2025/12/22 16:00
今年、オアシスとして世界各地ですべてがソールドアウトした41本のスタジアム公演を行い、騒然とした熱狂の連続を経たギタリストのゲム・アーチャーが少し息切れしていても無理はない。「いまだに何が何だか分からない状態です」と語るアーチャーは、創設メンバーのポール・“ボーンヘッド”・アーサーズ脱退後の1999年に加入し、2009年の解散までバンドを支えた人物だ。
ギター・ワールドの取材に応じたアーチャーは、この圧倒的な体験を終え、いまは“クールダウン”の時間だと語る。彼は、「こんな反響になるとは誰も予想していなかった。僕らと観客の間に生まれた感覚が、どの都市でも同じだったというのは前例がないと思う。どの公演も、ただただ喜びに満ちた祝祭だった」と述べた。各地の通りはバケット・ハットをかぶったファンで埋め尽くされ、全曲を大合唱する光景が広がったという。
「ある公演で“Don’t Look Back in Anger”の直前に、ノエルが観客に、“いまからバンドの一員になる気分を味わってもらう”みたいなことを言った。まさにそのとおりで、その瞬間は8万人全員がバンドだった。それをはっきり実感したのは、たぶん3公演目くらいだった」とアーチャーは振り返る。
また、各公演で一切変わらなかった23曲固定のセットリストについても言及した。ファンの間では追加曲の希望が数多く語られていたが、アーチャーは、セットリストを見た瞬間にこのツアーがとてつもないものになると確信したという。実際、ツアー開始前には、さらに多くの曲が候補に入っていたことも明かした。
彼は、「信じられなかった。“まだ‘Supersonic'にも辿り着いていないのか!”って思った。そこから先はもはや常軌を逸した展開だった。彼らは長い時間をかけて詰めていて、最初はたしか27曲あって、それが最終的に23曲になった」と当時を回想している。結果的に実現はしなかったものの、将来の追加公演やセットリスト変更を期待する熱心なファンにとっては希望が残る話でもある。「あの曲順、あの構成は本当に無敵だ」と、彼はヒット曲とアルバム曲を織り交ぜた内容を称えた。
毎晩見られた兄弟のハグが示していた通り、かつて対立していたギャラガー兄弟が再び同じステージに立つことを心から楽しんでいたのか、という点についても、アーチャーは「間違いなく」と断言し、「ステージへ向かうスロープで、すぐに互いを笑わせ合っていたよ。耳元や顔の近くでやり合っている感じ。でも幕が上がると一変して、そこからは完全にショーになる。とはいえ彼らは兄弟で、その関係性ははっきりと伝わってくる」と明かしている。
一方で、誰もが気にしている次の公演時期については、明確な答えはなかった。ボーカルのリアム・ギャラガーはここ数か月、ファンを時折やきもきさせる“Definitely Maybe”(間違いない、たぶん)の駆け引きを続け、バンド再演の可能性を示唆しつつも、来年ではないだろうと語っている。
将来の予定について質問が及ぶと、アーチャーはかわしつつも本音をのぞかせた。「簡単にスイッチを入れられるものじゃないんだ。僕ら全員、これが何だったのかを本当に理解するのは来年になると言っている。本当に目まぐるしい時間だった」と彼は言う。そして、「またやることには前向きだよ」と付け加え、「ただ、ブラジルで公演をしてからまだ2週間しか経っていない。ツアーの荷物が床に散らばったままで、正直、“いったい何が起きたんだ?”という感覚なんだ」と語った。
オアシスの関係者は、将来のツアー日程に関する米ビルボードからの度重なる問い合わせに応じていない。
重ねて問われても、アーチャーは、「これから何が起きるのか、本当に何も知らないんだ」と言い切りつつ、「僕の立場で言えることではない。何かが起きる可能性もあれば、何も起きない可能性もある。もし動いている話があれば、もう耳に入っているはずだ。ただ、ノエルが、“並外れた才能に休息なし”と言っていたから――どう受け取るかは任せるよ!」と、わずかな含みを残した。
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