTRO】用に新たに「Get Wild ELECTRO Mix」として作り直しました。


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──前回はゲストボーカルとしてBeverlyさんが登場しました。今回もゲストボーカルが出演する予定でしょうか?

小室:今回も素晴らしいゲストシンガーの皆さんが登場してくれます。初日の6月29日愛知公演と7月19日の東京公演では、以前から親交があるのですが今回初めて野宮真貴さんとコラボします。その先の公演では、TM NETWORKの活動にゆかりのあるメンバーなどを予定していますので、発表を楽しみにしていてください。


── 【ELECTRO】のファイナルは、クラシックの殿堂・東京文化会館ですが、他のホールとはまた違った空気に包まれそうです。

小室:やっぱり独特の雰囲気があるホールですよね。コンサートが始まるのを待っている、品のいいお客さんが集まっているあのホワイエの佇まいは、昔から憧れでした。“いるべきところにいる人”ばかりという感じで、サントリーホールや、軽井沢大賀ホールもそういう感じがします。演奏する人とお客さん、人がホールを作るんだなって思います。余裕と気品を感じる東京文化会館でのこのコンサートが、どうお客さんに響くのか、僕も楽しみにしています。


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── 今年はTM NETWORK 40周年で、1月からホールツアー【TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days 〜STAND 3 FINAL〜】を行い、4月からはアリーナツアー【TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days~YONMARU~】(4月20日~5月19日)がスタートしています。この大きなライブを終えての【ELECTRO】ですが、どんな心持ちで作っていきますか?

小室:40周年記念ツアーをFANKSの皆さんと楽しんで、気持ちは晴れ晴れとしていると思うので、次の港へ向けて大海原にまた船出するという感じです。好きなヨーロッパに向けて航海に出る。それも飛行機ではなく、客船で旅をする。そんなイメージがオーケストラとは合うんですよね。もちろん今回初めて僕のコンサートを観るという方にも楽しんでいただけると思いますし、また来たいと思っていただけるようなものにします。


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