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FUJI ROCK FESTIVAL '13 総力レポート

FUJI ROCK

 日本最大級の野外音楽フェスティバル【FUJI ROCK FESTIVAL '13】が7月26~28日までの3日間、新潟県・苗場スキー場で開催された。突然の豪雨や雷鳴の中、ナイン・インチ・ネイルズ、ビョーク、ザ・キュアーといったヘッドライナーをはじめ、100組を超えるアーティストがライブを行った音楽と自然の祭典をBillboard JAPAN編集部が総括レポート!ヘッドライナーはもちろん、編集部が独自の観点でピックアップした出演の白熱ライブ・レポート、そしてライブ写真をお楽しみあれ!

 初日となる7月26日、最大規模のGREEN STAGEのトップバッターはROUTE 17 Rock‘n’Roll ORCHESTRA。豪華なバンドメンバーの演奏で、仲井戸“CHABO”麗市、大江慎也、甲本ヒロト、トータス松本らがフジロックに相応しいロックナンバーで幕開けした。続いても、パンクバンドの伝説的存在ザ・ラモーンズのベーシスト、CJ ラモーンや、昨年再始動したKEMURI、第55回グラミー賞で主要2部門を受賞したFUN.、今年21年ぶりの新作をリリースしたマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、日本国外にも多くのファンを持つBRAHMANらが苗場にロックをかき鳴らす。ホワイトステージでも怒髪天や、浅井健一といった国内ベテラン勢や、ライ、ローカル・ネイティヴスといった注目アーティストが同時間に登場し、多くのロックファンが悩ませる。

 初日のトリには2009年の活動休止から復活後、初のステージとなるナイン・インチ・ネイルズが豪雨の中、サウンド、ライティングと緻密に構築されたステージングでオーディエンスを圧倒した。

 2日目となる7月27日、GREEN STAGEのトップバッターはフジロック新人アーティストの登竜門であるROOKIE A GO-GOに出演していたTHE BAWDIESが登場。オールドでバキバキのロックサウンドに続いてのエイミー・マンはピースフルなステージを展開。この日一番の豪雨の中でパフォーマンスとなった奥田民生は男気溢れるロック空間を集まったファンと共に作り上げた。引き続き雨の中、最先端のサウンドを突き付けたフォールズに、演出の様に雨を止ませたカール・ハイドが自身の新しいスタイルを描き出した。昨日同様に別ステージではヒップホップを凌駕した脅威のケンドリック・ラマーのバンドセットや、2DJ×4MCによるジュラシック5の最強エンタメステージと様々なジャンルのアーティストのライブが繰り広げられる。

 2日目のGREEN STAGEヘッドライナーはビョーク。雨も止んだことで開演前から周辺は会場に移動するファンで大渋滞するほど混雑。大自然と共鳴し、融合するような美しい音楽世界に集まった観客は魅了された。

 最終日、7月28日のGREEN STAGEはチバユウスケ、中村達也、イマイアキノブという日本ロック界最強メンバーによるゴリゴリのロックンロールでスタート。続くヨ・ラ・テンゴもゴリゴリのフィードバックを効かせたサウンドでファンを異次元に導く。ウィルコ・ジョンソンは空間を切り裂くマシンガンギターで熱狂の渦を生み出した。空まで切り裂いてしまったのか、続く加藤登紀子&シアターブルックのステージではまたしても豪雨。しかし、音楽の“愛と力”なのか優しく力強い歌声は雨を弱めていった。そして、近年様々な音楽賞を受賞し、待望の初来日となったマムフォード&サンズに、USインディーロックの巨星、ヴァンパイア・ウィークエンドとヘッドライナー級のラインナップが凄まじいパフォーマンスで終盤に突入していく。

 この3日間のGREEN STAGEの大トリを飾ったのはザ・キュアー。大量のスモークの中ステージに登場。21:30から0:30までアンコールを含む約3時間36曲の大サービスな内容で今年のフジロックを締めくくった。

Billboard JAPAN編集部による
3日間のライブ・レポートをCHECK!

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12:40~
ROUTE 17 Rock‘n’Roll ORCHESTRA
(feat. 仲井戸“CHABO”麗市,大江慎也,甲本ヒロト,トータス松本) @ GREEN STAGE

 大混雑の入場ゲート手前、風に乗って微かに音楽が耳に届いてくる。東京と新潟を結ぶ「国道17号」にちなんで名付けられたスペシャル・プロジェクト ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAによって、すでにグリーンステージの幕は開けていた。曲をきちんと認識できる場所まで到着すると、間違いなく甲本ヒロト以外の何者でもない歌声が放つ「YMCA」に乗せて、すでに会場入りしている気合の入ったフジロッカーズが笑顔で例の振り付けを決めていた。なんて素敵な光景!と1年振りに体感したフジロック特有のピースフルな雰囲気にしみじみ浸っていたのも束の間、スーツ×蝶ネクタイでキメた大江慎也のシャウトに耳と心を持っていかれ、続いて仲井戸麗市が歌うRCサクセションの「ブン・ブン・ブン」に胸の奥のほうをぎゅーっと掴まれ、完全覚醒。これから3日間、音楽と愛にたっぷり満たされる至福を改めて噛みしめさせてくれるスタートとなった。

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11:00~
CJ RAMONE @ GREEN STAGE
FUJI ROCK 2013

 Tシャツにジーパン、そしてNYヤンキースのキャップとラフなスタイルで登場したラモーンズの2代目ベーシスト CJラモーン。3ピースのシンプルかつタイトな演奏でド頭から「Judy Is A Punk」「Blitzkrieg Bop(電撃バップ)」を投下し一気にオーディエンスの熱を沸点に持っていく。自身のナンバーもさることながら「Beat On The Brat」「I Wanna Be Your Boyfriend」「Do You Wanna Dance」そして〆には「Pinhead」とラモーンズ・クラシックを連発。どちらかというとパンクよりHR/HM的な風貌であるCJが「Beat on the brat with a baseball bat (ガキを野球バットでボッコボコ!)Oh Yeah!」とか、「カバガバヘッ!!」とか、やたら骨太で安定感抜群のヴォーカルをきかせているのは、もはや本来の意味でのパンクではないかもしれない。だが、フロント3人がすでにこの世を去った今、バックドロップにも描かれていた“AMERICAN PUNK”のプライド高らかに、ラモーンズ魂を継承するCJの真摯な姿はやたら眩しく輝いて見えた。

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14:10~
KEMURI @ GREEN STAGE

 昨年再結成を果たしたKEMURIが「一番思い入れがあるフェス」だと語るフジロックにカムバック。3日間を通じて最も天候に恵まれていたのではないかと思われる金曜午後、灼熱の太陽に照らされたグリーンステージに伊藤ふみお率いるKEMURIのメンバーが笑顔で登場。ふみお氏の滑らかな早口ヴォーカルに身体を逆Cの字反る通称“ふみおジャンプ”も健在、ホーン隊含むバンドメンバーの安定感ももちろん相変わらずだ。時折スクリーンに映し出されるふみお氏の豊かな表情と笑顔に懐かしさとなんともいえない安心感を覚える。「New Generation」「Prayer」といった初期名曲に、新曲「Standing in the rain」披露、そしてスタッフや関係者、ファンへの感謝に続いて「Along The Longest Way」~「Ato-Ichinen」でフィナーレという、この一連のドラマチックな展開は、KEMURIの音楽とともに青春を過ごした世代の胸を熱く焦がしたに違いない。何を隠そう私もそのひとりだ。彼らが提唱し続ける「P・M・A(Positive Mental Attitude)/肯定的精神姿勢」を全身に浴びて、軽やかになった足取りで次のステージへと向かった。

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15:10~
RHYE @ RED MARQUEE

 人前に顔をださない、ちょっと謎めいた存在がリスナーの好奇心を掻き立てメディアからの注目を集めているRHYE。ネットでのライブ映像でもはっきりと顔が見えるものはなく、ステージ後方からの照明だけでもはや体の輪郭しか見えなかったり。どんな人が歌っているのかという興味もありつつ、それ以上に楽曲の素晴らしさと中性的で伸びやかなヴォーカルをライブでどこまで聞けるのか楽しみにして迎えたフジのステージ。
 拍子抜けしたのが、ステージ転換時にメンバーそれぞれがサウンドチェックをしていた!好青年な顔立ちとヒョロリとした体格は思い描いたイメージと遠からず、近からず。しかし、1曲目「Verse」の「Oh my song」の歌い出しでビジュアルなんかどうでもよくて、CDで何度も聞いたあの優しくそして美しい歌声にノックアウト。この歌い出しにはオーディエンスからも凄まじい歓声が上がり、そこにいた誰もがRHYEの世界に一気に誘われたはずだ。
 編成はミロシュがヴォーカルと簡単なドラムを担当。加えて、キーボード、ギター、ドラム、チェロ兼トロンボーン、ヴァイオリン。CDの音源と比較すると編成は少人数ながら、ライブのアレンジは途中もはやCDとは全く違う曲に聞こえたり。もちろん、いい意味で。トロンボーンとミロシュのドラムが素晴らしかった「Last Dance」ではライブ独特のグルーヴを生み出しレッドマーキーを完全にRHYEの音楽の空間に変えた。
 EPには収録されなかった「City」という昔の曲を演奏したり、EP収録曲もアレンジがユニークでライブならではの演奏は飽きるところがなく、そしてパフォーマンス中一貫してコントロールされているミロシュのヴォーカルは音をはずすこともなく、すでに演奏はかなりタイト。その匿名性をもっと表現した照明やステージではまた違ったライブになるのだろうと簡単に想像できる。RHYEがこれからどんな音楽を作り、彼らのパフォーマンスがさらにどう洗練されていくのかこれからの活躍から目が離せないバンドになった。

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15:10~
THE SEA AND CAKE @ ORANGE COURT
FUJI ROCK 2013

 晴天に恵まれたオレンジコートのゆるりとした雰囲気にピッタリだったのが、ザ・シー・アンド・ケイク。ジョン・マッケンタイアのセクシー胸元と超絶ドヤ顔プレイに気を取られていたら、なんとベーシストのエリック・クラリッジの代役でトータスのダグ・マックームスが参加しており、リズム隊がトータス!ということで、いつにもましてタイト。そこにサム・プレコップが紡ぎ出す極上のポップネスが見事に絡み合い、奥深いサウンドスケープがピースフルに観客を包み込む。大胆にシンセサイザーを取り入れた最新作『Runner』から「Harps」や「On And On」、そして大好きな『Car Alarm』から「Windows Sills」や「Weekend」などをプレイ。口数は少なく、黙々とチューニングし、淡々と演奏していたサムだが、「フジロックに出るのは夢だったんだ」と嬉しそうに語っていたのが印象的だった。普遍的でも、いいものは、やっぱりいい。

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17:10~
SPARKS @ ORANGE COURT
FUJI ROCK 2013

 スパークスのライブが1年に2度も見れるなんて!独自の世界観を築き上げ、ライブでは毎回様々なコンセプトでファンを楽しませてくれるロン&ラッセル・メイル兄弟だが、今回は今年1月にも開催されたロンのキーボード、そしてラッセルの声のみによる【Two Hands One Mouth】ツアーとほぼ同じ内容のステージング。ミュージシャンからも熱い支持を受ける彼ら、観客には他の出演アーティストの姿もチラホラ。
 まずはロンがステージに登場し、これから幕明けるスパークス・ワールドの序曲を披露。そして「Rhythm Thief」のイントロと共にラッセルがステージに駆け出し、御年65歳とは思えないほどパワフルにステージを駆けまわる。「Metaphor」「Sherlock Holmes」など新旧ヒット曲で観客を盛り上げ、全英2位のヒット曲となった「This Town Ain't Big Enough for Both Of Us」で熱気は最高潮に。中盤ではロンがベレー帽を被り、最新作『The Seduction Of Ingmar Bergman』からの楽曲も披露。既にミュージカルとして上演されているが、なんと「映画化されるよ!」との嬉しい報告も。「Suburban Homeboy」では、いつものごとく大合唱が沸き起こり、そしてまさに世界一の曲「The Number One Song in Heaven」「Beat The Clock」と続き、ラッセルがキーボードに歩み寄ると、恒例のロンの軽快なタップダンスで観客の心を鷲掴みに。
 ラストは、ロンがこのツアーの為に書いた「Two Hands, One Mouth」でフィナーレを迎え、何かと兄をネタにするラッセルが、彼への敬意を見せるホロりとさせられるシーンも。そして近々また来日してくれことを約束し、惜しまれつつステージを去って行った。元の楽曲を知らない人や初めて彼らのライブを観る人には、少しハードルが高いのかも…とも思うが、持ち前のチャーミングさと“声とキーボード”という根幹のみでも立派に成立する楽曲の強さとポップネスで、あらゆる人々を惹きこむことが出来るのがスパークスの魅力なのだ。

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17:30~
MY BLOODY VALENTINE @ GREEN STAGE

室内楽なんだから苗場じゃ無理がある。
そんなの分ってる。
轟音。
ヴォーカルは聴こえない。
でも最高。だから最高。

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18:10~
OF MONSTERS AND MEN @ WHITE STAGE

 ちょうどスパークス終りで雨が降り始め、ホワイトステージに辿り着いた時には雨脚がかなり強くなっていたが、オレンジコートからの下り坂から観客を見下ろすと人・人・人!1月に行われた初来日公演が即完だったこともあり、この日を待ち望んでいた人も多かったはず。前回の来日公演ではステージが狭く、窮屈そうだったが、今回は大ステージでの演奏を伸び伸びと楽しんでいるメンバーの姿が印象的。豪雨にも関わらず「King And Lionheart」などシングアロング・ナンバーでは、手拍子、コール&レスポンスと、観客との一体感に思わず笑みがこぼれてしまった。数々の音楽フェスに精力的に出演し、メキメキと実力を伸ばし、20代前半ながらフロントを務めるナンナ&ラッギの貫禄も十分。アイスランドから生まれた新たな音楽の光との束の間の至福のひと時だった。

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18:20~
Chara x Yusuke Kobayashi (THE NOVEMBERS) x KenKen (RIZE)
& [Shinji Asakura x Rio x Masaki Narita]
@ RED MARQUEE
FUJI ROCK 2013

 フジロック初日のRED MARQUEEにCHARAが朝倉真司(Dr, Perc, Cho)、成田真樹(Manipulator])、Rio(Gt, Cho)といった熟練メンバーに加え、小林祐介にKen Kenという飛び道具を携えて帰ってきた。一音目からロック色全開でパフォーマンスを開始するやいなや、それまで快晴だった苗場にバケツをひっくり返したような雨が降り注ぐ。「雨降ってきたね。君たち勝ち組だね。」と語りかけるとオーディエンスも大歓声で応える。
 それまでステージ上を自由に動きまわり歌っていた彼女は鍵盤の前に座り「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」を披露。優しく力強い歌声と会場が雨に打たれる音が心地良く、雨宿り気分で入ってきた者をどんどん虜にしていく。雨と名曲は会場をオーディエンスで溢れさせる。小林祐介の魔物の様なギターと、Ken Kenの妖艶で強靭なグルーヴを先頭に新しい形を持ち始めた、新作『Cocoon』から「蝶々結び」や名作『Junior Sweet』からの楽曲たちはを聴くものを掴んで離さない。まさしく、このステージは必見の内容でフェスの勝ちパターンが出来上がっていた。最近の彼女のテーマである“糸”は演奏するバンドに、天候に、オーディエンスに伸びて一期一会の“縁”を生み出していた。

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19:00~
GARY CLARK JR. @ FIELD OF HEAVEN

 本格的な雨が降り出す中でのサウンドチェック、ゲイリー・クラーク・ジュニア本人がフィールド・オブ・ヘブンのステージに姿を現すと「ゲイリー!」という野太い歓声があがる。ブルース・ロック界のホープは男性支持率が圧倒的に高い。そう、ギターヒーローはいつだって男の憧れだ。2月に行われた初来日単独公演時は各曲CD音源の2倍もしくはそれ以上に引き伸ばされ、これでもか!というほどギター・ソロを披露しオーディエンスの度胆を抜いたゲイリー。今回はフェス仕様か、比較的シンプルかつタイトにデビュー作『Blak And Blu』からのナンバーをテンポよく次々繰り出していく。ジミヘンのナンバーを再構築した「Third Stone From The Sun / If You Love Me Like You Say」は、毎度ゲイリーのライブでひとつのハイライトであり、延々20分に及ぶ大熱演を繰り広げることもザラなのだが今回は10分少々とやや短め。ピック・スクラッチからやがて流麗なギター・ソロへと流れゆくドラマチックな展開がコンパクトにまとめられてしまったのは少し残念だったが、約1時間という限られた時間の中でMCや一切端折り、ひたすら“無骨なブルースマン”に徹したゲイリーの男気に感服。そして乾杯!

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21:30~
NINE INCH NAILS @ GREEN STAGE
FUJI ROCK 2013

 初日のヘッドライナー、ナイン・インチ・ネイルズ登場前から苗場の空からは雨が降り注ぎ、雷まで鳴りだした。レインコートに身を包み、余計な体力を消費しまいとピクリとも動きをしない者もいる中、再始動後、初のステージのなる彼らのパフォーマンスを目撃しようと最前線に多くのファンが詰めかけた。
 照明に合わせて左右のビジョンが落ちるとあたりは真っ暗に。ステージ袖から相変わらずマッチョなトレント・レズナーが現れ大歓声が贈られる。彼がその肉体美を見せつけるような黒のタンクトップから図太く伸びた腕で演奏を始め、打ち込みの音と声だけでスタート。続々と音を重ねながらメンバーが登場。彼らの背後には大きなパテーションのようなパネルが配置され、スタッフが曲に合わせて位置を動かし回転させ、前方から照明を当てるとシルエットが浮かび上がる。
 この日のセットは、一曲目に披露した「Copy of A」といった9月リリースの最新作からの楽曲を混ぜつつ『ザ・ダウンワード・スパイラル』から「ピギー」、「マーチ・オブ・ザ・ピッグス」、「クローサー」、名作『プリティ・ヘイト・マシーン』から「ヘッド・ライク・ア・ホール」など人気曲を中心にエレクトロなサウンドで展開。
 演出の様に雷鳴が鳴り響き、稲妻の閃光が走る空の下、バックのパネルに映し出される美しい照明と映像を巧みに使い、極太で鋭い音で聴く者の芯を打つ。再始動した彼らは正に“天地を揺るがして”いた。これまでのサマソニでも悪天候を味方につける驚愕のパフォーマンスで伝説を残したが、彼らは今回のフジロックでも豪雨と雷鳴を演出に落とし込んでファンを狂乱に導き、初日を締めくくった。

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16:20~
FOALS @ GREEN STAGE
FUJI ROCK 2013

 あいにく土砂降りのグリーンステージ。その上機材トラブルなどで出だしはあまり良くなかったが、新作『ホーリー・ファイア』のリリース後からかなりのハード・スケジュールでライブをこなしてきていることもあり、それを物ともせずバンドとして大きく飛躍した姿を見せつけてくれたのが、今回のフォールズのステージだった。ギタリストのジミー・スミスがキーボードを演奏する「Bad Habit」などメンバーの新たな魅力を伺えたのに加え、「Inhaler」ではスタジアム・ロック並のスケール感溢れる圧巻のプレイをみせたかと思うと、彼らのライブの醍醐味でもある泥臭く野性的な「Providence」、そしてライブ終盤の定番となったジャム・ナンバー「Two Steps, Twice」で一気に畳みかける。1stアルバムのポップなダンス・ロック路線を引きずり続けることなく、2ndアルバムではポスト・ロックに通じる奥深い音世界を探究…そして未来を見据えて辿りついた現在地。先日英国で行われたLatitude Festivalでは、クラフトワークに並び大トリを務めるなど、ハウス・パーティーで演奏していた頃から着実に進化し続ける彼らの無限大の可能性が伺えた。アリーナ・クラスのバンドになる日も近いのではないだろうか。

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19:20~
HURTS @ RED MARQUEE

 この日のレッドマーキーのトリを務めたハーツ。4月にリリースされたばかりの最新作『エグザイル』からのタイトル・トラックの骨太なギターラインが鳴り響くと大歓声が湧き上がる。赤を基調としたライティングの中、デペッシュ・モードなどのニュー・ロマンティック系のバンドを彷彿とさせる劇的で切ないラヴ・ソング、中毒性の高いエレクトロ・ポップ・チューンを惜しみなく披露。テントの中と言えども熱気は凄まじく、いつものブラックのジャケットに黒い革のグローブをシックに着こなすフロントマン セオ・ハッチクラフトの伊達男っぷりには脱帽。そして何と言っても客を煽るのが巧い!ハーツ史上究極のラヴ・ソング「Blind」を披露した時点で惜しくもタイムアップとなり、タイムリーにいつものビョークのカヴァーもやってくれるのかな~、と後ろ髪を引かれながらも、今年のフジロック個人的一番のハイライト、ビョークのステージへ。正直、フジロックのイメージとは少しちがうのでは…と思っていたが、いい意味で期待を裏切られる渾身のライブだった。

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20:20~
BJORK @ GREEN STAGE
FUJI ROCK 2013

Photo: Kenji Kubo

 ステージが暗転すると女性コーラス隊による「Solar Winds」のコーラスが始まり、そのまま「Cosmogony」のイントロがスタートするとブルーのウィッグと日本で初披露されたDNAをモチーフにしたブルー&オレンジのバルーンドレスを身にまとったビョークが遂にステージに登場!昨年声帯ポリープの手術を行ったこともあり、今までとは声が…と思っていたが、力強くしっとりと歌い上げ、曲が終わると巻き舌風な「アリガト!」という挨拶とともに会場は割れんばかりの歓声に包まれる。そして「Thunderbolt」では、テスラコイルをモチーフにした巨大な楽器がステージの天井から登場。音楽とスクリーンに映し出されたプロジェクションに合わせ放電を繰り返す。琴の響きを思い起こさせるハープの調律が夜の野山に映える「Moon」、そして「Crystalline」と最新作『Biophilia』の楽曲を次々と演奏していく。
 今回ビョークとともにステージを共にしているのは、20代前後のアイスランドの女性コーラス隊Graduale Nobili、そして1984年生まれのオーストリア人パーカッショニストManu Delagoと弱冠21歳のプログラマーでキーボーディストのMax Weisel、と若いメンバーばかり。彼らのイマジネーション豊かな発想と創造力を取り入れ、それを音楽というエネルギーに変えていく。『Biophilia』のレジデンスに伴い、子供用の教育プログラムも各地で開催(日本では日本科学未来館で行われる)されており、単なる表現者に終わらず、若い世代に寄与するという彼女らしい取り組みも行われている。
 お馴染みの「Jóga」のイントロとともに、ミシェル・ゴンドリー監督によるミュージック・ビデオがスクリーンに映し出されると、「ウォー!」という歓声が苗場の大地を轟かせる。そこから「Pagan Poetry」「Army of Me」そして「Hyperballad」と過去のヒット曲を立て続けに披露し、会場のヴォルテージはマックスに!ステージに炎があがり、まるでアイスランドの火山を思い起こさせる演出の「Náttúra」では、コーラス隊のメンバーも縦横無尽にステージで踊りまくり、ビョーク自身も小動物、はたまた妖精を想い侵させるようなキュートなダンスで観客を魅了。そしてアンコールでは再びコーラス隊のみ登場し、「Óskasteinar」を披露すると、「一緒に歌って!カラオケーーー!」とハイテンションな姐さんの掛け声とともに、近年のライブでは定番となっている「Declare Independence」のイントロが。観客総動員での「ハイヤー!ハイヤー!」の合唱で曲が終了するも、しばらくみんなコーラスを歌い続けていた。
 ライブ前にスクリーンに映し出された「ビョークと一緒にライブを楽しんで欲しい。」という写真と映像撮影に関しての注意書きが効いてか、周りで写真や映像を撮る観客もほとんどいなく、さらにはライブ映像自体もスクリーンに映し出されることがなかったので、パフォーマンスに心身ともにのめり込めた。音楽、そしてそれを“生”で大勢の人々と分かち合うことによって生まれる“エクスペリエンス”。それは経験したもののみぞ知る小さな宝物で、生涯心に残るものとなるだろう。あらゆるものをデジタル化し、共有できる世の中になったが、やはり生で体験する事に優るものはないと改めて感じさせてくれた圧巻のステージだった。

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20:40~
KENDRICK LAMAR @ WHITE STAGE
FUJI ROCK 2013

 今年、3日間を通じて最も多くの人がそこに集まったと思われる土曜のヘッドライナー ビョークの裏で行われたのは、昨年全米で大ブレイクを果たしたラッパー ケンドリック・ラマーの日本初パフォーマンス。しかもバンドセットである。小柄なケンドリックは、日本で気に入ったのか(?!)100均で売っているようなオーバーサイズの透明ビニール合羽を着用してステージに登場。それをヒラヒラとはためかせながら縦横無尽にステージを飛び跳ね、そしてオーディエンスを煽る!煽る!上述の事情により決して超満員とは言い難い状況ではあったが、さすがはこの時間にこの場所に集結した強者たち。昨年大ヒットを飛ばしたアルバム『Good Kid, M.A.A.D City』からのナンバー中心ではあったが、コール&レスポンスどころか大合唱でステージに押し戻す。それに触発されるようにパフォーマンスは熱を増し、独特のクセのあるフロウとリズムで繰り出されるケンドリックのラップがバンドのブ厚いサウンドに乗ってバシバシ飛んで来る。しかも、そこらのロックバンドを遙かに上回る爆音!とにかくステージ方面からの圧が半端なく、思いのほかガナりも効かせ良い意味での荒削り感もたっぷりアリ。まさに全米最注目ラッパーの“今”の自信と勢いを見せつけられた。このタイミングで彼のパフォーマンスを生で観ることが出来たのはものすごく幸せな出来事であり、今夜の価値は今後さらに高まるのではないかと密かに確信している。

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21:00~
GARTH HUDSON(The Band/The Last Waltz) featuring Sister Maud Hudson @ FIELD OF HEAVEN
FUJI ROCK 2013

Photo: Yasuyuki Kasagi

 ザ・バンドのオルガン/ピアノ奏者として知られるガース・ハドソン。白髭を蓄えた76歳の御大がゆったりとステージに登場、ピアノ、オルガン、キーボードで三方向を囲まれた“特等席”に腰を下ろす。ザ・バンド1972年発表作『Rock Of Ages』の「Don’t Do It」で幕が開ける。メインヴォーカルにはガース以上に抜群の存在感(!?)でセンターに陣取り、杖でカウントを取りながら歌うガースの嫁 シスター・モード・ハドソン。貫録ある風貌から放たれるボニー・レイット系の力強く張りのある歌声が気持ち良い。そして、時折シスターに代わってヴォーカルを務めたマルチプレイヤー マーティー・グレッブの歌声は明らかにリチャード・マニュエルを意識し、それを彷彿とさせるものだった。この日披露されたのは、ほぼザ・バンドの楽曲。もちろんオーディエンスがそれを期待しているのは明らかだが、まさかここまでやってくれるとは想定外だった。その中でもハイライトとなったのは、やはりライブ後半で立て続けに披露された『Music From Big Pink』からのナンバーの数々だろう。ガースの独創的なオルガン演奏の代名詞である「Chest Fever」、そして不朽の大曲「The Weight」から「I Shall Be Released」というファン垂涎の展開。感動的なピアノの音色と巻き起こる大合唱に誘われて、空からあの“3声”が舞い降りてくるような錯覚に陥る。そして「Tears Of Rage」に続いてのアンコールは、メンデルスゾーンの結婚行進曲に端を発したピアノの独奏。それは、おとぎ話のように夢幻的でありながら、川のせせらぎのように優しく自然的、美しいという言葉だけでは揶揄しきれない、高尚なメロディーだった。感動に浸りながら鍵盤の城塞をふと覗き込むと、そこには白髭の天使が静かに佇んでいた。

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22:30~
JURASSIC 5 @ WHITE STAGE
FUJI ROCK 2013

 前に登場したケンドリック・ラマーによる熱気はGREEN STAGEのビョークのおかげもあってバッチリ冷めきった状態と思いきや、開演前から満員。登場したジュラシック5はあっという間に盛り上がりに火を着けた。それもそのはず活動休止から6年間ファンは待っていたのだ、完全復活のこの時を。
 4MCの各々がステージを縦横無尽に歩き回り、メンバーと絡み合う。2DJもセンターに設置された巨大なターンテーブルを前に演りたい放題と、6年のブランクなんて嘘のようなエンタメたっぷりのステージグにオーディエンスは終始プチョヘンザッ!もちろんこの日、WHITE STAGEでトリを務めた彼らには終演後、盛大な拍手が贈られ、アンコールで再び登場。ぬかるんだロックフェスの広場を心地よいダンスホールに変えた彼らは終始笑顔で(カット・ケミストは冷静面)でファンと音楽を楽んでいた。

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12:40~
DIIV @ RED MARQUEE

 この日のダークホースだったのは、まさしくDIIVだったのではないだろうか。先月彼らのライブを観た時には直前でキーボード担当のメンバーが脱退したばかりで、荒々しく投げやりなパフォーマンスに思えたのだが、この日はストイックな演奏で予想以上のステージを見せてくれた。フロントマンのザッカリー・コール・スミスは、かきあげたブロンド・ヘアー、ブカブカのミッキー・マウスTシャツにパンツ…といかにもな風貌だが、その凛とした瞳には何か惹かれるものがある。日本での初ステージということもあり、多少緊張していたのか口数は少なく、曲名と「NYから来たDIIVです。」としかほぼ口にしなかったが、90年代インディ/グランジ・ロックのスピリットや荒削りさとシューゲーザーに通ずるドリーミーで疾走感溢れるメロディが交わり生まれるほどよい浮遊感が何とも心地よく、新鮮。決して演奏が巧いわけではないが、やはり若さゆえの真っ直ぐさ、もろさ、予測不可能さが共存し、その科学反応から新たな未来が生まれてくるのだ。そしてステージ袖にはあのスカイ・フェレーラちゃんの姿も!曲を捧げられた時のはにかんだ微笑みが、彼らが奏でる瑞々しいサウンドに絶妙にマッチしていた。

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14:00~
WILKO JOHNSON @ GREEN STAGE
FUJI ROCK 2013

 今年1月、最後の日本公演…のはずだった。バックドロップやその他ステージ演出一切なし、真っ黒の衣装に身を包み、赤のワンポイントが一際栄えるテレキャスターを手にしたウィルコ・ジョンソンが目の前に立っている。特に最後だからって何も変わらない。ドクター・フィールグッド時代のナンバー「All Through The City」で最後のステージの幕をこじ開け、カミソリのように鋭いカッティングを繰り出すと、鋭い眼光で睨みつけ、マシンガンで客を撃つ。すべての動作を目に、心に焼き付けながら、目の前の奇跡にただただ夢中で溺れるのみだ。その生き様をまま投影する潔さと、全身全霊のパフォーマンスに盟友ベーシスト ノーマン・ワットロイの名演も一際光る。そしてフィナーレはお決まり「バイ・バイ・ジョニー」。仁王立ちで手を振るウィルコは最高にクールではあったが、その手を振り返す気にはなれなかった。最後、最後、って言って、また何度でも日本に来ればいい。こちらはいつだって何度だって、最後の公演を見届けるつもりなんだから。

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17:30~
MUMFORD & SONS @ GREEN STAGE
FUJI ROCK 2013

 フジロッカー、いや日本の洋楽ファン一同が近年一番待ち望んでいたのは、マムフォード&サンズの来日だろう。強烈なスピードで世界中の音楽チャートを席巻、グラミー賞授賞、そして名だたる音楽フェスティヴァルのトリを務めてきた今一番ノリにのっているバンド…でも日本での認知度は、海外に比べると泥雲の差。そんな彼らの来日は不可能に近いのでないのかと誰もが落胆していた時に決まったのが、【FUJI ROCK FESTIVAL '13】への出演だった。そしてその日は遂にやってきた。
 雨も止み、少し太陽も見えてきた夕暮れのグリーン・ステージは、彼らの登場を今か今かと待ちわびる大勢の観客の異様な熱気に包まれていた。ステージに登場したフロントマン、マーカス・マムフォード による「ミナサン、ハジメマシテ。Mumford & Sonsデス!」というMCからライブが幕開け、最新作『Babel』からのタイトル・トラックでゆっくりと会場を温めていく。そしてデビュー・シングルとなった「Little Lion Man」のイントロが流れると早くも観客のテンションは最高潮となり、シングアロングが自然と沸き起こる。その後もマーカスが顔を真っ赤にしながらしっとりと歌い上げる「White Blank Pages」やドラマチックなメロディ進行が印象的な「Lover Of The Light」と1st、2ndアルバムからの曲を織り交ぜながら、次々とあの曲、この曲を披露していく。
 プロジェクションや大がかりなセットなどギミック的な要素に頼らず、「Holland Road」ではマーカスが歌いながらドラムを叩くなど、メンバーが楽器を入れかえ演奏したり、ストリングス隊を起用したりとその曲にあった、あくまでライブ・バンドであるということを前提としたステージングで観客を飽きさせないところは、ライブ経験を積み重ねてきた彼らならでは。先月脳内血栓の手術を行ったばかりのベーシスト、テッド・ドウェインの気迫に満ちたプレイからも彼らが一つ一つの演奏、ライブに込める熱い真摯な想いが伺える。その反面、マーカスが習いたての拙い日本語で「ニホンニハジメテコレタノデトテモタノシイ!」「オドリマショウ!」と観客を煽るお茶目な姿にも好感が持てる。
 そして「Away Your Soul」では、スペシャル・ゲストとしてハイム3姉妹とドラマーのダッシュがステージに登場!一緒にツアーをしていたこともあり、息もぴったりで、ステージでふざけ合い、仲睦まじい姿を見せていた。そしてライブは、待ちに待った「I Will Wait」の大合唱でクライマックスを迎える。MCで「日本に来るのにこんなに時間がかかってしまってゴメンね。」とマーカスも話していたが、カントリー、フォーク・ミュージックは、日本ではやらないと言われている。でもこの日のライブと観客の一体感を肌をもって感じ、そんなことはないのではないかとつくづく思う。大自然、音楽、そして観客が共鳴する、まさにフジロックのスピリットを体現した美しく、感極まる1時間だった。

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19:20~
VAMPIRE WEEKEND @ GREEN STAGE
FUJI ROCK 2013

 前に登場したマムフォード&サンズが凄まじいパフォーマンスを繰り広げた後、ちょっと登場しづらいんじゃないかと思えたヴァンパイア・ウィークエンドの面々。しかし、そんな不安なんてまったく必要無い、バッキバキのステージを披露し、オーディエンスをピョンピョンと跳ねさせた。
 先日の【グラストンベリー・フェス】と同じく一曲目はキラーチューン「カズンズ」でスタート、即効性のあるビートにオーディエンスは踊りはじめ、GREEN STAGEにはどんどん人が集まってくる。5月にリリースした新作もきちんと浸透しており、「ダイアン・ヤング」では大合唱を巻き起こす。彼らが日本で凄まじい人気を獲得している証拠だろう。今年2月の【Hostess Club Weekender】でも魅せてくれたが、彼らのワクワクさせてくれるロックは新作『モダン・ヴァンパイアズ・オブ・ザ・シティ』を持って更に高みを持ちだした。ここまでの熱狂を生み出したのだから、次回はヘッドライナーか・・・?

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20:35~
CAT POWER @ WHITE STAGE
FUJI ROCK 2013

Photo: Yasuyuki Kasagi

 ステージにはお香が焚かれ、暗めのブルーのライティングを浴びながらキャット・パワー姉さんがフジロックに参上!血管性浮腫のため欧州ツアーを延期したりと心配なニュースもあったが、のっけから「The Greatest」を披露しながら、どこかぎこちない不思議な動きでステージを右へ左へと行き来し、その健在ぶりをアピールする。主に最新作『Sun』からの楽曲を中心としたセットとなったが、今回のライブでは観客とのやりとりを特に楽しんでいた様子で、手を振ると振りかえしてくれたりと、気さくな姉さん。そして革ジャンからGジャンへ華麗に衣装チェンジ(!?)も行い、ラストの「Ruin」では、その唯一無二なヴォーカルが炸裂。ドラム・キットの後ろに置いてあった白い花を一本づつ観客に投げ入れ、さらにはバンド・メンバーにも投げ、優雅にお辞儀をしてステージを去っていった。以前から独特な空気感をもつ彼女だが、約6年ぶりの新作とともに一皮むけ、その存在はより力強く、崇高なものになっていた。アーティストとして新たなステップを踏み出したキャット・パワーの“今”を噛みしめながら、少しばかりの間、放心状態になってしまった。

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21:30~
THE CURE @ GREEN STAGE
FUJI ROCK 2013

 発表されていたタイムテーブルもさることながら、直前に行われていた韓国のフェスでは4時間位演奏したらしい…なんて情報も飛び交い、ある意味覚悟を決めて臨んだ最終日ヘッドライナー ザ・キュアー。スモークが焚かれたステージに“今目覚めた得体の知れない夜型モンスター”とでも言おうか、とんでもない異物感を携えたロバート・スミスが姿を現す。「Plainsong」を皮切りにスタートしたパフォーマンスは、大きなテンション変動もなく、もちろんオーディエンスを煽るMCがあるわけでもない。ザ・キュアーの歴史に刻まれたナンバーをロボットのようにただひたすら降り注ぎ続けて約3時間、全36曲。カルトでロマンティックでキュートな珠玉のポップ・ソングを全身で浴びていると、大きなスクリーンに映し出されるロバート・スミスも気付けば機械仕掛けのお人形さんのように愛くるしく見えてくるから不思議だ。予定終了時刻の12時前後から「Close To Me」「Let’s Go To Bed」「Why Can’t I Be You?」「Boy Don’t Cry」など、極上のキラキラ・ソング連発で畳み掛けると、周囲にはウサギさんになりきって踊る外国人カップルや、サークルモッシュならぬサークルスキップを決める中年男性など、昼間の豪雨で田んぼと化したはずのエリアはまるでお花畑状態に。長丁場だけに、ヒット曲の演奏が終わるごとに多くの人が輪を抜けゲート方面へ、という光景が繰り返され少し悲しい気持ちにもなったが、最後まで居た者だけが知るパラレルワールドがそこには確実に存在していた。

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22:25~
The XX @ WHITE STAGE
FUJI ROCK 2013

 2度目のフジロック出演となったザ・エックス・エックス。出演決定時からベストアクトの評判で、開演前からWHITE STAGEは大勢のオーディエンスで賑わっていた。黒ずくめの衣装で登場した彼らは悲鳴のような歓声の中、パフォーマンスをスタート。ステージ背後から刺す真っ白なライトが彼らを浮かび上がらせ、その存在を際立てる。これだけの大きな野外のステージで驚くくらいシンプルなサウンド・メイクが、メロディーを彼らのシルエットのように美しく浮き彫りにさせる。
 「キュアーがパフォーマンスしている中、自分達を選んでくれてありがとう。」と感謝の言葉を伝え、同時にUK先輩でもある大御所に「彼らは僕らの大好きなバンド」とリスペクトなコメントをする場面も。フロントに立つロミーとオリヴァーは寡黙に見えつつも音とシンクロしながら揺れたり、時にはしっかり踊る。ライブ感のあるグルーヴは自然と身体が動くということを身を以て証明してくれているのだろう。オーディエンスもそれに応えて揺れを生み出し、その揺れは大きな波となって会場を一体にさせた。綿密に計算されながらも生生しい彼らの音楽が最終日のWHITE STAGEを焼き尽くした。

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