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2017/06/04

UK発の新星デュア・リパ、彩り豊かなデビュー作で提示する“ダーク・ポップ”(Album Review)

 英ロンドン出身の21歳、モデルも務める容姿端麗のシンガーソングライター、デュア・リパのデビュー・アルバム『デュア・リパ』が、2017年6月2日にリリースされた。本作からは、2015年リリースの80年代風ポップ・ソング「ビー・ザ・ワン」(UKチャート最高位9位)、トロピカル・ハウス調の「ホッター・ザン・ヘル」(UKチャート最高位15位)がスマッシュ・ヒットを記録し、2016年11月にリリースされた、ショーン・ポールのシングル「ノー・ライ」(UKチャート最高位10位)にフィーチャリング・ゲストとして参加したことも、大きな注目を集めた。デュア・リパは、イギリスBBCが選ぶ【BBC Music Sound Of 2016】にも選出している。

 彼女は、影響を受けたアーティストに、ネリー・ファータドやデスティニーズ・チャイルド、P!NK(ピンク)、クリスティーナ・アギレラなどを挙げていて、力強く歌う「ノー・グッバイズ」や、ラストを飾るピアノ・バラード「ホームシック」などに、影響を受けた女性シンガーたちの歌力が感じられる。また、「本作にはヒップホップの影響も色濃く出ている」と話していて、トラップ・サウンドをイメージした「ラスト・ダンス」や「ルーム・フォー・ツー」、ラップを披露した「ニュー・ルールズ」などに、その要素が感じられる。ダンスホール調の「ドリームス」も、その延長か。

 R&Bシンガーのミゲルが参加した「ロスト・イン・ユア・ライト」は、ミゲルらしからぬエレポップ・チューンで、彼のダークなイメージとは正反対の、爽やかなナンバーに仕上がっている。ガラージ・ハウス調の「ブロウ・ユア・マインド」や、メランコリック・バラード「ニュー・ラヴ」、フォークギターの弾き語り「シンキング・アバウト・ユー」など、1曲1曲のクオリティも高い。

 プロデューサーは、ジャスティン・ビーバーの『パーパス』やブリトニー・スピアーズの最新作『グローリー』などを手掛けたイアン・カークパトリック、2016年最大のヒット作、ドレイクの『ヴューズ』にも参加したジョン・リーバイン、ブルーノ・マーズやマーク・ロンソン、チャーリーXCXなどのヒット曲を手掛けるアンドリュー・ワイアット(スウェーデン出身のエレポップバンド、マイク・スノウのボーカル)、トーヴ・ローやタイニー・テンパーの最新曲を担当したイギリスの新進プロデューサー、グレイズなどが参加している。

 デュア・リパは、このアルバムを「ダーク・ポップ」と表現している。たしかに、華やかなポップ・アルバムというよりは、音作りや歌い方に、どこか毒素を感じられる節がある。だからこそ、聴き手を惹きこむのだろう。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『デュア・リパ』
デュア・リパ
2017/6/2 RELEASE

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