2025/01/27 12:00
音楽映画『ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた』より、撮影時のエピソードやキャスティングの理由ほか、Billboard JAPANによる質問にも答えてくれたビル・ポーラッド監督のインタビューが到着した。
1970年代、アメリカの田舎町で音楽に目覚めた10代の兄弟デュオ、ドニー&ジョー・エマーソンが辿る実話を描いた本作。始まりは「音楽を聴いてくれ。そしてドニーとジョーに会ってみてほしい」と、アカデミー賞(R)作品賞受賞作『グリーンブック』のプロデューサー、ジム・バークがポーラッド監督に企画を持ってきたところからだったという。
ビル・ポーラッド監督はこれまでにも、『アメリカン・ユートピア』やブライアン・ウィルソンの映画など、音楽に関連した作品に多数携わってきた。
本作を手掛けるにあたっては、「撮影前にエマーソン一家に会いに行ったのですが、彼らはとても魅力的でした。兄弟はもちろん彼らの父親も本当に素敵で、何かのために取り繕うということが一切ないし、“ありのまま”だった。彼らに惹かれて、映画を作ることを決意したんです。だから、役者や自分の経験や考えが映画のなかに表現として加わることはあるけれども、この映画で一番大切なのは“ありのまま”を描くことだと考えていました。軸を持って、そこに集中することで良質な映画ができると思ったんです」とコメント。
加えて「前作の『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』の時は、役者さんがそれぞれのブライアン・ウィルソンを見つけることが大切だと思っていたので、別々の世代のブライアンを演じたジョン・キューザックとポール・ダノは撮影が終わるまで会いませんでした。でも、今回の作品ではリアルさを追求するために本人たちとも会っているし、それぞれの世代のドニーを演じたケイシー・アフレックとノア・ジュプも敢えて同じ撮影現場にいてもらいました」と明かした。
また、キャスティングについては「個性豊かなエマーソン一家のリアルな素質をそのままとらえたいと考えました。ケイシー・アフレックがドニー・エマーソンの役にピッタリだと思ったのは、内なる葛藤というものをセリフにせずとも目に見えて表現できるから。ジョー・エマーソン役のウォルトン・ゴギンズをキャスティングした理由も、彼自身に会った時に自分の気持ちを飾らずに、本当にエマーソン一家と暮らしてきたようなリアルさを感じたからだったんだ」と話す。
一方、劇中で流れる70年代を中心とした音楽については、「世代というのもあり自分の趣味が出ています。マーシャル・タッカー・バンドや、ドゥービー・ブラザーズ、ダリル・ホール&ジョン・オーツなど、調べずとも知っているアーティストたちの音楽を自分の映画の中で使えるというのは夢のようなことでしたね。またドニー&ジョー・エマーソンも同じようなアーティストから影響を受けていたと思うんです」。
さらに、ドニー&ジョー・エマーソンがアルバム『ドリーミン・ワイルド』を制作した1979年当時の自身については、「私は大学に通っていて、劇中で使用していたような楽曲をリアルタイムで聴いていました」としつつ、もし当時ドニー&ジョー・エマーソンの音楽を耳にしていたら、との質問には「初めてドニー&ジョー・エマーソンの「Baby」を聴いたとき、グッと心に刺さりました。音楽のテイスト的にもズバリど真ん中という感じで、少し儚いところも凄く好きでマジカル。初めて聴いた人にもずっと前からこの曲が存在していたような気持ちにさせられる、そんな音楽だと思いました」と話した。
映画『ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた』は、1月31日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国公開。
◎映画情報
『ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた』
2025年1月31日(金)TOHO シネマズ シャンテほか全国公開
(c)2022 Fruitland, LLC. All rights reserved.
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