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SHAKALABBITS 『Condenser Baby』インタビュー

SHAKALABBITS 『Condenser Baby』 インタビュー

 KING脱退とYOSUKE加入の真相、今だから語れるバンド終焉の危機など、新作『Condenser Baby』に至るまでのストーリーをメンバー全員がリアルな言葉で語ってくれた。まずは【COUNTDOWN JAPAN 11/12 - rockin'on inc.】における盆歌熱唱の裏話から。

TAKE-Cの実弟 YOSUKE加入&盆歌熱唱の真相。

--12月29日【COUNTDOWN JAPAN 11/12 - rockin'on inc.】にて、新生SHAKALABBITSの初ステージを披露しましたが、自分たちではどんな印象や感想を持たれましたか?

YOSUKE(b):悔しさと楽しさと驚きが一度に来た感じでしたね。僕は。いろんなもんがドガーン!と来たんで、ライブ終わってビール呑んだらもう「終わったー!」ってなって、誰とも喋りたくない感じになってました(笑)。

UKI(vo):始まる前、ふたり(TAKE-C&YOSUKE兄弟)のお父さんがバックヤードで一緒に座ってて、私が「お父さん、どうですか?」って聞いたら、ボソッと「不安だ」って(笑)。でも私たちはステージに上がる前からワクワクしてましたよ。何回も出させてもらってるけど、ワクワク度が半端なかった。今までで一番。

TAKE-C(g):僕らはリハをすごく重ねていたので、ある程度の手応えがあったんです。でもこの4人になってからの演奏を観てないスタッフは物凄く緊張してて!「なんでみんなの方が緊張してんの?」って。

YOSUKE:僕も緊張してましたけどね。

MAH(dr):でもステージで緊張が解けていくのは見えたよ。歌ったぐらいから。

--僕もあのライブは観させて頂いたんですが、YOSUKEさんが「はぁ~~あ~~あ~~ああ~!」と本気で地元の盆踊りの歌を熱唱されて。あの瞬間に「あ、大丈夫だな」と思いました。

一同:(笑)

--あれは前々から考えていたんですか?

YOSUKE:3日前ぐらいに地元の話題が上がりまして、お祭りの話になったんですよ。それで俺がちょっと歌ったら「それ、やったらいいじゃん」っていう話になりまして。

MAH:冗談で言ったんですよ。そしたら本当にやっちゃったっていう。

--ライブ前日の晩とか、不安になりませんでした?

YOSUKE:前日の晩は「どうやってやろうかな?」と思いながら風呂場で歌って、ノリノリでした。インターネットで本当の歌詞を調べたりして(笑)。

TAKE-C:そのYOSUKEの歌もそうなんですけど、あの日のライブで今までとはちょっと違ったグルーヴ感での手応えもあったし、一番近くにいてくれているスタッフもそのグルーヴの違いを敏感に感じ取ってくれていて。「安心」っていう言葉も聞けたし、すごく良かった。やる前はお客さんもスタッフも「どうなんだろうな?」っていう感じだったと思うけど、ちゃんと「どうだよ?!」って自信を持って言えるライブが出来たかなって。

MAH:俺はもうとにかく楽しかった。自分が出したグルーヴが、YOSUKEが入った事によってもっと良いグルーヴになって、それが表に出ているとライブ中に感じられたので。目にも見えたし。「そうなんです、こういう気持ちでやりたかったんです!」っていう感じで、3曲目が終わったぐらいでビール飲みたくてしょうがなかった!もう大丈夫だなと思って。

YOSUKE:早いな~(笑)!

UKI:みんなが手紙とかメールでいろんな意見を書いてくれて。その中でも多かったのは「解散しないでくれてありがとう」「続けてくれてありがとう」といった内容だったので、あの日のライブでお客さんもリアルに感じ取ってくれたのかなって。「ね、続けるでしょ。これが新しいSHAKALABBITSだよ」っていうのをすごく体感してくれたんだと思う。あの瞬間、みんなで解き放たれた。

MAH:音でちゃんと勝負して、2曲目でもうノックアウトできたって思ったから。お客さんが「ん? いいじゃん」みたいな顔をしたのが見えたから、もうビール呑みたかった。で、YOSUKEが歌い出したらみんな笑ってて、そこからはビールのことしか考えてなかった。

--ライブ中、ほとんどビールのことしか考えてなかったんですね(笑)。

MAH:ビールヘッド。頭の中はシュワシュワってしてました。

YOSUKE:楽しめてていいなぁ~!

TAKE-C:YOSUKEはそこまで余裕なかったから(笑)。

YOSUKE:でも終わった後のビールは旨かった。

UKI:「美味しいお酒を飲もう」っていうのがあったからね。あ、ごめんね、TAKEちゃん。

TAKE-C:その日、僕、運転だったんで(笑)。でもみんなを送り届けて、家に帰ってから缶ビールをプシュッて開けたときに……「いやぁ~、よかったなぁ」って。それが実は一番旨いビール。良い日だったね。

--その日、新メンバーのYOSUKEさんがTAKE-Cさんの実弟だと初めて知ったんですけど、どのような経緯で新ベーシストとして招くことになったんですか?

TAKE-C:去年の夏ぐらいにきんちゃん(KING(b)/ 2011年11月20日 宇都宮大学での学園祭ライブを最後に脱退)から「これ以上続けられない。演奏する側に立ちたくなくなっちゃった」って言われて、「どうしよう?」ってなって。バンドは続けたいんですけど、たとえ知り合いだとしても新しいベーシストを入れたら当面は敬語でやり取りするような状況になっちゃうじゃないですか。「ここはこういう風にしてもらえませんか?」って気遣ったり。その中で「兄弟はどうだろうなぁ?」って思いながらもYOSUKEのことは浮かんでいたんですよ。YOSUKEとならそういう状況にはならないだろうなと。そしたら、MAHが俺に「YOSUKEっていうのは、TAKEちゃん的にはどうなんだよ?」って言ってきて。

MAH:俺とかは全然良かった。むしろやってもらいたかったんだけど、兄弟であることはTAKEちゃん的にどうなんだろう?って思っていて。で、兄貴がいいんだったら呼んでみないかと思って。

TAKE-C:それで「聞くだけ聞いてみっか」って電話して、まず状況を説明して「手伝ってくれないかなぁ?」みたいな感じのことを言ったんです。そしたら「今ここですぐには返事できないから、時間ちょうだい」って。

MAH:「やるやる」って飛びつくんじゃなく、ちゃんと考えてくれた。それはプロになるのはどういうことか把握していたからだと思うから、逆に安心して。「あいつ、変わってねーな。マジメなままだな」って(笑)。

YOSUKE:プロになるということは、演奏し続ける、表現し続けるということに対して責任が出てくる訳で、それとどういう風に向き合うのか。ということを考えましたね。あと、専門学校時代に東京へは出てきていたんですけど、地元に帰ってからしばらく経ってて、そこでのコミュニティというか、シーン作りって言うんですかね。SHAKALABBITSとか、SCAFULL KINGとか、斉藤和義さんとか、そういう栃木の誉れたちを生み出し易い土壌はどうすれば作れるのか、ライブハウスで働きながらバンドマンとかと話していて。そういう一緒に頑張っていた仲間たちになんて言おうかな?って。

--なるほど。

YOSUKE:で、とりあえず悩んでてもしょうがないから「スタジオに遊びに行って一回あわせてみたいんだが」って言ったら、そういう機会をメンバーが作ってくれて。学園祭のリハの合間にジャムやったら、バンドマンとして、1時間ぐらいで入る方向に僕は傾いてたんです。楽器を始めるきっかけになった兄貴。一緒にバンドをやっててギターボーカルだった僕に「ギター弾けるなら、ベースも弾けるよな?」ってベースと付き合っていくきっかけを作った人(MAH)。この2人があの頃と変わらずに楽しませてくれたので。

MAH:良い話でしょ?

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憂鬱で酷だった2011年、KING脱退に対する本音。

YOSUKE:バンドマンの気持ちが決まって腹が据わってしまったので、仲間たちに言うのはもうワケもないことで。何でかって言えば、僕の熱さとかマジメな部分を知ってるんで、みんな。「残念だ」とは言われたけど「やれよ。そこでおまえが胸張ってやっていれば、栃木に還元される日が絶対来るから」って送り出してくれた。

--UKIさんは、YOSUKEさんを招き入れることにどんなことを思っていたんですか?

(YOSUKE、急にかしこまる)

UKI:(笑)。ライブにも来てくれていたから、会ったこともある人だし、話はよく聞いているし、問題はなかったというか。で、スタジオで合わせたときにすごく楽しくって、久々に鍵盤ピコピコいじったり。誰がスタートでも凄い曲が生まれる感じがあって、「それが音楽だよな、バンドだよな」ってその数時間で思えたから、私的にも「YOSUKEがいいな。曲覚えて」って。それで『ダズリングスープ』とかなんとなく合わせてみたら、グッと来ちゃって。

MAH:普段は練習とかでは歌わないんですよ。レコーディングかライブでしか歌わない人なんですけど、その日は張り切って歌って「喉痛い」って(笑)。これは相当息が合ったんだろうなと思って。

UKI:楽しかった。楽しいからいっぱい歌っちゃいました。輪の中に入りたくなる感じというか。それがナチュラルに出来ているのは素晴らしいと思ったし、だから練習がすごく楽しかった。

MAH:入りたくなるっていう心理は、正にミュージシャンのマインドだよね。ジャムセッションとか月イチぐらいで行くんですけど、すげぇ上手いグルーヴが生まれてたりすると、入りたくなるんですよ。「うわぁ!楽しそうだなぁ!」って。その感覚を俺らが作り出せたのはすげぇ嬉しい。そうあるべきなんだよな。だから次のツアーは【COUNTDOWN JAPAN】よりもっと良い演奏が出来ると思う。もっと緊張感も解れて。

TAKE-C:ただ、YOSUKEが入ってきたことによって、75%栃木産バンドになっちゃったんですよ!

YOSUKE:100%北関東。

UKI:私は栃木に馴染めてる?

YOSUKE:バッチリでしょ!

一同:(笑)

--新生SHAKALABBITSとして2012年は突っ走っていくと思うんですが、久々にこうしてお会いさせて頂いた身としては、やはり2011年の話をスルーする訳にはいきません。実際のところ、SHAKALABBITSにとってどんな1年になったなと感じていますか?

MAH:激流の川下りでしたね。メンバー全員、憂鬱になっちゃってて「スタジオ行きたくない。家で寝ていたい。早く帰りたい」みたいな状態で活動してたから。

UKI:去年を漢字一文字で表すなら「絆」って言いたいけど「酷」。

TAKE-C:その激流から最後の最後で【COUNTDOWN JAPAN】のあの感じに辿り着けたのは、ミラクルですよ。とても想像できなかった。それぐらい、みんな「あー楽しくねぇな」っていう風になっていた。それが健全ではないとは気付いてて、何かしらの形で自分を鼓舞して、楽しい日常にしようとするんだけど「でも……楽しくなくなってる」っていうのとせめぎ合ってた。

MAH:言葉で伝えることはすごく難しいんだけど、あの雰囲気は30分でいいからきんちゃんとスタジオに入ってみれば分かると思うんですよ。でもそれは叶わないことだから言っても仕方ないんだけど、それぐらい凄いどよーんなんです。6年前ぐらいからそういう雰囲気になり始め、3年ぐらい前から僕らはオペを始めた訳ですよ。「きんちゃん、どうなんだ? 頑張ろうぜ」と。でも去年の夏場は全員ダウナーになってしまって、鼓舞するのも無理だった。自分が音楽を好きでいることに必死で。

UKI:映画みたいな。凄くよく言えば、ドラマティックな日々だったよね。あれは本当に凄かった。ケンカばっかだし、物も飛び交うし、ケガもするし。凄くキレやすくって、どうしようもない小学生たちみたいな。激しかったですね。もう毎日が嫌で。なんだけど、作品は創っていて。「作品ってなんだ? 何を創ってるんだっけ?」って分かんなくなるぐらいだったけど、曲に集中するとそれしか見えなくなって、アレンジしたり、レコーディングしているときはメチャメチャ楽しめてるんですよ。でも、ご飯の時間だったり、音楽以外の出来事になると気持ちのメーターがブンブンになっちゃって、そこでバーン!ってなっちゃう。張りつめてたし、スタッフもそこにいるのは嫌だったと思う。自分たちが居たくなかったし。……きんちゃん自身が自分のベースとか生き方をディレクションしてほしかったけど、自分で導けなかったからっていうのはあったけど、私たちは導き過ぎた! きんちゃんに道を作り過ぎちゃった。

MAH:でもそうしなかったらバンドは続けられなかったから。

TAKE-C:バンドのメンバー4人で音を作っていく訳だから、誰かがツラかったら誰かがそれをカバーしていくのがバンドだし。そうあるべきだと僕も思っていたんですけど。

UKI:そうやっていろいろありつつも、ベースはきんちゃんに弾いてほしくて。どんなに機械で誤魔化してもいいから、きんちゃんに弾いてほしかったけれど、それすら出来なくなって。スタジオに入れる期間もすごくオーバーしてて、決断しなくちゃいけない。それでTAKEちゃんがベースを弾くことになったんですけど、きんちゃんが悔しがらなかったときに「あ、そうなのか」って私は思って。

MAH:ホッとした顔をしたんだよね。

UKI:そこで思いっきり悔しがってくれたら違ったけれど、悔しいフリをしたんですね。ブログでめっちゃ明るいこと書いていたから。それに対しては私もすごく頭に来て、本人にも言っちゃったけど、きんちゃんが悔しがってくれなかったことがすごく悔しかった。で、TAKEちゃんが朝までかかってベースを一生懸命録ってる状況があって。そこから変わってきた。「だったらTAKEちゃんが弾こうよ」って。そこで吹っ切れたところがある。スタジオの空気も変わったじゃん? みんな割り切れた。みんな醒めて「じゃあ、曲、格好良くしようぜ」っていう熱を持てるようになりました。

--4月10日 新木場STUDIO COASTでの『Monster Tree』大合唱の動画を観ていたんですが、KINGさんは感極まって泣いていて。その胸に熱いものを感じていたと思うんですけど、それでも彼は「情熱を無くした自分は、もうステージで演奏する側にいたくないと思いました」と、SHAKALABBITSを去っていきました。このギャップって何だったんですかね?

UKI:きんちゃんの書き方によって誤解が生じていると思うんですけど、全部じゃないんですよ。ライブは楽しんでいたんですよ。でも全部に対して熱がなかったみたいに見られちゃって、応援してくれる子たちも「マジで?」ってなっちゃってるけど、そうじゃないからっていうのは分かってほしい。あと、音楽以外では良い友達ということも。

TAKE-C:そうだね。YouTubeで悪ふざけしてるのも普段の姿ですから。すごく楽しんでる。

MAH:ただ、ズバリ言ってしまうと、彼は楽しいことだけしたかったんですよ。練習ってツラいことじゃないですか。レコーディングもあいつにとってはツラいことだった。

--KINGさんの脱退発表後、MAHさん、TAKE-Cさん、UKIさんは「Always Look On The Bright Side Of Life!!!!!!!」と題し、素直な想いを綴っています。今振り返ると、3人はあそこで何を伝えたかったんだと思いますか?

MAH:まずはきんちゃんが辞めることを言わなきゃいけないですよね。それを伝える際にいろいろオブラードに包んだら、あいつはずっと苦しむなと思ったし、お客さんは全く納得できない。音楽性の違いだなんだって言って「また音楽性の違いかよ?」って思われんのも嫌だし、そういう理由じゃないし、ただ単にツラいことをやりたくなかっただけなんで。で、最初、きんちゃんに辞めるんならそれを伝えるコメントは書きなよって言ったら、格好付けて「その手を取れなかったんです」みたいな、すごくドラマティックに書いてきて。

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みんなで夢を見たいなと再び思っています。

UKI:何を伝えたいのかが全然分からなかったから、3人で赤ペン先生をして。みんなが分かるように、伝わるように書かないと、ずっと苦しむよって。偶然街で会った人に「KINGさんのベースがすごく好きで、あのフレーズが」みたいなことを一生言われ続けるのは苦しくないかって。だから格好付けないで書こうよって。物凄く恥ずかしいことだし、情けないことだし、応援してくれる人たちは私たちを責めるかもしれないし、でも辞めるってそれだけのことなんだよって。今までみんなで閉じこめてきたのかもしれないけど、最後ぐらいはバーン!と打ち明けて、剥き出して書いた方がいいって。それで私たちも同じように素直な気持ちを書いたんですけど、止まらないんですよ。でも13年間の気持ちを吐き出したらもっともっとあるし、文章でなんて本当は語れない。それでも、ちょっとでもいいから気持ちが伝わったらいいなと思って、思いっきり書いたんです。

MAH:だから今でも「間違っちゃいない」と思ってますね。

TAKE-C:まぁ物議はありましたけどね。「あそこまで赤裸々に書くことはない」っていう人もいれば、「よくぞそこまで書いた」っていう人もいるし。

UKI:「メリットはないだろう」とも言われたし。でもそんなこと考えて書くもんじゃないから。

TAKE-C:誤魔化す気になればいくらでも誤魔化せるけど、その場で自分たちが思っていることを少しでも言わないと。だって13年やったんだから。他の人にはわかんねーよ!って言ったらそれまでだから(笑)。

UKI:決めつけられたくもないしね。だって分からないことなんだもん。でも私たちは痛いほど分かっちゃってるから、だったらその分かっている気持ちを書いた方がいいもんね。

--個人的には、SHAKALABBITSって一言で言うと“絆”を表現してきたバンドだと思っているんですよ。楽曲でもライブでも、そしてバンドの生き様としても。そういった意味でもメンバーの脱退は“SHAKALABBITSの終焉”に繋がってもおかしくなかった訳ですよね?

MAH:まぁでも辞めるつもりでしたよ。あいつにやる気があるのかないのか分かんなくて混乱している間は、俺が抜けるつもりでした。みんなにも「俺、辞めるわ」って言ってたし、新しいドラムも探すつもりだったし。そんな中、あいつの本心を知っちゃったから「全部、嘘かよ? 辛いことからそこまで逃げて、おまんま食って生活してたのか」って思って。で、TAKEちゃんがベース弾くってなったタイミングで「絶対辞めねぇ、こんなことに振り回されてるのは情けねぇ!」って逆に思って。

TAKE-C:俺も「バンド、終わりかもな」って思っていたんですけど、フィッシュボーンのライブを観に行ったら、地元の先輩であるTAGAMI(SCAFULL KING)さんがいて。自分たちが高校生のときに地元から出ていった憧れの先輩で、「あの人たちみたいにシェルターとかでライブしたい」って思い描かせてくれた人が、少年のようにはしゃいでるんですよ。俺に「TAKE-C!何でバック背負ってんだよ。そんなんじゃ踊れねーじゃん!置いてこいよ!」とか言って(笑)。それでみんなでグシャグシャになって楽しんだ後に「自分が憧れてたバンドが未だに現役で、生で観れる。こんな幸せなことはないんだよ!」って言ってたんですよ。それで「俺らが辞めたらSHAKALABBITSのライブは一生観れなくなるんだ」って思って、そんなことは絶対しちゃいけないなって。

UKI:選択肢が減った感じだよね。だって、お客さんがSHAKALABBITSのライブを二度と観れなくなるより、どんなに形を変えても観れた方が嬉しいと思うもん。というか、私たち、もっと楽しみたいし、表現終わってないのになんで辞めなくちゃいけないの!? ぐらいに思って。

--YOSUKEさんからしたら、そうした状況の中でSHAKALABBITSのメンバーになるっていうのはどんな気持ちだったんでしょう?

YOSUKE:「きんちゃんがベース弾きたくないってなっちゃったんだよね」って聞いた時点で、僕もいろいろやってきましたから「音楽に対する熱意が無くなっちゃったんだろうな」っていうのは感じたんですね。だから、変な言い方ですけど「助けたいな」って。今まで俺の音楽に対するいろんな出発点を与えてくれた人たちの力になれればいいなと、素直に思いまして。僕はポーズじゃなくて本気で頑張りたいなと思うところではありますよね、そういう話を聞いてるし。だから常に自分へ問い掛けるし、どんな状態でもベースを弾くということに対しては固執していこうかなと。

MAH:おまえはいつだってフルスイングだよ。

YOSUKE:いつでも全力投球が気持ち良いですからね。まぁ捕れない玉も投げちゃったりするんですけど、そこは申し訳ない。

一同:(笑)

--ちなみ3人とも例のコメントの中で“友達”とKINGさんのことを称していましたが、その友達にこれからのSHAKALABBITSを見てほしいと思いますか?

TAKE-C:本人はどんな感じになっていくのか見たいって言ってましたけどね。

YOSUKE:俺、サシで呑みたいっす。KINGさんと。

UKI:きんちゃん、呑めないけど。

YOSUKE:あぁそうだ! ガーン! でも先輩に会ってお話はしたいです。

MAH:僕は会いたくないですね、正直。あれだけ逃げるなって言ったのに、先輩から「きんちゃんにメールしたけど返ってこないよ」とか、逆に「きんちゃんから連絡きたよ」とか。耳塞いでても情報は入ってくるから、いまだに都合のいい相手みて逃げてんだなーと。ただ知らねぇ奴じゃないからね。どっかで元気にやってくれりゃあ、それでいい。

--そんな日々に翻弄されながらも到達してみせたアルバム『Condenser Baby』には、どんな印象や感想を?

TAKE-C:言ってみれば、そういう状態で作ってたんですよ。だから曲に一所懸命になってたし、そこをフラットに見れない時期もあったけど、徐々に気持ちが上向いていく中で、実はすごく前向きで明るいほうへどんどんどんどん行ってるんだなって感じましたね。最終形態に近付くにつれ、曇っていた目が晴れていった感じ。

UKI:なんじゃかんじゃあったのに、なんじゃかんじゃを感じさせない、楽しげな雰囲気が出ているから、それが一番良いと思った。曲たちのパワーがなんじゃかんじゃを薄めていくし、きっとこれからも大好きなアルバムになるなって思いました。今までとはまた違う新しい音楽ができたし、物凄く愛おしい。ツラさが出てないから、聴いててワクワクするし、やっぱり音楽は凄いなって。音楽には何回も救われているし、やっぱり自分たちには必要だって改めて思わせてくれましたね。

--新しいですよね。序盤から分かり易く“新生SHAKALABBITS”を表現できているじゃないですか。

TAKE-C:目指さずともそうなったのはミラクルなんですよね。でもそれは音楽に対しては真摯に、前向きに、エネルギーを注入していこうとした結果なんだと思います。

MAH:これを作った本人が、歌詞書いた本人が、嫌なことを思い出さないっていうのは、音楽に対して真摯に向き合った証拠じゃないですか。やっぱり良いもの作りたいし、ハッピーになれる音楽が一番良いと思って作ってきた証拠です。

--ここからSHAKALABBITSはどうなっていくと思います?

MAH:でっかい夢を持てるようになってきたんですよ、また。それこそバンド始めた頃、UKIと出逢った頃、TAKEちゃんとバンドやって、弟ともバンドやっていたあの頃に持っていた、途方もない「出来ちゃうんじゃないかな?」みたいな感じがある。行く末までは細かく考えてないけど、また面白いことが起きそうだなって。

TAKE-C:“新生SHAKALABBITS”ってメンバーが一人変わったっていう簡単な印象かもしれないんですけど、僕らからすればすげぇリアルな言葉なんですよ。だから今新しくドキドキしていることが楽しみ。ライブが早くやりてぇとか。アマチュアのときみたいに「次いつ? 次いつやる?」みたいな気持ちがあるから、きっと楽しいことは起きる。

UKI:もっともっと面白くする為にいろんなことを話し合って、実現させようとしているので。メンバー、スタッフ、応援してくれてる人たちとか、家族とか、みんなで夢を見たいなと再び思っています。ここからなんだな。いや、ここからなんだねっていう。

MAH:とんねるず(笑)。

Shakalabbits「Condenser Baby」

Condenser Baby

2012/02/15 RELEASE
PCCA-3546 ¥ 3,086(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Player
  2. 02.Condenser Baby
  3. 03.Tope con Giro
  4. 04.mademoiselle non non -special-
  5. 05.ユメミギャロップ
  6. 06.River’s Edge
  7. 07.YOU and ME
  8. 08.A Magical Hand Story
  9. 09.Go An’ Let Me Go
  10. 10.Blue Flamingo
  11. 11.I’m a Dreamer
  12. 12.mademoiselle non non -dubwise-
  13. 13.Vamos A La Marcha

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