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<インタビュー>KSUKEが語るEDM×ロック×アニメの手応え「“やりたいことをやれた”という喜びがある」



インタビュー

 全世界累計閲覧数38億回を記録している韓国発のコミック『ゴッド・オブ・ハイスクール』のアニメ版『THE GOD OF HIGH SCHOOL ゴッド・オブ・ハイスクール』のオープニング・テーマは、音楽プロデューサー/DJのKSUKEが手掛ける「Contradiction(feat.Tyler Carter)」。世界的EDM系DJとして活躍する一方、ロック、アイドル、J-POPのリミックス・ワーク、さらにアニメ、ゲーム、eスポーツなどの幅広いカルチャーとコラボを続けるKSUKEに「Contradiction(feat.Tyler Carter)」の制作、今後の活動ビジョンなどについて訊いた。

Text by 森朋之

幅広いリスナーに聴いてもらえる曲になった

――新曲「Contradiction(feat.Tyler Carter)」について、アニメの制作サイドからはどんなオファーがあったんですか?

「アクションシーンに合うような曲をお願いしたいです」という依頼だったんですけど、自分としては従来のアニソンというよりダンス・ミュージックに寄せたくて。しかも、ロック・テイストのEDMをやってみたかったんですよね。

――KSUKEさんはダンス・ミュージックの世界に飛び込む前はロック・バンドをやっていたそうですね。

高校まではロック、あとはゲーム音楽が中心でしたね。10代の頃に聴いていたものはずっと好きだし、自分のスキルも上がってきて、徐々にダンス・ミュージックとして表現できるようになってきたのかなと。実は「Contradiction」のトラックは2018年くらいから作り始めてたんですよ。少しずつ小出しにしてたので、海外のファンの方から「ついにリリースされる!」というコメントをもらったり。自分としてもすごく思い入れがある曲ですね。



――ロック×EDMというアイデアは2年くらい前からあった?

そうですね。ダブステップやトラップではなくて、もっとハードなダンス・ミュージックを作りたくて。【Ultra Music Festival】みたいなデカいフェスだと、ギターが入った曲をかけるとどうしてもノリが変わっちゃうんですよ。自分としては踊ってもらうのが仕事なので、フェスやクラブでもしっかり盛り上げられる、飛び跳ねてもらえる曲にしたくて。そこは上手く落とし込めたと思うし、自分のスタイルを確立できたんじゃないかなと。特にフルバージョンのほうはクラブやフェスにも対応したアレンジ、構成になってます。

――さらにシンガーとしてTyler Carterをフィーチャー。ポストハードコア・シーンを代表するバンド、Issuesのボーカリストですが、どういう経緯で彼が歌うことになったんですか?

曲の制作に入ってから、誰に歌ってもらおうか考えていて。Tylerは友達の友達で、紹介してもらったんです。アニソンだということは話してなかったんだけど、純粋に曲を気に入ってくれたようで「やるよ」って快諾してくれて。

――KSUKEさん自身のネットワークなんですね。

この曲に関してはそうですね。アーティスト同士の繋がりだったり、「今度一緒にやろう」というコミュニケーションはすごく大事なので。Issuesはもちろん知っていたし、「あのTyler Carterが参加してくれるの?」という感じでしたけどね、最初は。「僕のトラックでTylerが歌ったらどうなるだろう?」というワクワクもすごくあって。実際、彼のボーカルが入ったことで、曲のイメージがさらに明確になったんですよね。エレクトロを軸にしながら、生音のギターやTylerのボーカルによって、ロックとの融合がさらに強まったというか。



[Official - The God Of High School - OP FULL] KSUKE - Contradiction feat.Tyler Carter M/V


さらにアニソンという要素が加わることで、幅広いリスナーに聴いてもらえる曲になったと思いますね。もともと僕の音楽を知っていた人は「KSUKE、次はこういう感じか」と思ってくれるだろうし、もちろんアニメを観ている人もそうだし。実際、反響もすごくありますね。

――アニメのオープニング映像の印象は?

普段からアニメはよく観るんですけど、斬新なオープニングだと思いますね。曲を作った時は「アニメのオープニングとしてはうるさ過ぎないかな?」と思ってたんですけど、『THE GOD OF HIGH SCHOOL』は戦闘シーンのビジュアルが特徴的で、キャラクターの動き方と曲がすごく合っていて。映像を際立てるBGMになっているし、曲のために作ったMVのようにも見えるというか。素晴らしいなと思ったし、いい意味でアニメのオープニングっぽくない、新しい表現になっていると思います。これが自分の曲じゃなかったら、「何コレ?」って検索するだろうなって(笑)。


オタク文化とクラブ・カルチャーの懸け橋に

――アニメやダンス・ミュージックを含めて、アジア発のカルチャーを世界に提示する意義もあると思います。

うん、そうですね。僕は海外で活動することが多いですけど、「日本人はもっといけるはずだ」という気持ちもあるし、そこは頑張っていきたいところなので。『THE GOD OF HIGH SCHOOL』は原作が韓国で、アニメの制作は日本、声優も日本人で。「Contradiction」を含めて、海外に発信できるのはすごくいいなと思います。



音楽に関して言えば……EDMのシーンにはヒット曲がたくさんあるじゃないですか。そこにアニメやゲームの要素が加われば、「あのフェスで盛り上がったよね」というだけじゃなくて、さらに曲の印象が強まると思うんですよね。日本のカルチャーをプラスすることは、すごく意味があることかなと。

――実際にKSUKEさんは、ゲーム音楽にもしっかり関わっていて。活動の規模を広げる効果も大きいですよね。

もちろんそうなんだけど、ビジネス的な意識というより、やりたいことをやっている感覚なんですよ。去年、『beatmania』に曲を提供させてもらったんですけど(『beatmania ⅡDX 26 Rootage』に「Serious?」が起用された)、中高生の頃からやってたゲームだし、それって夢の実現じゃないですか。コロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)に参加させてもらってるのもそう。もともとホルモンの大ファンだったし、メンバーとして活動できるのってすごく夢があると思うんです。

――少年の頃に思い描いたことが実現した、というか。

そうそう。ビジネス的なことや「これをやれば世界に広まる」ということも必要なんだけど、それ以前に“やりたいことをやれた”という喜びがあるというか。それがないとつまらないと思うんですよ、単純に。特にこういうご時世になって、好きなことを伸ばしたり、やりたかったことを目指すのがすごく大事じゃないかなと。やりたくないことをやって世界的ヒットを出しても――そういう経験がないからわからないけど――しょうがない。そうじゃなくて、好きなことをやり続けて認められたいので。

――コロナ禍において、「本当にやりたいことは何か?」と問われたり、見つめ直すことも増えそうですよね。

そうですね。いまDJとしての活動はストップしてるんですけど、そのぶん時間があるので、日本のカルチャーを見つめ直す時期かなと思っていて。音楽もそうだし、それ以外にも世界に通用するものがたくさんあると思うんです。そこをいかに伸ばすかが重要だし、J-POP、ロック、ダンス・ミュージックみたいな壁を作らず、どんどんおもしろいものを発信してきたいな、と。LiSAさんとのコラボ(トヨタ自動車「アクア」の新CMの楽曲として、LiSAの「紅蓮華」のEDMバージョンをKSUKEが制作)もそうだし、eスポーツの日本代表チーム・SCARZに楽曲を提供させてもらったのもそうだし。



【アクア】Drive in Japan 60秒 「紅蓮華 - KSUKE REMiX - 」ver


日本にはダンス・ミュージックが根付いているとは言い難いし、ハードルは相当高いと思うけど、アニメやゲームとタッグを組んで戦っていけたらなと。もともと僕がダンス・ミュージックに興味を持ったきっかけも音ゲーなので。

――そうやってカルチャーを繋げることができるのも、KSUKEさんの強みなのかも。

オタク文化とクラブ・カルチャーの懸け橋になれたらいいなと思ってるんですよ。そういう意味では「Contradiction」を作ったことで、やっとスタート地点に立ったのかなと。これをきっかけにしてもっと仕掛けていきたいですね。




Interviewed by 森朋之
Photo by Yuma Totsuka

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