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3作連続全米1位!ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー(5SOS)『ヤングブラッド』インタビュー



5SOS インタビュー

 2018年6月15日、ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー(5SOS)が、約3年ぶりとなる新作『ヤングブラッド』をリリースした。この翌日にはジェイ・Z&ビヨンセによるジョイント・アルバム『エヴリシング・イズ・ラヴ』が突如発表され、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”では両者による接戦が繰り広げられたものの、 5SOSが見事首位を獲得し、デビュー作から3作連続全米1位を獲得する快挙を成し遂げた。彼らは、 “Billboard 200”で3作品がNo.1となった初のオーストラリアのアーテイストになったとともに、デビューから3作連続で首位に輝いた初のバンド(ヴォーカル・グループは除く)となった。米ビルボードは、 アルバム・リリース日に5SOSのメンバーを米NYのとあるホテルでキャッチ。メンバー全員が21歳以上になりソングライター、リリシストと大きく成長した彼らがエレクトロ・サウンドなどを大胆に取り入れ、脱ポップ・パンクを図った珠玉のポップ・チューン満載の『ヤングブラッド』にかけた想いを語ってもらった。 

『ヤングブラッド』の一番いいところは、色々期待してアルバムを聴いた人たちが
「なんだこれ、こんなアルバムだとは思ってなかった」と感じること

――昨年は新しい音楽をリリースせずにファンたちをヒヤヒヤさせ、新作『ヤングブラッド』はリリースを1週早めましたよね。今日のリリースへ至るまでのプロセスを教えてください。

アシュトン・アーウィン:これまでに2作のNo.1アルバムをリリースして、3作目も同じく1位になってほしい―でも正しい理由で。他のアーティストのリリース・スケジュールは気にしている。自分たちのアルバムを一人でも多くの人に聴いてもらいたい。たとえば、ドレイクやカニエ・ウェストの新作リリースと同じ週にアルバムを発売することにしていたら、本当に聴いてもらえるチャンスを自分たちに与えていないような気がした。当然、それが目的だからね。

ルーク・ヘミングス:このアルバム計画には2年間を費やした。2月にリリースしたいという話もしていたんだけれど、自分たちのスケジュールに合わせ遅らせる方が都合がよかった。すべてしっくりと収まったんだ。

アシュトン:だからリリース日の今日、俺たちはNYにいる。変更前のスケジュールだと、インディアナポリスにいるはずで、それは理想的じゃなかった。もちろん、あの場所でライブをしたりするのは好きだけど……。

――これまでアルバムを立て続けにリリースしてきましたが、新作『ヤングブラッド』には時間をかけることできたようですね。バンドとしての進化、ダメにしたアイディアなど、色々あったと思いますが、やっと峠を越えた感じた瞬間はありましたか?

ルーク:「Lie to Me」と「Youngblood」が完成した時、「これはヤバイ」と思ったんだ。

アシュトン:それは(制作プロセスの)かなり後半だった。

ルーク:それがすごくいら立たしかった。「Why Won’t You Love Me」と「Woke Up in Japan」は…自分の曲のリストがあって…それは他のメンバーもそうなんだけど、似たような感じで、とにかくうまくいかなかった。1曲―大分前にシングルになる予定の曲があったんだけど―サウンドがしっくりこなかった。その前にも、形になる可能性がありそうなアルバムがあった。2年間の作業の固まりのようなもの。それが具体的にいつ正しい方向に進んだかは、僕にはわからないな。

マイケル・クリフォード:僕は「Want You Back」が完成した後だと思う。その頃には、このアルバムのライティングに長い時間を費やしていた。完璧なアルバムを見つけるために書き続けることはできる。自分がハッピーで心地よい場所に到達しなければならないんだ。一旦「Want You Back」が完成した時、「一連の曲が準備できた」と感じた。



▲ 「Want You Back」MV


――それはいつ頃?

ルーク:9月、11月頃。

アシュトン:このアルバムを作ることで、気づいたことがあるんだ。俺たちのバンドとしての目的は、他のバンドとは全く違う。俺たちのバンドは一つのジャンルに縛られていない。今はみんなそうなのかもしれないけど、これは俺たちのルーツにまで遡る。たとえばゴリラズなどのバンドに関して考えると、一つだけ共通点があって、それはジャンルレスだとうこと。自分たちが好きなこと何でもやる。それが気持ちいいことだから。ビートルズもそうだった。彼らの楽曲は様々な領域で存在している。俺たちのバンドとしての目的は思いつくままに創造すること、たとえそれがどんなものに影響されていても。俺たちは、決まった一つのものではないんだ。

――ボツにしてしまったシングルになるはずだった曲について、もう少し詳しく教えてもらえますか?

ルーク:アルバムにすら収録されていないんだ。曲のデモがあって、クールな方向性だと思ったんだ。「これはシングルになり得るのでは」と考えてた。コーラスもクールで、プリコーラスもクールだった。

アシュトン:とはいえ、自分たちのメンター(先輩)の影響を受けていた部分もある。俺たちがとても尊敬していた人々が「これがシングルだ」って言ってきて。でもそこが、過去に俺たちが犯した過ちなんだ。特に『サウンズ・グッド・フィールズ・グッド』で。俺たちが気に入っていた曲がいくかあった…それがシングルになるか、ならないのか?俺たちにはわからない。だから、そのボツにした曲をシングルにしなくて良かったと思ってる―やっぱり違うとわかっていたから。

マイケル:これは年を重ね、より自分の直感を信用にできるようになったことの恩恵だと思う。

ルーク:曲のタイトルを教えてあげたいところだけど、今後何が起こるかまだわからないから、言わないでおきたいんだ。

――距離を置きたいと感じたこれらの曲のサウンドはどのようなものでしたか?ポップ・パンク的なサウンドから卒業したいと感じていた?

マイケル:トラディショナルで、自己満足的なものから離れたかった。少しの間、僕たちは紛れもなくそのポップ・パンクな世界にいた。でもそれは自分たちがありのままの姿でいるのが心地よかったんだ。

アシュトン:そのエネルギーが、当時やっていたことにすごくピッタリだった―演奏していた会場、ポップ・パンクな曲を作れるスピード。俺たちの音楽に対する欲望。そういった現象が起こっている時に、『ヤングブラッド』のようなアルバムを作る時間はなかった。

――現象!

アシュトン:マジな話さ!まだ出来てもいない音楽のためのツアーのチケットを先行して発売しちゃったから、2ndアルバムは10週間で作らなければならなかった。『ヤングブラッド』のような作品は10週間では作れない。でも、その時間内でポップ・パンクのアルバムだったら作れる。だから、(プロデューサーで共作者の)ジョン・フェルドマンと仕事をしたんだ。

マイケル:僕たちはポップ・パンクを聴いて育ったから、それに安心してしまっていたんだ。アーティストとして満足感を得るために、何か新しいものを作るように、自分たちの尻を叩かなければなかった。僕にとって『ヤングブラッド』の一番いいところは、色々期待してアルバムを聴いた人たちが「なんだこれ、こんなアルバムだとは思ってなかった」と感じること。それが自分たちができる一番ベストなことだと思う―予想外なことをすることが。



▲ 「Youngblood」MV


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僕らが他と全く違うのは、ボーイズ・バンドのファン層を持つロック・バンドだということ

――4年間のツアーを経て、2017年はほぼ充電期間となりましたが、音楽を作る以外、どんなことをしていたのですか?

アシュトン:常にツアーをしていることによって生まれる、抑圧されていた問題に取り組み始めた。俺達には家がなかった。どこに住むかもわからなかった。実家に戻ってママのガレージに住むわけにいかなかったから、全員LAに引っ越して、そこでプロジェクトに専念した。ほとんどの日は連絡を取り合っていったよ。可能な限りベストなアルバムを作ることに、引き続き焦点を置いていたから。

マイケル:僕にとっては大半が恋愛関係について学ぶことだった。それまでちゃんとした交際をしたことがなかったんだ―ものすごくオーセンティックで正直な交際。ツアーをしていると、自分の小さな世界で手一杯になってしまうから、内省を深め、恋愛関係において正直である方法について学びたかった。それと、ちょっと変に聞こえるかもしれないけど、友達作り!色々な人に会う努力をして、この6年間暮らしてきたファイヴ・セカンズ・オブ・サマーという世界の外の生活とはどんなものか知りたかった。

アシュトン:バンドにどれぐらい(エネルギーを)費やせばいいのかを学んだ。それが、自分の人生の100%ではなくていいんだって。それが140%に感じることが時にはあるけれど、自分が最も効率よくなれるのがどれぐらいなのかを悟らなければならない。長く活動していくバンドの中で、自分が誰なのかを分かっていないといけない。去年は、大人の男としての自分たちを再定義する1年間だった。だから今でもヘルシーで、すぐに動けるバンドなんだ。

それに、少年が語る男についての話なんて誰も聞きたくない。16歳が書く深い詞なんて誰も気にしない。でも、24歳が書いたのであればそれが変わってくるかもしれない。俺たちのバンドとしてゴールは末長く活動し、ファンにとって大切な存在でいること、そして正しい決断を下すことなんだ。

――ティーンの始めの頃にバンドにはまったあなたたちのファンの多くは、今では20代に近づき、大学生ぐらいの年頃です。そういった人々とどのように再び繋がりを築くのでしょうか?

カラム・フッド:15歳の頃にホテルの外で待っていたり、ライブに来ていたファンで、自分たちと年齢が近い子たちと話すのは興味深い。みんながいまでも好きでいてくれるのはクールだね。

ルーク:自分たちのコアのファン層が成長したということを理解しなければならなかった。

カラム:時間をとって、バンドとして変化を遂げ、そしてカムバックして進化した新たな音楽をリリースするのはいつだって大きなリスクだと思う。



▲ 「5SOS Summer 2017 // Japan)」


――メンバーは全員男性ですが、ファンベースがほぼ女性であるということから学んだことはありますか?

カラム:たくさんあるよ。

アシュトン:デリケートなことがいくつかあるけれど、その大半は感受性だね。人間関係や感情について理解しようとしている若い女性にとって詞は重要だ。俺は父親がいない、母子家庭で育った。自分にとって詞を書くプロセスの多くは、母親が苦しんでいる姿を見てきたことに基づいていて、それが若い女性がどんな風に物事を感じるかに対して自分をかなりセンシティブにさせている。それって重要なことだと思うんだ。これが原因で自分が時にアセクシャル(他者に対して恋愛感情を持てない)に感じるのか、理解するのに随分長い時間かかったんだ…俺は男性とあまり馬が合わない。それは自分の生い立ちが関係している。若い時に書いた詞には、自分が思っていたよりも深い意味がある。その頃は自分でも理解していなかった。他のメンバーと曲作りをしている時、「なんで女性はこんな詞が好きなんだ?」と思うこともあった。でも、年を重ね、自分の詞を振り返ってみると、「納得できる、なぜ人々が気に入るのか」と感じるんだ。

多くの若い男性バンドが失敗するのは、女性たちが自分のバンドが好きだということにこだわりすぎてしまうからだと思う。自分のことを性的な対象としてみている女性が身近にいるかもしれない。それは若い男性を困惑させるかもしれない。けれど、最終的にはすべて尊敬の問題なんだ。

カラム:若い、特に女性のファンを見下すような態度を決してとってはならない。彼女たちは、僕らのコアのファン層で、今でも大部分そうだ。だから詞に関しては、いつもファンたちを買いかぶっている。このアルバムの詞はとても深いものなっている。

ルーク:僕らが他と全く違うのは、ボーイズ・バンドのファン層を持つロック・バンドだということ。

アシュトン:ビートルズやローリング・ストーンズが気にしていたことの一つで、俺たちも気にしていることは…自分たちを彼らと比較する気はさらさらないけど…自分のファンベースを理解した上で、音楽の異なる一面を見せようとした。「抱きしめたい」(I Want to Hold Your Hand)から「エリナー・リグビー」まで、自分がいいと思うものを突き詰めていくんだ。こういうバンドであるということは、それをするんだ。

ルーク:もう一つ浮かぶのはThe 1975。僕が考えるに、彼らのファンベースやキャリアは自分たちのバンドと似ている。だからビートルズやストーンズを引き合いに出すんだ。「自分たちみたいだな」っていうのは、人間的だと思うから。

アシュトン:オーストラリアで活動してた最初の頃から、これが引っ掛かっていた。俺たちみたいなのは、それまでオーストラリアにいなかった。オーストラリアだと、「お前たち何なの?」って問われる。うるせー黙れ、ただやってるだけよ、って感じさ。

マイケル:僕らはポップ・チャートにもランクインしている。ライブだとロック・バンドだ。僕の中では、単なるポップ・ロック・バンド?

ルーク:僕だって、自分たちが何なのか理解できてない。

マイケル:でもそれって最高だよ!

――では今後楽しみにしていることは?

カラム:【Meet You There Tour】を世界にお披露目する時、モダンなロック・グループを思い描いていて、ステージ・デザインやグッズなどで、その世界観を前進させていきたいと思ってる。

アシュトン:これからの2年間でやることすべてが、今まで自分たちがやってきたことの最も高尚な形だと感じられるようにしたい。

――じゃあ、このアルバムのサイクルは2年間ということ?

アシュトン:あぁ、そうだね。もちろん、もっと音楽も作るよ。バンドのやり方っていうのは近年変わってきたから、俺たちも追いついてかなきゃならない。ニュー・アルバムをリリースし、新たなヴィジュアル、フィーリングが確立されたから、これからもっと機敏に動けると思う。ヒップホップの仕組みにものすごく注目してるんだ。それを自分たちなりに上手くやってみたい。



▲ 「The Middle (Zedd, Maren Morris, Grey COVER)」


Q&A by Chris Payne / 2018年6月23日Billboard.com掲載

ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー「ヤングブラッド」

ヤングブラッド

2018/06/20 RELEASE
UICC-10038 ¥ 2,700(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.ヤングブラッド
  2. 02.ウォント・ユー・バック
  3. 03.ライ・トゥ・ミー
  4. 04.ヴァレンタイン
  5. 05.トーク・ファスト
  6. 06.ムーヴィング・アロング
  7. 07.イフ・ウォールズ・クッド・トーク
  8. 08.ベター・マン
  9. 09.モア
  10. 10.ホワイ・ウォント・ユー・ラヴ・ミー
  11. 11.ウォーク・アップ・イン・ジャパン
  12. 12.エンプティー・ウォレッツ
  13. 13.ゴースト・オブ・ユー
  14. 14.モンスター・アマング・メン (日本盤&海外デラックス盤ボーナス・トラック)
  15. 15.ミート・ユー・ゼア (日本盤&海外デラックス盤ボーナス・トラック)
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  17. 17.ホエン・ユー・ウォーク・アウェイ (日本盤ボーナス・トラック)
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  19. 19.ミッドナイト (日本盤ボーナス・トラック)

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