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2021/08/28 11:00

ケンドリック・ラマー“TDEでの最終アルバム”制作中、チャーリー・ワッツが死去、リゾが全米初登場4位に歓喜:今週の洋楽まとめニュース

 今週の洋楽まとめニュースは、ケンドリック・ラマーに関する話題から。ケンドリック・ラマーが、自身の居場所と今後の音楽について長文のメッセージを2021年8月20日に発表し、ファンを驚かせた。Oklama.comというウェブサイトに掲載された“Nu Thoughts”と題されたこのメッセージで彼は、ここ数年の自身の歩みを詳細に説明し、現在は “TDE(トップ・ドッグ・エンターテインメント)での最後のアルバム”を制作中であると述べている。彼のメッセージは、「俺は一日の大半を、つかの間の思考で過ごしている。書くこと。聞くこと。そして古いビーチ・クルーザーを集めること。朝のドライブは、俺を静寂の丘に留めてくれる」と始まり、「何か月も電話を使わないこともある。愛、喪失、悲しみが俺のコンフォート・ゾーン(安心領域)を乱したが、神の兆しが自分の音楽や家族を通して語りかけてくる。自分を取り巻く世界が進化する中、俺は最も重要なことについて考えている。俺の言葉が次に着地するであろう人生を」と続いている。そして彼は、新曲に取り組んでいることをファンに伝え、17年間にわたってTDEファミリーと築いてきた“ブラザーフッド(兄弟愛)”を誇りに思っていると語った。

ケンドリック・ラマー、“TDEでの最終アルバム”を制作中であることを明かす「完成には美しさがある」

 現地時間2021年8月24日、ザ・ローリング・ストーンズのドラマーのチャーリー・ワッツが80歳で死去したことを彼の代理人が発表した。ワッツは、内容は公表されていなかった手術から回復するために、今年9月から始まる全米ツアーに参加しないことを先日公表したばかりだった。声明には、「私たちが愛するチャーリー・ワッツの死を発表することは、はかり知れないほどの悲しみです」と綴られており、「本日未明、彼はロンドンの病院で家族に囲まれながら安らかに息を引き取りました。チャーリーはかけがえのない夫、父、祖父であると同時にザ・ローリング・ストーンズのメンバーで、その世代の最も偉大なドラマーの一人でもありました。この困難な時期に、彼の家族、バンド・メンバー、親友のプライバシーを尊重していただきたいと思います」と続いている。そして、世界的ロック・ドラマーの死を偲び、多くのアーティストがSNS上で追悼コメントを発表し、彼が音楽界に与えた多大なる影響を振り返っている。ポール・マッカートニーは、動画コメントで「チャーリーは頼もしい存在で素晴らしいドラマーでしたので、バンドにとって大打撃だと思います。まるで岩のように安定していました。愛しています、チャーリー!君のことがずっと大好きでした!美しい男です!彼のご家族に心からの追悼とお悔やみ申し上げます」と述べている。

ザ・ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツが80歳で死去
ポール・マッカートニー/リンゴ・スター/エルトン・ジョンなど、故チャーリー・ワッツを追悼

 リル・ナズ・Xが、デビュー・アルバム『モンテロ』を2021年9月17日にコロムビア・レコードからリリースすることを発表した。「このアルバムを制作することは、自分にとってセラピーになりました」とリル・ナズ・Xは声明で述べ、「自分は誰なのか、何が可能なのか、どこへ向かっているのかに関する他人の見解をコントロールしようとすることを止めることを学びました。自分についての意見で本当に重要なのは、自分自分の意見のみであることに気づきました」と続けている。自身の本名を冠した『モンテロ』には、全米1位に輝いた「Montero (Call Me by Your Name)」をはじめ、ジャック・ハーロウとのコラボ曲「Industry Baby」、「Sun Goes Down」なども収録予定となっている。ここ数か月、フル・アルバムのリリースを示唆してきたリル・ナズ・Xは、今作を“近々”リリースすることを6月に明らかにしていた。また今週頭には、タコベルのチーフ・インパクト・オフィサーに任命されており、この提携によりタコベルの店舗でのニュー・アルバムのプロモーション・キャペーンなどが行われる予定となっている。

リル・ナズ・X、待望のデビューAL『モンテロ』のリリース日を発表

 さて、今週の米ビルボード・ソング・チャートでは、ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバーの「ステイ」が3週目の首位をキープした。8月14日付チャートで1位に到達してから今週で3週目をマークした「ステイ」は、ストリーミング・ソング・チャートでも5週目の首位をキープ(週間3,270万回)。前週から13%増加の14,400を売り上げて、デジタル・ソング・セールス・チャートでは6位、エアプレイ・チャートでは2週連続でAirplay Gainerを獲得し10位から7位にランクアップした(29%増加 / 5,130万回)。ザ・キッド・ラロイは初の首位獲得で自己最長記録、8曲のNo.1ヒットをもつジャスティン・ビーバーは、2017年に16週をマークした「デスパシート」以来4年ぶりに複数週での首位を獲得した。4位には、「トゥルース・ハーツ」(2019年)で大ブレイクしたフィーメール・ラッパー=リゾの新曲「ルーマーズfeat.カーディ・B」がデビュー。これを受けリゾは、カーディが同曲で「私は落ち着いたし、生涯を一緒に過ごす相手もいる……そして私のレコードは常にチャートのTOP10にランクインしている」と歌う部分があるが、リゾはこれを引用し「カーディ!!!!!!!!私たちやったね!!!!」とTOP10入りを喜んだ。

【米ビルボード・ソング・チャート】ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー3週目の首位、リゾ&カーディ・B初登場4位
リゾ、カーディ・Bとのコラボ曲「Rumors」の全米初登場4位に歓喜

 そしてアルバム・チャートでは、ビリー・アイリッシュの『ハピアー・ザン・エヴァー』が3週目の首位をキープした。初登場から3週連続でトップを維持した『ハピアー・ザン・エヴァー』は、アルバム・ストリーミングが36,000(25%減少 / 4,960万回)、トラックごとのユニットが1,000(27%減少)、アルバム・セールスは今週最大の売上23,000を記録して、計60,000ユニット(29%減少)を獲得した。今週も1位をキープしたが、ユニット数は先週から29%減少、初登場週からは1/4程度まで落ちていて、チャートの全体数が低いことを物語る。なお、60,000ユニットを下回って1位を獲得したのは、2021年1月16日付チャートでテイラー・スウィフトの『エヴァーモア』が獲得した56,000ユニット以来のこと。続いて2位には、先週の5位から3ランクアップしたドージャ・キャットの『プラネット・ハー』が再浮上し、初登場の7月10日付チャートで獲得した同位に最高位復帰した。本作は、デビューから8週間連続でTOP5に居座り、登場8週目にして59,000ユニット(6%増加)と好記録を維持している。

【米ビルボード・アルバム・チャート】ビリー・アイリッシュ3週連続No.1、ダン+シェイ/スーサイドボーイズ/ザ・キラーズがTOP10デビュー

 

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