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2025/05/03 18:00

<わたしたちと音楽 Vol. 57>林家つる子が語る、時代に合わせて変化する落語の世界

 【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】(WIM)の日本版実施に伴い展開されている、独自の観点から“音楽業界における女性”にフォーカスしたインタビュー連載『わたしたちと音楽』。Vol.57となる今回は、落語家の林家つる子が登場した。

 男性が中心の落語の世界に、大学の落語研究会への入部をきっかけに飛び込んだ彼女。長い歴史のなかで男性が作ってきた芸能と向き合い、壁を感じたことについて、「やっぱり“女性の落語家は聞きたくない”というお客さんがいらっしゃるのも事実です。師匠にも“女の子にどう教えていいかわからない”と言われたこともあります。でも、悔しさはありつつ、それを乗り越えて、それすら感じさせない噺ができるようになろうと逆に自分の気持ちが鼓舞されました」と明かした。

 “伝統芸能”と言われる落語だが、実は時代に寄り添って変化してきた芸能でもある。「例えば『柳田格之進』という噺では、娘が父のために吉原に売られるという展開があるんですが、そうした点も、それぞれの師匠方が工夫して現代に伝わる形に変えていっています。守るところは守って、でも伝える方法は柔軟に変えていく。それが落語の面白さでもあると思っています」と説明。

 さらに、業界全体に望む未来像について、「“間違い”と切り捨てるんじゃなくて、“あ、そんなのもあるんだ”と受け入れていける空気を育てていきたいですね。それが落語の本質でもある気がしています」と語った。

 インタビュー全文は特集ページより確認できる。ビルボード・ジャパンのSpotifyとYouTubeでは、このインタビューがポッドキャストとして配信中だ。また、【ビルボード・ジャパン・ウィメン・イン・ミュージック】の特設サイトでは、これまでのインタビューやプレイリストなどをまとめて見ることができる。

 2007年からアメリカで開催されている【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】は、音楽業界に貢献した女性を表彰するアワードで、2023年版は3月に実施された。日本では、インタビューやライブ、トークイベントといった複数のコンテンツから成るプロジェクトとして2022年秋にローンチした。

Photo:Mizuho Takamura