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<韓国レポ>BTS デビュー10周年を盛大に祝う【2023 BTS FESTA】で感じたBTSとARMYの“永遠の青春”



コラム

 BTSが6月13日にデビュー10周年を迎え、その記念日をお祝いすべく、6月12日~6月25日に韓国ソウル市とBTSが手を組んだ一大セレブレーション【2023 BTS FESTA】が開催。期間中にはソウルの観光名所がBTSのシンボルカラーである紫色にライトアップされるなど、韓国が生んだ21世紀のポップアイコンを街全体が祝福している。

 【2023 BTS FESTA】のメインイベントでもある、6月17日に開催された【BTS 10th Anniversary FESTA @汝矣島】で感じた現地の熱いBTS愛をレポートする。(Text: Mariko Ikitake)

ソウルの至るところでBTSと紫色を発見!

 会場はソウル駅から地下鉄で10分ほどの汝矣島漢江公園一帯。今は無き「I・SEOUL・U」のモニュメントが有名で、高校生がカップラーメンをその場で作って食べたり、住民がレジャーシートを持参して、デリバリーを楽しんだりと、週末をのんびり過ごすエリアでもある。

 会場に向かう前に、筆者は2021年に完成した龍山にあるHYBE本社を訪問。もちろん部外者は中に入れないため、見たのは外観だけだが、高層ビルのガラスに書かれた10周年スローガン「BTS PRESENTS EVERYWHERE」の文字が存在感を放っていた。入り口付近には、6月17日~6月30日までの期間限定ペインティングがあり、推しメンバーと写真を撮るARMYの姿も。社屋の目の前のバス停にはファンが作成したJIMINの広告、社屋付近の飲食店にはBTSの写真やグッズが並ぶなど、どこを見てもBTSが目に入ってくる。

 HYBE本社から徒歩5分ほどのところに建つ、韓国のトップコスメ会社、アモーレパシフィックのビルには、10周年をお祝いする大きなバースデーケーキやメンバーと写真が撮れるフォトブースがあり、BTSへのメッセージを書くとサンプリングがもらえるイベントも行われていた。アモーレパシフィックは自社ブランド「LANEIGE」とBTSのコラボ製品を過去に販売している、ARMYにはお馴染みのブランドだ。

 龍山で気分を高め、デビュー10周年記念曲「Take Two」を聴きながら、いざ会場へ。15時頃に公園に到着するやいなや、20:30スタートの花火をベストな場所で見るべく、シートを敷いて早くから待機するARMYが多くいた。

 “漢江の怪物”グエムルも佇む公園内には、#20130613や花様年華など、BTSとリンクする単語のタトゥーシールやレトロなプリント写真を求める長蛇の列がそこら中にあり、「Run BTS」のステージ衣装や、毎年公開されるBTSの家族写真を熱心にスマホに収めるARMYが数多くいた。6年連続受賞した【ビルボード・ミュージック・アワード】のトロフィーも飾られていた。


BIGHIT MUSIC / HYBE


BIGHIT MUSIC / HYBE


BIGHIT MUSIC / HYBE

 韓国人はもちろん、日本や欧米、アジア各国のARMYの姿があり、紫色の服や公式Tシャツ、紫色に髪の毛を染めたARMY、家族連れやカメラを片手に取材するメディアも見かけた。会場を回っている間に、BTS 10th Anniversary FESTAとラベリングされた水のペットボトルやうちわ、ごみ袋、ARMY作成のメンバーの名前入りステッカーなど、様々なグッズがゲットできた。


BIGHIT MUSIC / HYBE


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思わぬゲストも登場!
『午後5時、キム・ナムジュンです。』

 17時からはRMがラジオDJを務める『午後5時、キム・ナムジュンです。』が公開生配信された。当選者のみが入れるARMYラウンジには、約3,000人のラッキーなARMYが公式ライトスティックや「BTSになってくれてありがとう」「Kim Namjoon you are our light」といったお手製のバナーとともにRMを出迎える。残念ながらラウンジに入れなかったARMYたちは、公園内に設置された巨大スクリーンで番組をリアルタイムで楽しんだ。


(P)&(C)BIGHIT MUSIC

 本番直前にサウンドチェックで登場したRMは「暑いですね」と待機するファンたちをねぎらい、「はるばる遠くから来てくれてありがとうございます。一緒に楽しい時間を過ごそうね」と海外から来たARMYへの気遣いも欠かさない。

 そして17時になり本番がスタート。Weverseで同時配信され、画面にはたくさんのハートやコメントが流星の如く流れていく。ラジオ番組に見立てて「ARMYからBTSにまつわる感動的な手紙(エピソード)がたくさん届いています」と、厳選された7つのお手紙がRMのボイスを通して紹介される(RMはまるで声優かのように、途中から投稿者になりきって声を変えて話していく)。


(P)&(C)BIGHIT MUSIC

 BTSのデビュー日が誕生日というARMYは「2年前は1人で誕生日を迎えたけど、今年はBTSのおかげでできた新しいお友達と過ごします。私はARMYになる運命だったんだと思います。これからも一緒に楽しい思い出を作っていきましょう」、ファンになって10年目のARMYは「BTSばかり追って勉強もろくにせず、授業とコンサートが重なったらコンサートを優先しました。社会人になった今もBTSを見てストレス発散しています。今までずっと幸せにしてくれてありがとう。20年、30年先も一緒に年を取っていきましょう」と、それぞれのBTSの出会いと愛がシェアされていく。それに対してRMは「僕の妹と同じ誕生日ですね」「学生の頃から応援してくれているARMYが今でも好きでいてくれると聞いて、感動しているし、励まされます」とコメントしていく。

 中には、恋人にフラれて消沈している時期にBTSの英ウェンブリー公演を見て失恋の傷を癒やし、ARMYである恋人ともうすぐ結婚するというARMYも登場。「口座番号を教えてくれたらお祝いを贈ります!」と、太っ腹のRMに歓声が沸いた。

 あるARMYは、結婚を機にソウルから知り合いのいない地方へ移住したという。「この年でアイドルにハマるなんて、と思いましたが、BTSのおかげで過去を気にするよりも未来に目を向けるようになり、今はウェブ小説家をしています。BTSから学んだ感情表現を参考にしています」とBTSとの出会いで人生が変わったことが明かされると、RMは「僕はウェブトゥーンが大好きなので、お互いがファンになる日が来るかもしれませんね」と、どこか誇らしそうな表情でメッセージを受け取った。


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 また、ARMY歴7年の韓国語の教師からは「BTSの話やメンバーの名前を例えに入れると生徒たちの反応がよく、BTSについて調べていくうちに好きになり、学生たちとも仲良くなりました。韓国語を学んでいる海外の皆さん、韓国語は難しいですが、メンバーの言っていることがわかった時の感動や喜びを味わいましょう。BTSの皆さん、私の人生にやってきてくれてありがとう。ディナーショーをやるその日まで応援します」と、心温まるエピソードも。グループを代表して英語や日本語で答えるシーンも多いRMは「僕たちが何を表現しているのかを知りたくて韓国語を習っていると、たくさんの方たちから聞くのですが、違う言語を学ぶことの難しさを知っているからこそ、僕たちへの愛にとても感謝しています。貴重な時間を使って韓国語を学んでくれてありがとう。大好きです!」と、韓国語と英語を交えて感謝を伝えた。


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 そしてここからは、デビューする前からRMを知っているという男性と生電話へ。「もしもし?」の一言でARMYは誰だかわかったのだが、RMは全く気づかず。「うわ〜、本当にRMさんですか? 信じられないです」(男性)、「いつから僕のことを知ってるの?」(RM)、「昔から知ってますよ。RMさんから影響を受けて音楽を始めたんです」(男性)、「それは嬉しいです。今も音楽を?」(RM)、「はい、歌ってもいいですか?」とBTSの最新曲「Take Two」から電話相手の担当パートを歌う大ヒントを与えるも、まだピンと来ていないRMは「もし僕が君のように素敵な声を持っていたら、僕はラッパーじゃなかったと思います」と褒めちぎる。

 そんなリーダーに「おい、RMさん!」ととんがり声で返す男性。「おお、なんだよ!?」と少しびっくり気味のRMを見かねて「この声に聞き覚えがないの? 皆さんこんにちは、JUNG KOOKです!」と自ら正体を明かす始末に。まさかのサプライズに大笑いのRMはJUNG KOOKが海外にいることは把握しているようで、「そっちは何時?」「夜中の1:30。生中継を見ながらずっと待ってたんだよ」「ニューヨークにいるんだよね?」「ううん、ロサンゼルス。声ですぐバレると思ったのに全然気づかなかったね」「皆さん、JUNG KOOKに会いたいですよね? 韓国に帰ってきたらこういうイベントをやってよ」「僕もみんなに会いたいです。会社の人と相談するね」「今日はわざわざありがとう。早く寝なよ。おやすみ!」と、遅くまで起きていてくれた末っ子JUNG KOOKを寝かせつけた。


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 予想外の事態に驚きを隠せないRMだったが、“幸せな世界のキム・ナムジュン”というペンネームのゲストと生電話をする場面では「もしもし。幸せな世界のキム・ナムジュンです」の一言でRMもオーディエンスもVと丸わかり。「Vさんの声だと思うんですけど?」と直撃すると、Vは「……違います」とシラを切る。「今どちらに?」「あ……今、起きたばかりです」と、Vが前日に海外から帰ってきたことを知っているRMの的を射た質問に“幸せな世界のキム・ナムジュン”は少しタジタジ気味。「それよりもなんでこんな変なペンネームにしたの?」と質問するRMに対して「幸せな世界のキム・テヒョ…違う、キム・ナムジュンです」とおとぼけモードで笑いを誘った。

 「たくさんいるARMYにご挨拶を」とリクエストされるも、まだしらばくれるVは「いや……僕は……ARMYのふりをしてくださいって台本に書いてあるんだけど……僕は……えっと……」としどろもどろで、またも笑いを誘う。「言うことがないなら切るぞ。おやすみー」と、冗談混じりに電話を切ろうとするRM。「本当はそこに行くつもりだったんだよ」というVの告白に会場からは残念がるため息が漏れ、「そうだったんだ。その気持ちをありがたく受け取っておくよ。ほら、疲れているだろうから、もう寝なさい」と、RM兄さんはまたも弟を寝かせつけた。

 ここまでキム・ナムジュンとしてお送りした第一部は休憩をはさんで第二部に。その前に韓国のスーパースター、BTSのRMとして、全米No.1を記録したアルバム『MAP OF THE SOUL: PERSONA』より、オープニングナンバーで自身のソロ曲「Intro: Persona」をパフォーマンスし、ARMYを熱狂させた。


(P)&(C)BIGHIT MUSIC


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 第二部はBTSのトリビアクイズにARMYとRMが挑戦。第二部の前に流れる天気予報ならぬBTS予報ではJIMINがナレーターとして声で登場、「カンニングしたらダメだよ」「みんな頑張ってね!」とARMYを応援する。クイズの中身は「『Run BTS』に“RUN”は何回出てくる?」「YouTubeの公式映像で7番目に人気が高い映像は?」「ファンカフェ(ウェブ掲示板)で最初にコメントを残したメンバーは誰?」など難問ばかり。10問のうちRMが正解したのは5問だった。


(P)&(C)BIGHIT MUSIC


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 番組も終わりに近づき、締めの挨拶へ。「15周年、20周年の時にどんな仕事をしているか、どんな自分でいるのかもわかりませんが、皆さんのことを思っていることは間違いないと思います。来年の今頃はJINさんが兵役から帰ってきているので、僕がいない間をJINさんが埋めてくれているはずです。ここにいるARMY、中継を見てくれているARMY、そして10周年を祝ってくれている全てのARMYに感謝します」と、感謝を述べるRM。クロージング・パフォーマンスには、20:30に控える花火大会に一番似合う曲として、歌詞に花火のfireworkならぬflowerworkが含まれているソロ曲「Wild Flower」をチョイス。鳴り止まない”キム・ナムジュン“コールに包まれながら「またすぐ会おうね。愛してます。暑さに気をつけてね」と、RMは爽やかにステージを後にしたのだった。


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“青春は永遠に”
BTSがARMYに贈る言葉

 そして、この日最後の大イベントである花火大会の時間に。漢川沿いにはたくさんの人たちが集まり、SUGAの動画メッセージに続いて花火がスタート。ジョングクの丁寧なナレーションの後に、「Boy With Luv」や「MIC Drop」「Run BTS」「Dynamite」「Butter」「Spring Day」など、BTSの代表曲に合わせて花火が打ち上がる。SUGAの愛猫と思われる子猫や10周年の“10“、ハートマークに惑星など、この日だけの特製花火が夜空を彩るたびに歓声や拍手が起こり、BTSの思いが詰まった「Take Two」のクライマックス連投は、まるで「一度灯した火は一生消さない」と言っているかのようで、誰もが興奮を抑えきれない様子だった。


BIGHIT MUSIC / HYBE


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 約30分間のショーが終わると、公園に設置された幾つかのスクリーンには「Special thanks to our eternal youth, ARMY」(僕たちの永遠の青春であるARMYに最上級のありがとうを)の文字が。青春は短くて儚いものではあるが、人生を永遠に彩り続けるものでもある。心に住みついた眩しいときめきを、これからも大事にしつつ、BTSと第二の青春を作り続けていくことができる未来に希望がもてる瞬間だった。


BIGHIT MUSIC / HYBE

 HYBEが後日発表した声明によると、本イベントには約40万人(漢江公園35万人、周辺5万人)が集まり、このうち約12万人が国外からの訪問客だったという。経済効果はもちろん、「公園にゴミを残さない」と結託し、実際に綺麗にして公園を離れたARMYたちの熱い意思が、BTSの存在感と影響力を示している。年内にメンバー全員が国防の義務を果たすとも言われており、心構えはしていても、アナウンスに多少のショックを受けるのは確か。しかし、RMが言ったように、来年の今頃にはJINが除隊しており、今回の10周年イベントのために数々のサプライズがあったことを考えると、公開されていないものがまだたくさん残っているような期待もある。BTSと一緒に育んだ愛と思い出を繰り返し見ていけば、それは本当に永遠になるはずだ。


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写真と映像で振り返る
BTS 10th Anniversary FESTA @汝矣島

写真提供:BIGHIT MUSIC / HYBE

@bts_official_bighit BTS PRESENTS EVERYWHERE 💜 #2023BTSFESTA #BTS10thAnniversary #10yrsWithBTS ♬ Take Two - BTS

@bts_official_bighit 🎁BTS PRESENTS EVERYWHERE - #RM 📻💜 #2023BTSFESTA #BTS10thAnniversary #10yrsWithBTS ♬ 오리지널 사운드 - BTS



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