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<特集>ペンタトニックスが日本のファンに捧げる最新作『ラッキー・ワンズ【ジャパン・デラックス・エディション】』、Little Glee Monster/ATEEZも参加しパワーアップ



コラム

5人の至極のハーモニーに注目

 米国の奇跡的なアカペラ・グループ、ペンタトニックスの最新作『ラッキー・ワンズ【ジャパン・デラックス・エディション】』が遂にリリースされた。『ラッキー・ワンズ・デラックス』として9月10日に配信リリースされた本作は、今年2月に出たオリジナル盤に7曲もの新曲が追加されており、「ミッドナイト・イン・トーキョー」の日本語バージョンに、彼らと親交の深いLittle Glee Monsterがゲスト参加している。

>>『ラッキー・ワンズ』解説特集はこちら

 本作の解説の前に、まずは6月に結成10周年を迎えたペンタトニックスの凄さを改めて紹介しておきたい。同じ高校に在学中にアカペラ・トリオとして活動を始めたスコット、ミッチ、カースティンの3人が基本的にヴォーカルで、ケヴィンはビートボックス、マットはベースを担当し、5人の声だけであらゆるジャンルの曲を表現してみせる。PCで作られる曲が主流となった現代において、ペンタトニックスは人間の肉声がどんなに素晴らしく驚異的なものになり得るかを、カバー曲とオリジナル曲の両方で証明してきた。

 アカペラ版のスター誕生番組『The Sing-Off』で優勝した後、彼らは2013年にすべてを自力で製作した「ダフト・パンク」のミュージックビデオで歴史的な記録を樹立して、世界的にブレイクした。このMVは日本でも大きな話題を呼び、2014年、彼らは本国に先駆けて日本でデビュー・アルバム『PTX Vols.1&2(ジャパン・エディション)』を発表して、【サマーソニック】出演と単独公演で初来日。2015年には早くも【グラミー賞】を受賞し、メジャー・デビュー作『ペンタトニックス』で、アカペラ・グループとしては史上初の全米チャート1位を達成した。YouTube世代のバンドとして、ペンタトニックスは次々に度肝を抜くMVを発表し続け、ツアーはみるみる規模が大きくなり、2019年のワールド・ツアーは過去最大の規模に。それに加えてクリスマス・アルバムも、全米1位を記録した2014年の『ザッツ・クリスマス・トゥ・ミー』以来、出す度に大ヒット。本国で恒例のクリスマス・ツアーは子供からシニアまでが集い、幅広い世代に愛されている。


▲「Daft Punk」

 今年2月に発表された6年ぶりのオリジナル・アルバム『ラッキー・ワンズ』は、そんな彼らの過去10年の集大成だ。この10年で全員がアーティストとして成長し、それぞれにパートナーができたり、婚約したり、結婚して父親になったりと、プライベートも大きく変化した。その成長ぶりが、彼ら自身が手がけたオリジナル曲に反映されている。

 高揚感に溢れるハーモニーと躍動感のあるリズムが最高のオープニング曲「ハッピー・ナウ」を始め、ミッチのファルセット・ヴォイスとリズム隊が繰り出すサウンドに圧倒される「コーヒー・イン・ベッド」、カースティンが過去最高に心をさらけ出した「ビー・マイ・アイズ」と「ラヴ・ミー・ウェン・アイ・ドント」、米ロック・バンドのシステム・オブ・ア・ダウンの「B.Y.O.B.」をサンプリングした斬新なサウンドの「ボード」など、歌詞もサウンドもすっかり大人びて、洗練された曲が揃っている。それでいて前作にあったキャッチーさは健在で、どれもが一緒に歌って楽しめる曲だ。

 アルバムのタイトルは「幸運な人達」という意味で、ソウルフルな曲が得意なスコットが書いたタイトル曲では、かけがえのない友人達と一緒に夢を実現し、様々な逆境を乗り越えて今の地点に辿り着いた自分達は本当に幸運だという感慨が、至極のハーモニーで歌われている。涙腺が緩むほど美しい曲だ。


▲「ラッキー・ワンズ」

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ミンナ、ダイスキ!
長年、僕達を応援してくれて本当にありがとう

 そんなペンタトニックスと同じ時代を生き、彼らの音楽を享受できる私達もまた、とても幸運だと私は思う。特に日本のファンに対して、ペンタトニックスはずっと一貫して沢山の愛を届けてくれている。

 その意味において、今回追加された完成度の高い7曲の中で特に聴きどころとなっているのは、やはり「ミッドナイト・イン・トーキョー」だ。学生時代に日本のアニメが好きだったカースティンと、DIR EN GREYやGACKTを好んで聴いていたミッチの影響で、彼らはデビュー前から日本にとても興味を持ってくれていた。そして初来日後は日本を大好きになってくれて、その気持ちをMV(上野のアメ横で撮影した「ラザー・ビー」)や曲(「Perfumeメドレー」、山下達郎の「クリスマス・イブ」の英語バージョン、Official髭男dismの「Pretender」のカバー)にして伝えてくれた。しかし、彼らが日本を舞台にしたオリジナル曲を作ったのは、今回が初めてだ。彼らが東京に行く度に感じている興奮や喜びが感じられる、煌びやかでダンサブルな曲になっている。


▲「ラザー・ビー」

 さらに、彼らは2020年に「Dear My Friend feat. Pentatonix」で共演したLittle Glee Monsterをゲストに迎えて、「ミッドナイト・イン・トーキョー feat. Little Glee Monster」をレコーディングしてくれた。歌詞が日本語に書き変えられていて、リトグリの美しいヴォーカルが溶け合い、夢見心地にさせられる仕上がりだ。深夜の東京のイメージにフィットする近未来的なMVも素晴らしい。

「これは数年前から僕たちが温めていた曲で、発表するタイミングを見計っていたんだ。日本は僕達が世界で一番愛している国で、来日したり、パフォーマンスするのが大好きって、いつも言ってるよね。だから今回デラックス・エディションを発表するにあたって、絶好の機会じゃないかと考えた。それに、せっかくなら日本の素晴らしいアーティストとのコラボも実現させたいと思って依頼したら、Little Glee Monsterが快く引き受けてくれた。彼女達の歌声が、この曲の魅力を格段に高めてくれている。遂にこの曲を発表できたし、大好きな東京の街についての曲だし、彼女達とのコラボまで実現しちゃって、もう大興奮だよ。」(スコット)


▲「ミッドナイト・イン・トーキョー feat. Little Green Monster」

 また、もう一つのコラボ曲「リトル・スペース feat. ATEEZ」も非常に魅力的。もともとレゲエ調のキャッチーで耳に残る曲だったが、世界的に活躍しているK-POPグループ、ATEEZのユンホ、サン、ジョンホの3人のヴォーカルが合わさった効果で、より一層優れた曲になった。MVもとてもポップでカラフルで、「ミッドナイト・イン・トーキョー feat. Little Glee Monster」と同様に、両グループのファンに絶賛されている。

 ペンタトニックスはこれまでに様々なアーティストとコラボレーションを重ねてきたが、オリジナル曲にゲストを迎えたのはこの2曲が初。この点においても、今作は彼らの進化を刻んだ貴重なアルバムと言えるだろう。


▲「リトル・スペース feat. ATEEZ」

 私は以前から、ペンタトニックスは「人間国宝級のグループだ」と言い続けてきた。彼らは最強のボーカル・グループである上に、不断の努力によってアカペラを前代未聞のレベルに進化させ、時代の先を行くポップ・ミュージックを創造し続けているからだ。3度の【グラミー賞】受賞を含めて数多くの成功を手にしてきた彼らだけれど、まだまだ正当な評価を受けていないと思うし、ファンもSNS上でその不満を頻繁に口にしている。だが、この『ラッキー・ワンズ・デラックス』を機に、彼らはもっともっと飛躍することだろう。

 最後に、スコットから日本のファンへのメッセージを。

「皆に伝えたいのは、僕達が日本のファンのことを、とても愛してますってこと。ミンナ、ダイスキ! 長年、僕達を応援してくれて本当にありがとう。できるだけ早くまた日本に行きたいと思ってる。あと、「ミッドナイト・イン・トーキョー」を気に入ってくれると嬉しいな。日本の皆のために作ったスペシャルな曲だから。こんな状況下ではあるけれど、皆が安全で、健康でいることを願ってるよ。」

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