Billboard JAPAN


Special

<CASIO×Billboard Live>KEN THE 390 音楽ルーツ&ヒップホップの面白みに出会うまで



インタビュー

 「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。

 ラッパーとしての活動にとどまらず、音楽レーベル〈DREAM BOY〉を主宰するなど幅広い活動でシーンを牽引するKEN THE 390。昨年3月には、デビュー15周年の締めくくりとなるニューアルバム『en route』をリリースし、その翌月に神奈川・Billboard Live YOKOHAMAにてバンドセットのライブを行った彼が、早くもBillboard Liveに戻ってくる。今回もBillboard Live YOKOHAMAのみで開催される、一夜限りのプレミアムなライブ。ゲストにFull Of HarmonyやFORK (ICE BAHN)、サイプレス上野、おかもとえみ、テークエムをゲストに迎え、前回とはまた違ったパフォーマンスを披露してくれること請け合いだ。そこで今回、KEN本人はもちろん、バンドセットのライブではバンマスを務めるタケウチカズタケとの対談をお届け。音楽に目覚めたきっかけや、ライブに向けての意気込みなどざっくばらんに語り合ってもらった。

――まずは、お二人が音楽や楽器と触れ合うようになったきっかけを教えてもらえますか?

KEN THE 390:僕は小学校へ上がる前にピアノをやっていました。今は全く弾かないんですけど、それが音楽に触れた初めての経験だったんじゃないかな。中二くらいからは一切練習しなくなって。「来るたびに下手になっているよ」と先生に言われるようになってしまいましたが(笑)。

タケウチ:あははは。僕も小さい頃から音楽は好きだったんですけど、聴くだけで演奏する機会はほとんどなかったんです。「ピアノが弾きたい」と思って弾き始めたのは中学三年生の頃。しかも音楽の授業が始まる少し前から音楽室に忍び込んで、こっそり弾いていたんですよね(笑)。授業が終わってみんなが他の教室へ移動しても、一人で残って弾いていることもありました。

KEN THE 390:映画の主人公みたいじゃないですか(笑)。

タケウチ:放課後とかにもこっそり音楽室へ行って、勝手に弾いていた(笑)。ピアノに触れる機会が他にはなかったんですよね。最初に買ってもらったのがCASIOさんのカシオトーンで、それが中二か中三の頃かな。嬉しくて家でずっと弾いていました。あまりにも弾きすぎて最終的には黒鍵が全部折れてなくなっちゃったんですよ(笑)。それだけ弾き方もめちゃくちゃだったんでしょうね。(笑)。

――当時はどんな音楽を聴いていたのですか?

タケウチ:とにかくすごい勢いで音楽を吸収していましたね。国内外問わず様々なジャンルのアーティストを聴いていましたが、キーボードを弾く上で影響を受けたのはTMネットワークとか。自分がまだヒップホップに出会う前だったかな。でもその頃から「ただ楽器の演奏がしたい」というより「曲を作りたい」という頭になっていたような気がしますね。

KEN THE 390:僕は中学に入ってバンドがやりたくなって、ベースやギターをかじっていました。当時はまだヴィジュアル系全盛期だったんですけど、そういう音楽も聴いていたし中二くらいからは『NOW』『MAX』みたいな、洋楽シリーズのオムニバスCDをよく聴いていました。中三になるとリンプ・ビズキッドやコーンなどミクスチャーの音楽に夢中になって、山嵐を好きになった流れでヒップホップにたどり着きました。それまではいろんなバンドのコピーをしていたのですが、「ラップに挑戦してみよう」という話になり、シングルのカップリング曲として収録されているインスト曲に合わせて、みんなでリリックを書いてみたんですよ。今思えば全く稚拙な内容だったと思うんですけど、とりあえず曲にはなったんです。僕らそれまでずっとバンドをやっていて、いろんなコピーをやったけどオリジナルとか書いたことがなかったんですね。でも、ラップに挑戦したら一晩で1曲できちゃって。めちゃくちゃ興奮して「もう、コピーなんてやってる場合じゃねえ!」って。

タケウチ:あははは! すごくよくわかる。バンドの場合、演奏のレベルを上げるだけでも大変だからね。

KEN THE 390:そうなんです。楽器ってまず技術力がいるじゃないですか。ヒップホップはその過程を吹っ飛ばすことができるジャンルなんですよ。そこがすごく刺激的だったし、あまりにも面白すぎてバンドのメンバー大半がラップをやるようになっちゃいました(笑)。気づいたら毎晩集まってラップをやっていましたね。

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――さて今回、2回目となるBillboard Live公演が開催されます。聞きどころなど、お話しいただけますか?

KEN THE 390:僕はラッパーなので、普段のライブはDJと2人とかそういう最小限の編成でやることが多いんですけど、Billboard Live公演はバンド編成で自分の曲を披露できるところが最大の魅力です。去年Billboard Liveでやらせてもらった時は、めちゃめちゃゲストも呼んで、ちょっとお祭りみたいな雰囲気もあったんですけど、今回はもう少しストイックにバンド演奏に向き合ったステージになるんじゃないかなと。

タケウチ:バンドスタイルでのKENくんのライブに自分が「バンマス」として関わるようになって、その10年間で培ってきた数々のノウハウを注ぎ込みながら、大勢のゲストたちとステージを作っていくという意味では、去年のBillboard LiveはKENくんの集大成的な内容になったと思います。それを踏まえて今回は、バンドとして次のステップへ進む重要なステージになる気がします。

KEN THE 390:打ち込みやサンプリングで組み立てたトラックを、生楽器のバンド編成で再現するのがすごく楽しくて。どの音をどの楽器で鳴らすか、原曲のトラックをどのくらい鳴らすのかとか、一度トラックを全部バラして再構築していく作業が必要なんですよね。自分の楽曲にイチから向き合うという意味でも面白い。

タケウチ:でもそこは、KENくんの懐が大きいからこそ出来るんですよ(笑)。個人的にはダンスミュージックが大好きだし、ヒップホップやハウスをずっと聴いてきた人間ですけど、それを「人力」で演奏したらどうなるか? みたいなギリギリのラインを攻めるみたいなことをやらせてもらえていて。そういう「攻めた」バンドアレンジとかも、「あ、いいっすね!」という感じで常に面白がってくれているんですよね。

KEN THE 390:そうやっていろんなアイデアを出して一緒に考えてくださる方なので、カズタケさんのことはとても信頼しているし、いつも楽曲がどんどん変化していくのが楽しくて仕方ないです。とはいえ、Billboard Liveは自分の憧れていた先輩ミュージシャンや、海外アーティストのライブを客として観にきた場所でもあるので、そこでの演奏はちょっと襟を正したくなるというか、気持ちがシュッとなりますね。

 もちろん、普段からどのライブも気合を入れてやっているんですけど(笑)、やっぱりBillboard Liveは「箱」としての魅力も他にないものだし、特別な気持ちで挑みたいと思います。いつものDJスタイルのライブを見てくださっている人も、今回初めて僕のライブを見るという人も、どちらのお客さんも楽しんでもらえるステージにするつもりなので、皆さん是非楽しみにしていてください。

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