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2018/04/14

大杉漣さんと1700人が最後の別れ 田口トモロヲ沈痛「恋しい、寂しい」

 急性心不全のため2月21日に急逝した俳優の大杉漣さん(享年66)のお別れの会「さらば!ゴンタクレ」が14日、東京都内の青山葬儀所で営まれた。
「ソナチネ」で大杉さんを見いだした北野武(ビ-トたけし)監督や、テレビ東京のドラマ「バイプレイヤ-ズ もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら」で共演し、最期をみとった田口トモロヲ、遠藤憲一、光石研、松重豊ら関係者約700人が参列。ファン約1000人も詰めかけ、大杉さんに別れを告げた。
 祭壇は、喪主の弘美夫人が「風の吹く中から、大杉が立ち現れてきそう」と思い描いた、大杉さんの師である転形劇場の主宰者・太田省吾氏の葬儀の時と同じ野原をイメ-ジしたもの。愛用のメガネやハット、自身のサッカ-チ-ム「鰯クラブ」のユニフォ-ム、応援していた徳島ヴォルティスの年間パスなどのサッカ-グッズが置かれ、長男で写真家の隼平さんが2016年に撮影した笑顔の遺影が参列者を迎えた。
 「バイプレイヤ-ズ」の4人は並んで弔辞に立ち、田口が代表して「いまだに気持ちの整理がつきません。覚めない夢を見続けているようで、壮大に仕組まれたドッキリなんじゃないか。今日あたり、おちゃめに登場してくるんじゃないかと思っています。ただひたすら、漣さんが恋しいです。そして、寂しいです」と遺影に語りかけた。それでも、「俳優の、人生の先輩として同じ時代を歩めた僕らは幸せでした。漣さんが残してくれた軌跡、示してくれた豊かな人間力を決して忘れません」と志を継承する決意を語った。
 「任侠ヘルパ-」など7本のドラマで共演した草なぎ剛は、「残された僕たちは、時が止まったままです。急にいなくなって、本当にもう、ずるいよ。どうしたらいいか分からなくて、困っているんですよ」と声を詰まらせながら訴えた。大杉さんを「レンレン」と呼んで慕っていた木村佳乃も、「レンレンのことが大、大、大好き。もう1回会って、大きな声でレンレンと呼びたいよ。それで、“よしよし”と呼んでもらいたかったよ」と声をしぼり出した。
 弘美夫人は、喪主あいさつで「大杉はタフで、疲れていてもなぜか元気でした。現場が大好きで、いろいろな人と話し、笑い合い、考えることが活力になっていました。どれだけ多くの人に支えていただいたか、言葉に尽くせません」と参列者に感謝した。隼平さんも「人として本当に尊敬していた。たくさんの方に見送られ、父も喜んでくれていると思う」と話し、集まったファンのもとにも向かい深々と頭を下げた。
 なお、戒名は「優月院漣奏球孝信士(ゆうげついんれんそうきゅうこうしんじ)」。
 《主な参列者》北野武、笹野高史、浜田雅功、木村佳乃、田口トモロヲ、遠藤憲一、光石研、松重豊、田山涼成、高橋伴明、大森南朋、岸部一徳、比嘉愛未、田中要次、國村隼、りょう、斎藤工、前田美波里、村上淳、水谷豊、室井滋、高橋克典、瀬々敬久、竹原ピストル、泉ピン子、尾野真千子、二階堂ふみ、鶴見辰吾、向井理、佐野史郎、黒沢清、速水もこみち、周防正行、村田雄浩、田口浩正、森山良子、要潤、草なぎ剛、ユ-スケ・サンタマリア、村上信五、川島海荷、白竜、哀川翔、松村邦洋、北村一輝、瀬戸朝香、鈴木砂羽、松本明子、長谷川博己、行定勲、安藤なつ(メイプル超合金)、稲垣吾郎、名取裕子、吉田羊、椎名桔平、勝地涼、新木優子、沢村一樹、木下隆行(TKO)、ダンカン、八嶋智人、吹越満、マギ-、徳重聡、滝田洋二郎、中村獅童、三池崇史、加藤茶(順不同、敬称略)
祭壇に置かれたユニフォ-ムなどのサッカ-グッズ