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<Billboard JAPAN SDGs プロジェクト第四弾>Dream Shizuka:「〇〇だから」を理由に出来ない社会をなくしたい



インタビュー

 Billboard JAPANは「音楽」と「食」を通じて、社会の諸問題の解決に主体的に関わりながら、人々の暮らしを彩る「夢」と「感動」を未来に繋いでいくSDGsプロジェクトをスタート。アーティストが力を入れている取り組みや思いを不定期で発信していく。第四弾には、E-girls、DANCE EARTH PARTYのメンバーとしても活動し、今年デビュー20周年を迎えるDream Shizukaが登場。ガールズグループで第一線で活躍した彼女だからこそ語れる、ジェンダーについての考え方を聞いた。

音楽を通じて持続可能な未来を創る

――いろいろあるSDGsの項目の中でShizukaさんが「ジェンダー平等について」選んだ理由を教えてください。

Shizuka:私自身がこのアーティストの活動、そして日常生活を送っている中で「男性だから」「女性だから」という言葉にひかっかることが多かったからですかね。せっかくやりたい事があっても「女性だからこれは出来ない・やめておいたほうがいい」とか、なんとなくそういう風潮がまだあると思うんですけど、それにすごい違和感があって。せっかくやりたいって思えたことは、性別、年齢、に制限されずに何でもトライすべきだし、「〇〇だから」っていうのはなくなればいいのにと思っていたのでこのテーマを選びました。


――実際にShizukaさんが「女性だから」という理由で挫折した経験はありますか。

Shizuka:私自身、この言葉を言われたこともあるし、それが足かせになって止まってしまいそうになったこともあります。でも私はその考え方には納得できないタイプだったので、気にせずに突破していきました。
だけど周りの友達を見ていても、就きたかった職業を諦めている姿を見たり、ファンの方からも相談のお手紙をいただくことが多くって。私はなんでもやってみればいいじゃんって思う派ですけど、そう思えない人、どうしてもその壁を越えれない人も実際多いんだと感じました。


――Shizukaさんの「なんでもやってみればいいじゃん」の精神はどこから来ているんですか。

Shizuka:Dreamとして、たくさんの日々を過ごしている中で、「やらない後悔より、やった後悔の方がいいよね」っていう話になったんです。やらなかった後悔はずっと残るんですけど、やってみて失敗した後悔は笑い話に出来るんです。だからこそやりたいと思ったことは、とりあえずやる!という精神になっていきましたね。


――そんなマインドになるまでに、影響を受けた方はいますか。

Shizuka:そうですね。影響を受けた方、尊敬する方はたくさんいるのですが、やっぱりEXILE HIROさんですかね。HIROさん自身がパフォーマーとして第一線で活躍されて、裏方もやられていて。その中で「やりたい事は口に出さないと叶っていかないよ」という言霊の力をよく私たちにも伝えてくれてたんです。それと同時に、HIROさん自身が行動して道を切り開く姿を近くで見せてもらっていると、迷ってるよりも行動しないとなにも変わらないなって思いました。
HIROさんのように先頭に立ってリードしてくださる先輩方の存在と、弱ったときに仲間同士で引っ張ったり、フォローしあったり、身近な仲間であるDreamの存在も大きかったです。


――そんなHIROさんの背中を見ながら、Shizukaさん自身がE-girlsの中心メンバーとしてもご活躍されていたと思いますが、大所帯のガールズグループの指揮を執っていた際に心がけていたことはありますか。

Shizuka:私はリーダーシップが取れる性格ではないし、伝えるのが下手なんです。口では何とでもいえるけど、それが伴っていない人にはついていきたいって思わないじゃないですか。なので私は、みんなが頑張なきゃいけない時は、まずは自分が人一倍頑張る!そんな風にして自分自身の行動で示すようにはしていました。私はそんなメンバーに影響を与えれるようなことは出来てないんですが、そもそも根本的にみんな負けず嫌いなんです(笑)LDHはもともと男性グループが多い中で、Dreamが初の女性グループとして移籍して、そういう意味では、男の人には負けたくないって思いましたし、それこそ「〇〇だから」という言葉に負けたくないという気持ちが活力になりましたね。


――そんな中で、E-girls、Dreamがグループとしてどんどん成長していった秘訣はなんだったんですか。

Shizuka:ダンスグループのくくりでみると、男性グループが多い環境だったというのが、良かったのかもしれないです。というのもダンスは「女の子だからこんなダンスを踊っちゃいけない」「女の子だからこう表現しなきゃいけない」みたいな制限がなくて。枠にとらわれず突き進んだのが良かったんですかね。「女の子でもこんなに踊れるんだ」っていうガールズパワーのようなものを認められたというか、それが良しとしてくださった環境が大きかったかなと思います。


――グループでの経験は、ソロ活動になってどんなふうに活かされてますか。

Shizuka:枠組みを決めない、枠組みにはまらない。決められたものに従うのではなく、自分の気持ちを軸に考えるっていうのはすごく活かされてるなと思います。やっぱり「○○だから」「女性だから」っていうのに縛られないというのは意識してます。


――Woman We Areはまさにそんな内容ですよね。

Shizuka:自分の中では性別も年齢も気にしてなくて、形として捉えてるんです。けどそこをこだわる人はまだまだ多いのかなと思うのですが、そこを気にして生きるんじゃなくて、もっと一人ひとりが自分らしさに自信を持って生きていけたら、より人生が楽しくなるんじゃないかなってシンプルに思うので、そんな内容を表現した曲です。
他にも自分の作品を創るときには性別、年齢関係なく、聴きたい人が聴いてくれたら素直に嬉しいですし、必要なときに私の作品を聴いてくれたり、そばに置いておきたくなるような存在になれたらと思ってます。



▲Dream Shizuka「かなしみから始まる物語」 (Official Music Video) (from 1st SG「4 FEELS.」)


――Shizukaさんが思う自分の強みは何ですか。

Shizuka:ポジティブとネガティブが混在しているところですかね。ファンの方々には完璧で、いつでもなんでもへっちゃら!みたいなイメージを持っていただいてるみたいなんですけど、逆にそれがプレッシャーに感じることも実はあって(笑)
本当の自分はいつでもポジティブでいられるわけないし、なんならネガティブなんだけどなって思いながら、これを言うとファンの方をガッカリさせてしまうかな、という怖さもあったんです。けど本当の自分も知ってほしいなって思うし、完璧なんてないんだよっていうのを伝えたくて、少しずつ歌詞だったりを通して伝えていってます。


――最後になりますが、今年20周年を迎えるなかで、今後さらに挑戦したいことがあれば教えてください。

Shizuka:まだまだ自分が表現できていないこともあるので、そこをどんどん開拓していきたいです。私のネガティブな部分だったり、もっともっとファンの方々と悩みだったりを共有していきたいなと。あとは冒頭でも言った通り、「○○だから」というのをなくしていきたいです。私でいうと34年間生きただけ、なので年齢はただの数字だと思ってるので、凝り固まった概念がなくなるように、自分が体現していけたらなと思います。








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