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高橋幸宏  バート・バカラックと僕の「映画音楽」

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 ポップ・ミュージックのマエストロ バート・バカラックの来日を記念して、今回の「Billboard Live Style」は、映画音楽談義。バカラックにも影響を受けてきたという高橋幸宏さんに「映画音楽」とのいい関係を語っていただきました。

バート・バカラックの歴史を紐解く来日記念特集はこちら>

 御年85歳にして現役のバート・バカラック。2年前にも聴かせてくれたあの素晴らしい演奏と歌を、また聴くことができるのは、嬉しい驚きです。

 バカラックとの出会いは、60年代の中頃。映画『カジノ・ロワイヤル』の挿入歌「恋の面影」や、ウォーカー・ブラザーズでヒットした「涙でさようなら(メイク・イット・イージー・オン・ユアセルフ)」が最初です。バカラックの名曲は今もさまざまなシンガーに歌い継がれていますが、僕は彼自身のセルフカヴァーが好きで、僕の歌い方も実はバカラックの影響をすごく受けているんです。だから、前回のビルボードライブで彼のヴォーカルがけっこう聴けたのは涙が出るほど感激しましたね。

 僕自身もこれまでにバカラック=デイヴィッドの曲を4曲レコーディングしています。去年の自分のコンサートでは「エイプリル・フール」を、先日の教授(坂本龍一)のライブでは彼のピアノで「世界は愛を求めてる」を歌いましたが、時代は変ってもまったく色褪せない普遍的な魅力が彼の音楽には宿っているんですね。2年前にロンドンで、BBCで放映されたバカラックのドキュメンタリー番組を観たんですが、音楽家としての完璧主義な姿勢やディオンヌ・ワーウィックがいかに特別な存在であったかなど、とても興味深い内容でした。

 バカラックの映画音楽では、『カジノ・ロワイヤル』や『アルフィー』も良いですが、ベストは初のオスカーに輝いた『明日に向かって撃て!』ですね。「雨にぬれても」はもちろん、「捨てた家」などサウンドトラックとして素晴らしいスコアばかり。僕が好きなのは、ボリビアに向かう船上でサンダンス・キッドが恋人と踊るところをブッチ・キャシディが眺めている場面。モノクロのスチールを繋げた憎い演出と、そこで流れる「 オールド・ファン・シティー」という曲も最高! 僕の中ではブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)のダンディズムとバカラックの格好良さはどこか似ている気がしています。女性にはモテるんだけど強がりで少し情けなくて憎めない。そんな男性像がハル・デイヴィッドの書く歌詞やバカラックのイメージと重なるんです。

record

 中学3年の時に衝撃を受けて以来、何回観たか分からないほど惚れ込んだ映画がクロード・ルルーシュの傑作『男と女』。その音楽を手がけているフランシス・レイもよく聴きました。『男と女』の全編に流れる「ダバダバダ」のスキャットを歌っているのはピエール・バルー。『男と女』でヒロインの夫役を演じた俳優で、シンガー・ソングライターでもあるピエールと後に一緒にレコード(『ル・ポレン(花粉)』1982年)を作ることになるとは夢にも思いませんでした。フランス映画の音楽ではミシェル・ルグランの方が評価は高いのかもしれませんが、僕は『白い恋人たち』『個人教授』『流れ者』など映画の内容も含めて断然フランシス・レイ贔屓でしたね。

 70年代に入ると、ロック/ポップが映画音楽に盛んに使われるようになリ、ニール・ヤングやサンダークラップ・ニューマンの曲が効果的だった『いちご白書』や、ポール・ウィリアムスが歌った『シンデレラ・リバティー』の「ナイス・トゥ・ビー・アラウンド」、デヴィッド・ゲイツの『グッバイガール』の主題歌あたりも印象に残っていますね。バカラックも1981年の映画『ミスター・アーサー』の主題歌「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」で見事にカムバックを果たしました。

 僕のように60年代から聴いているファンから、『オースティン・パワーズ』で初めて彼の音楽を知った世代まで熱烈に愛されるバカラックの音楽を、生で経験できる至福は何にも替えられないですね。出来ればもう一度、「ハウス・イズ・ノット・ホーム」を歌ってほしい。僕からの ”小さな願い“です。(談)

バート・バカラック B.J.トーマス「明日に向かって撃て オリジナル・サウンドトラック」

明日に向かって撃て オリジナル・サウンドトラック

2014/06/11 RELEASE
UICY-75732 ¥ 1,027(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.サンダンス・キッド
  2. 02.雨にぬれても
  3. 03.捨てた家
  4. 04.自由への道
  5. 05.雨にぬれても
  6. 06.二人の自転車
  7. 07.太陽をつかもう
  8. 08.オールド・ファン・シティー
  9. 09.捨てた家

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