2010/04/23 00:00
複雑なジャム、飛んでくるグロウ・スティック、空気中に漂うマリファナの煙、まったく我を忘れたダンス、それに座り心地のいい椅子と最高の眺めとエアコン――これが3Dのコンサート映画が提供してくれる「ほとんどライブを見ているような体験」であり、4/30に全国公開される『PHISH3D』にもかなりそれに近いものがある。ブルックリンで4/20の試写会を見た観客のひとりは「3Dメガネを外したら、ほとんどの人たちにとってPHISHが普通はどんなふうに映っているかがわかる」と語っていた。
2009年10月にカリフォルニア州インディオで行なわれたバンドのフェスティバル8で3日間に渡って撮影された映画『PHISH 3D』は、2回の夜のショーと1回の日中のアコースティック・セットに焦点を当てている。会場全体のショットとクローズアップの両方で、バンドが「TWEEZER」、「MAZE」、「AC/DC BAG」、「MIKE’S SONG」などの名曲、あるいは2009年のアルバム『JOY』からの「STEALING TIME FROM THE FAULTY PLAN」などを演奏する姿が捉えられている。また、バンドが他のアーティストのアルバムを丸ごと演奏する恒例のハロウィーン・コンサートでROLLING STONESの『EXILE ON MAIN ST.』をパフォーマンスする様子も含まれている。
たんなるギミックではなく、3Dはコンサート体験をよりリアルに近づける役割を果たしている。後ろから観客全体を捉えたショットは観客のひとりになったような気になるし、観客の上を転がっていく風船に思わず手が伸びてしまうほどだ。映画の上映中に、コンサートでスタッフがやるように劇場スタッフが本物のグロウ・スティックを客席に投げ込むことも何度かあった。観客は踊ったり、喝采したり、一緒に歌ったり、ライターで火をつけたりしていた。フェスティバルはアクション3Dプロダクションズによって撮影され、AEGネットワーク・ライブとシネディグムが提携して上映される。
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