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<インタビュー>ももいろクローバーZ ~15にまつわる話 Vol.12「一期一会の15年」~

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Interview:Takuto Ueda

 東京・大阪のビルボードライブ15周年を記念してスタートした連載企画「15にまつわる話」。今回登場するのは、5月17日にグループ結成15周年を控えるももいろクローバーZ。“週末ヒロイン”を名乗り、学業と並行しながら路上ライブを中心に活動開始、今ではお茶の間に愛される国民的アイドルに。結成15周年記念ソング「いちごいちえ」のリリースや“始まりの地”代々木で行うアニバーサリー公演について、そして人生の半分以上を占めるアイドル活動の歴史とこれからの未来について、4人に話を聞いた。

ももクロにとって特別な“15”という数字

――8月の【SUMMER SONIC】出演が発表されました(取材は4月頭)。皆さんが最後にこのフェスに出たのは2013年です。当時のことを覚えていますか?

玉井:当時は今と比べてアイドルがフェスに出るという文化がなかったし、私たちもあまり出たことがなかったのでアウェーだと思って、けっこう攻めたセットリストで挑んだのを覚えています。

百田:それでも興味本位で見に来てくださった方々がいて、そこから私たちのことを応援してくれるようになったり。徐々にロックフェスでもアイドルが受け入れてもらえるようになったけど、ちょうどきっかけになったのがその頃のフェスだったと思います。だから、すごく印象に残ってるよね。

高城:みんなで本番前に「緊張するね」とか言い合いながら、やっぱり気合いが入っていたので、直前までフォーメーションの確認をしていた記憶があります。

玉井:普段、私たちのライブではサイリウムを持つファンの方が多いけど、バンドのライブだとそういう文化があまりないじゃないですか。だからこそ、ライブ中にお客さんの手がどんどん上がっていくのが見えたときに「ノッてくれてる!」ってうれしくなります。



――あれから10年、ももクロは5月17日に結成15周年を迎えます。どんな心境ですか?

佐々木:「すごいな」って思います。

――ははは。あまり実感は湧きませんか?

高城:私たち自身もここまで続くと思っていなかったというか。何周年まで活動しようとか決めていたわけでもなく、とにかく目の前のことを楽しんできた。そしたら気づけば15周年でした。それはずっと応援し続けてくれた方々のおかげなので、この1年間は今まで以上に感謝の気持ちを伝えられたらいいなと思います。

――結成は2008年5月。最初はグループとして本格的に活動していく予定はなく、人前に立つレッスンの一環として集められたわけですよね。皆さんの中で覚悟が決まった瞬間、きっかけがあったりしたのでしょうか?

百田:最初は学校に通いながらお仕事していたので、メンバー全員が学校を卒業して社会人になったときに「私たちはこのお仕事をずっとやっていくんだ」という責任感が生まれた気がします。

玉井:お仕事に対する感覚が変わったよね。

百田:そう、もちろん昔が遊び感覚だったわけではないけど、一つひとつのお仕事やレッスンの重みが増したというか。私たちも「これぐらいまで続けよう」みたいな話は一度もしたことがなくて、気づけば15年経っていた感じなんですけど、お仕事の意識が変わったのは学生を卒業したときだったと思います。

――この15年間を振り返って、真っ先に思い浮かぶ景色ってどんなものですか?

高城:やっぱりライブかな。

佐々木:10周年の東京ドームは節目のひとつとして思い出しますね。「もう5年経ったんだ」って。

百田:周年は過去を振り返る機会が必然的に多くなってくるけど、やっぱり活動がスタートした場所、路上ライブやレッスン場の風景がすごく蘇ってきます。15年間の中ではほんの一部で、決して長い期間ではないけど、当時の私たちにとっては毎日がすごく濃かったので。

――「もう15周年」と「まだ15周年」、どちらの感覚が強いですか?

高城:どっちもあるよね。

玉井:あっという間だった感覚もあるけど、こうやって振り返ったときにはいろんな思い出があって、やっぱり歴史を感じたり。ただ、周りの方からは「まだ15年なんだ」という声をいただくことが意外と多い気がします。

百田:私の周りもそう。

玉井:活動を始めたときの年齢が若かったからかもしれないけど。「まだ20代だったんだ」と驚かれることも多いです。

佐々木:テレビとかで芸能人の方が「今年で15周年なんですよ」と言っているのを見たときは「すごいな」と思ったりしたけど、いつの間にか自分たちもそんなに活動していたんだなって。

高城:あーりんから順番に「人生の半分がももクロ」になっていって。私は最年長なのでなかなか到達できなかったけど、今年ちょうど30歳なのでようやく「人生の半分がももクロ」になりました。みんなに追いつけてうれしいです。



――ももクロが結成されたのは、それこそ高城さんが15歳のときですよね。そういう意味でも“15”ってすごく特別な数字ですよね。

高城:そうですね。人生の節目になっているなって。

――百田さんが15歳のとき、ももクロは1stシングル『ももいろパンチ』でインディーズ・デビューしました。

百田:みんなで車に乗って全国ツアーを回ってました。なかなか記憶をずっと保っていられることばかりじゃないけど、やっぱり最初の1~2年ぐらいは鮮明に思い出せますね。車中で見ていたDVDの内容とか、みんなが寝るときの体勢とか。

――車中泊のですか?(笑)

百田:車の中で寝やすい体勢というのがあるんですよ(笑)。

佐々木:みんなの枕の柄とか。

百田:そうそう、自分が使っていたキャリーバッグやお財布の柄とか。どうでもいいことまで鮮明に覚えています。

佐々木:その頃のお財布なんだったっけ?

百田:キティちゃんのキラキラしたやつ。水色の。

玉井:あったね。

百田:それはファンの方にいただいたもので、「こんなにキラキラしたお財布、自分じゃ買ったことない!」と思って、当時とても大事にしていました。キティちゃんが好きだったので、携帯電話の裏側にある電池パックの蓋にもデコシールみたいなものを貼っていたんですけど……。

玉井:その蓋だけ地方に行ったときに失くしちゃったんだよね。

百田:そうそう。

玉井:みんなで空き時間に探しながら歩いた。

佐々木:そうだ。

百田:でも結局、失くなっちゃったんですよね。

玉井:たしかに、どうでもいいことばかり覚えてる。15年間、みんなで一緒に日々を過ごしてきたからこそ、毎日が思い出でした。大人になってからも学生時代の話で盛り上がるような、そういう感覚で振り返っちゃう。

――毎日をがむしゃらに生きてきたからこそ、ですよね。

百田:そのまま思い出として真空パックされている感じ。でも、当時は大変だったことが時間を経て笑い話になる瞬間もあって。そういうときに続けてきて良かったなと思います。

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15周年の先に思い描くビジョン

――そして、4月には結成15周年記念ソング「いちごいちえ」をリリース。まずは経緯をお聞かせいただけますか?

玉井:私たち、けっこう周年のタイミングを忘れちゃいがちで(笑)。さすがに10周年は覚えていたけど、あのときは東京ドームでライブをしたので、15周年でも何かやりたいという話を珍しく去年からしていたんだよね。

――2018年のベストアルバム『桃も十、番茶も出花』には、10周年を記念した新曲「クローバーとダイヤモンド」が収録されました。

玉井:私たちはやっぱりライブを大事にしてきているので、15周年の感謝の気持ちを曲に乗せて、ファンの皆さんに伝えたいという話になって。それでスタッフさんたちとも「どんな曲にしたいか」「誰に書いてもらいたいか」みたいな打ち合わせをして、いろいろ固めていった感じです。

百田:私たち自身の背景はもちろん、私たちと応援してくださってる方々の関係性、そしてファンの皆さんそれぞれの人生を感じられるような曲にしたくて。

――作詞作曲は「クローバーとダイヤモンド」も手掛けたC&KのCLIEVYさんです。

百田:あのときC&Kさんも10周年で、今年も同じく15周年なので「お互いおめでとう」みたいな。そういう縁もあって「もう一度お願いしたいね」という話になってお願いさせていただきました。

――楽曲の第一印象はいかがでしたか?

玉井:過去を振り返るときって、どうしてもしんみりしてしまいがちだけど、私たちはあまりそうではなく、どんなときも笑顔があったなと思っていて。なので、みんなが楽しくなるような曲がいいなと思っていたんです。それに、15年間でいろんな方々と出会ってきたからこそ今があるので、そういう思いも込めたかった。タイトルの「いちごいちえ」だったり、すごくキャッチーで明るいサビだったり、今回の周年にぴったりな曲になっています。

高城:私たちは15周年記念ライブが声出し解禁のワンマンになりますが、みんなで「ありがとう」を「いちごいちえ」を通して言い合えるような、そんな温かい曲だなと思いました。

佐々木:メロディがすごくキャッチーで、一度聴いたら口ずさめちゃいそうな曲なので、モノノフの皆さんはもちろん、それ以外の方々にも興味を持っていただけたらなって思います。そういうきっかけにもなるのが節目の年だと思うし。いろんな方々に聴いていただきたいです。ラスサビ前の<きやがるんだな>の部分は「もしかしたらみんなも歌ってくれるかな」とか、わくわくするパートもあって、15周年がすごく楽しい1年間になりそうだなと思わせてくれる曲です。



――5月16日と17日、国立代々木競技場 第一体育館(以下、代々木第一体育館)にて結成15周年記念ライブ【「代々木無限大記念日 ももいろクローバーZ 15th Anniversary】が開催されます。意気込みをお聞かせいただけますか?

玉井:ファンの皆さんが15年の中でももクロを好きになってくださったタイミングってそれぞれ違うと思うし、皆さんの中にもいろんな思い出があると思うんですけど、いつどこで出会ったかに関わらず楽しんでもらえるライブにしたいです。声出し解禁でもあるので、皆さんの声が聞けるような楽曲もやりつつ、やっぱり15年の歴史を思い返せるようなライブにできたらなって。

佐々木:感謝を伝えられる場所はライブだと思っているので、やっぱり「皆さんがどんなライブを見たいか」を一番に考えながら、その期待に応えられるようなライブにしたいです。

玉井:ちょっとしたサプライズも用意できたらいいなって。

――おぉ、楽しみですね。

百田:代々木第一体育館で単独ライブをやらせていただくのは初めてで。ももクロは代々木公園の路上ライブからスタートしたので、代々木という場所にはこだわっていたんです。最初は代々木公園でフリーライブしようという案も出ていたぐらい。でも、ちょうど当日に代々木第一体育館が空いていたので、そっちでやってみようかという話になって。初めての会場という景色も新鮮なものになりそうで楽しみです。

玉井:たしかに。路上ライブをやっていた当時は数人のお客さんしかいなかったけど、こうやって代々木第一体育館でのライブが決まって、たくさんの方々が来てくださる景色を想像しただけでわくわくする。

――ビルボードライブも同じく15周年を迎えました。高城さんと玉井さんはご来場いただいたこともありますよね。

高城:キッスのポール・スタンレーのライブですね。あとは、加藤いづみさんのライブにもしーちゃんとお邪魔させていただきました。

――ももクロのライブでもお馴染みの加藤いづみさん、デビュー30周年のステージでした。会場の雰囲気などはいかがでしたか?

高城:本当に特別な感じで、ちょっとした異空間というか。自分がすごく大人になった気分でした。ああやって飲んだり食べたりしながらライブを見たことがなかったので、もし機会があるなら私たちもビルボードライブでディナーショーみたいなライブをやってみたいなと思いました。

玉井:すごく上質な時間の過ごし方だなと思いました。普段のライブは一緒に盛り上がって楽しむというか、お客さんも“参加する”気持ちで来てくださっていると思うんですけど、ビルボードライブは“聴きに行く”という感じがして。音を楽しむ、音楽そのものの空間だなって。



――今年で記念すべき結成15周年。その先に皆さんが思い描く夢や野望について、最後に聞かせてもらえますか?

百田:いつか私たち以外の誰かがももクロの歴史を作品にしてくれるような活動ができたらいいなって。

玉井:ドリフターズさんみたいなね。

佐々木:私はディズニーランドでライブがしたいです。

――なぜディズニーランドなんですか?

佐々木:ディズニーが好きだからです(笑)。

――ははは。率直ですね。

佐々木:でも、それってやっぱりすごいことだと思うので。ディズニーランドでライブできるぐらい国民的な存在になれたらいいなと思います。

玉井:少し抽象的ですけど、まだ出会ったことがない方に会いに行けたらいいなと思います。ももクロの名前は知っているけどライブには来たことがないという方もそうだし、そもそも名前すら知らないという方も日本ではまだまだたくさんいると思うので。世界で見たら膨大な数になるだろうし。わくわくしますよね、初めましての方がライブに足を運んでくれるというのは。

高城:私も同じような感じで、海外に行きたいなと思います。どんどん日本以外でもライブをやっていこうと考え始めた頃に、ちょうどコロナ禍になってしまって。まだ私たちを知らない方々に届けたい気持ちもあるし、逆に私たちが知らない世界もいっぱいあると思う。新しい環境でいろんなことに挑戦していけたらいいなと思います。言葉が通じなくても、音楽やパフォーマンスでどこまで伝えられるのか、そういう部分を鍛えたいです。

玉井:みんなで「海外のフェスに出たいね」という話はしていて。日本でも新しいステージはたくさんあるけど、海外は言葉が通じないぶん、もっとアウェーなので。

佐々木:がちアウェーがまだある。

玉井:でも、わくわくする。

百田:ありがたいことに私たちは、アニメの主題歌を歌わせていただくこともあったので、それが海外の方に知っていただく機会にもなっているなって。前に海外でライブをやらせていただいたときも、私たちのことは知らないけど曲は知っているという方はけっこう多くて、イントロが流れた瞬間に歓声が湧いたこともあったりして、すごくうれしかったです。そうやって日本ならではの文化を広げていけたらいいなと思います。

玉井:K-POPとかもそうだけど、世界中で人気のアーティストさんは洋楽寄りの音楽をされていることが多いなと思っていて。でも、ももクロは“ザ・日本のアイドル”って感じだし、それがある意味、日本の文化を広めるうえでの良さでもあるのかなと思っています。そうやって世界中のいろんな方に会いに行けたらいいな。



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