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2021/09/04 11:00

カニエ『Donda』遂にリリース、リー・スクラッチ・ペリーの逝去を追悼、オリヴィアがAL首位返り咲き:今週の洋楽まとめニュース

 今週の洋楽まとめニュースは、カニエ・ウェストに関する話題から。現地時間2021年8月29日、カニエ・ウェストが米アトランタで開催した1回目のリリース・イベントから約1か月遅れて、待望の10thスタジオ・アルバム『Donda』をストリーミング・サービスで解禁した。だが、カニエは自身が所属するデフ・ジャム・レコーディングスの親会社であるユニバーサル・ミュージック・グループによって許可なくリリースされたものだと指摘している。彼は、自身のインスタグラムに「ユニバーサルが俺のアルバムを許可なくリリースし、“JAIL 2”の収録をブロックした」と全て大文字で投稿している。ダベイビーをフィーチャリングに迎えた同曲は、現地時間日曜日の朝にアルバムの配信が開始した際、視聴できなかったが、午後には聞けるようになっていた。現在は削除されているが、カニエは日曜日の朝にダベイビー側からの許可が出ていないため、曲の配信がストップしていると書かれたテキスト・メッセージのやり取りのスクリーンショットを投稿していた。『Donda』にはザ・ウィークエンドやリル・ベイビー、トラヴィス・スコット、ヤング・サグ、故ポップ・スモーク、キッド・カディ、プシャ・T、ロディ・リッチがフィーチャーされており、リリースから24時間で、Apple Musicでの全米ストリーミング数6000万回以上を記録したことを情報筋が米ビルボードに明かした。

カニエ・ウェスト、10thスタジオ・アルバム『Donda』を遂にリリース
カニエ・ウェスト、最新AL『Donda』がユニバーサルによって許可なくリリースされたと投稿
カニエ・ウェスト、『Donda』リリース初日の全米でのApple Musicストリーミング数が6000万回越え

 8月29日に85歳で死去したジャマイカの伝説的プロデューサーでダブの先駆者だったリー・スクラッチ・ペリーを、世界中のミュージシャンが追悼した。ビースティ・ボーイズのマイクD、フライング・ロータス、ザ・プロディジーなど、多くのアーティストがSNSにメッセージを投稿している。その先駆的な業績により、レゲエ界で最もエキセントリックなプロデューサー・ヴォーカリストの一人だったペリーについて、マイクDは、「本日ご逝去されたリー・ペリー氏のご家族、愛する方々、そして彼のパイオニア精神と作品で影響を受けた多くの人々に、私たちのできる限りの愛と敬意を送ります。この真のレジェンドにインスパイアされ、一緒に仕事ができたことを心から感謝しています」とツイートした。ペリーがジャマイカ・キングストンに建設した伝説的なブラック・アーク・スタジオは、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ、コンゴス、マックス・ロメオ、ジュニア・マーヴィンらによるレゲエやダブの名作の数々が生まれた場所となった。その数十年に及ぶキャリアで、ペリーはロメオの『ウォー・イン・ア・バビロン』、ヘプトーンズの『パーティー・タイム』、コンゴスの『ハート・オブ・ザ・コンゴス』、マーヴィンの『ポリスとコソ泥』などを手がけ、1970年代後半にレゲエを新たな国際的レベルへと押し上げた。

リー・スクラッチ・ペリーの逝去をビースティ・ボーイズ/フライング・ロータス/ザ・プロディジーなどが追悼

 ジャスティン・ビーバーが、今年8月に壊滅的な地震に見舞われたハイチの人々への支援を目的とした募金活動を開始した。9月1日に発表された声明によると、ジャスティンはソーシャル・アクティビズム支援企業であるProplrと、ハイチで人的・技術的・医療的リソースを提供している非営利団体Project Medishareと提携し、米ラスベガスへの2人旅を提供している。航空券、ホテル宿泊、T-Mobileアリーナでのコンサート・チケット、ミート&グリート体験を含むプランだ。さらに彼は、ハイチ救済基金の一環として、9月12日の週に米ニューヨークで限定イベントを開催し、そこでオリジナル・アート・オークションを行うと発表した。寄付をすることで、ファンはジャスティンの限定グッズを手に入れることもできる。寄付金は、1994年からハイチの人々に力を与え、生活の質を向上させるために活動しているProject Medishareに寄付される。8月14日にハイチで発生したマグニチュード7.2の地震により、2,000人以上が死亡、12,000人以上が医療支援を必要としている。

ジャスティン・ビーバー、8月に大地震に見舞われたハイチを支援する募金活動を開始

 さて、今週の米ビルボード・ソング・チャートでは、ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバーの「ステイ」が4週目の首位をキープした。前週から3%ほど減少したが、週間3,170万回を記録してストリーミング・ソング・チャートでも6週目の1位をキープした「ステイ」。セールスも13,700に若干数減少したが、全体数が低いことからデジタル・ソング・セールス・チャートでは5位から4位に、エアプレイ・チャートでは今週のAirplay Gainerを獲得して7位から6位にそれぞれランクアップしている(25%増加 / 6,340万回)。主要エアプレイの他、ポップ・エアプレイ・チャートでも5位から1位に上昇し、ザ・キッド・ラロイは初、ジャスティン・ビーバーは9曲目のNo.1タイトルを獲得。集計が始まった1992年以降では、同9曲をもつブルーノ・マーズと並ぶ男性ソロ・アーティストの最多記録を更新した。また、ジャスティン・ビーバーは通算16週を記録した 「デスパシート(ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーfeat.ジャスティン・ビーバー)」 に次ぐ2番目、リード・アーティストのタイトルとしては「ソーリー」を上回る首位獲得週最長記録を更新した。

【米ビルボード・ソング・チャート】ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー「ステイ」4週目のNo.1をマーク

 そしてアルバム・チャートでは、オリヴィア・ロドリゴの『サワー』が返り咲き、通算5週目の1位を獲得した。2021年最大の週間ユニット295,000を獲得して、6月5日付チャートで1位に初登場した『サワー』は、7月3日に2度目の首位復帰を果たし、7月17日、24日の2週をキープした後、今週約1か月ぶりにトップに立った。『サワー』が今週獲得した週間ユニット133,000のうち、アルバム・セールスが84,000、アルバム・ストリーミング(SEA)が48,000、トラックごとのユニット(TEA)は1,000だった。週間ユニットは前週から133%、アルバム・セールスは1,201%にそれぞれ増加している。今週セールスが急増したのは、8月21日に発売されたアナログ盤(LP)のリリース効果によるもので、週間セールス84,000のうち76,000をLPの売り上げが占めた。続いて2位にデビューしたのは、米オハイオ出身のラッパー=トリッピー・レッドの新作『Trip At Knight』。初動ユニットは81,000で、そのうち75,000がアルバム・ストリーミング、5,000がアルバム・セールス、1,000がトラックごとのユニットだった。週間ストリーミングは1億799万回を記録している。5位に初登場したのは「ロイヤルズ」(2013年)のヒットで知られるシンガー・ソングライター=ロードの新作『ソーラー・パワー』。本国ニュージーランドとオーストラリアでは1位を獲得。UKアルバム・チャート(イギリス)では自己最高位となる2位にデビューした。

【米ビルボード・アルバム・チャート】オリヴィア・ロドリゴ『サワー』首位返り咲き、トリッピー・レッド/ロードTOP5デビュー

 

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