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「音楽を作りたいのか、それとも作った音楽を人に見せびらかしたいだけなのか?」― シュローモ インタビュー

>シュローモ 最新インタビュー

 LAを拠点に活動する若き鬼才ビートメイカー、ヘンリー・ロウファーによるソロ・プロジェクト、シュローモ。14歳の頃に曲作りに目覚め、現在RLグライム、サルヴァなどが所属するレーベル/アート・コレクティヴ<WeDidIt>を高校3年の時に立ち上げる。その後、数々のEPを発表し、2011年にLAのレーベル<Friends of Friends>からリリースされた『Bad Vibes』では、ジャズやヒップホップの要素も取り入れた前衛的なサウンドが絶賛され、LAビート・シーンの若きホープとして注目される。
 また、ドレイク、ザ・ウィークエンド、フルームなどのリミックスやプロデューサーとしてはBANKSを手掛け、2014年には人気R&Bアーティスト=ジェレマイとのコラボEP『No More』をリリースするなど、多方面で活躍する彼。“死ぬほどラウドで、不穏な”作品を作りたかったと語るシュローモが、4月7日リリースの最新アルバム『ダーク・レッド』や現在の音楽シーンに対する考えを話してくれた。

相互プロモーション的なSoundcloud世代特有の感覚で、
みんなお互いを真似してるんだ

Shlohmo and Jeremih LIVE
▲ 「Shlohmo and Jeremih LIVE」

??ジェレマイとシュローモによるEP『No More』をリリースするはずだった<デフ・ジャム・レコード>はリック・ルービンが大学寮でスタートさせたレーベルですが、似た経緯でスタートした<WeDidIt>にも現在の<デフ・ジャム・レコード>のレベルに達して欲しいですか?

シュローモ:いや、それはナイね。あれほどデカくなっちゃうと最悪だから。ああいった奴らと仕事するのは二度とゴメンだ―アーティストの方はそうでもないけど、ビジネスの観点からは信用できないから。そこが全てにおいて一番フェイクな部分なんだ。自分たちで全部運営しなきゃならない状況からちょっと先へは進みたいと思ってる、でも“投資”する感覚で物事を決断するようには絶対になりたくない。メジャー・レーベルの仕組みはすごく複雑だ―何をしなきゃいけないか、っていう手紙ばっかり回してて、実際に行動に移すことをしない。EPに関して話すと、<WeDidIt>から無料で配信した。<デフ・ジャム・レコード>はまったく関係ないし、俺たちを訴えなかっただけのことだ。リリースしてくれなかった理由だって?奴ら曰く「法的な許可がないから。」だそうだ。それって「なぜか分からない。」って言ってるのと同じことだ。リリース・スケジュールに合わせたり、誰かの弁護士やファイナンシャル・アドヴァイザーと関わらなきゃいけないなんて、ふざけてるだろ。

??以前、激しくて、荒々しくて、怒りに満ちた音楽が好きと言っていましたが、そういった音楽で、最近気に入って聴いているものはありますか?

シュローモ:正直な話、俺の好きな音楽はすごく限られてる。俺が聴く音楽は、過去10年間かそれ以前のものが大半で、ほぼラップしか聴かない。それが一番激しい“パンク”だからだ、チーフ・キーフとヤング・サグとか。今のパンク・ミュージックって、もはやパンクじゃない。今一番パンクなキッズってのは、ドラッグのことを歌って何万ドルも稼いでる16歳だ。それ以上パンクなことってないだろ、それで白人から金を獲っちまってるんだから。エレクトロニック・ミュージックの大半は、座ってじっくり聴くか、クラブで聴くようなトラックで、好みだ。人を踊らせたり、最高の“ボディー・ミュージック”だと思うし、そういった音楽のDJをしてみたいとも思う。とは言え、映画を見た時のように壮大な感情を抱かせる音楽に関しては、たいして中身がないと感じる。アルカが作ってる変わった音楽には共感できる。今は、大体のものがひどく正常化され、均質化されていて、相互プロモーション的なSoundcloud世代特有の感覚で、みんなお互いを真似してるんだ。

??どういう意味ですか?

シュローモ:皆が皆、自身のプロモーション・ツールとなっていて、大胆不敵なんだ。自分の音楽を聴いたことがない人間に、それを広告のように発信するのはおかしい。質や量なんて関係ない、ただ話題になればいい。14歳が自分の音楽を世界に発信するのは早すぎると思うし、年齢制限を設けた方がいい。というのは冗談。好きにすればいいと思うが、単純にエチケットの問題だろ。何が言いたいかというと、最近のキッズは自分が作ったものをアップロードできるからって、そうする必然性はない、ってことを理解してない。なぜ、世の中が今その曲を聴きたいと思うか、よく考えてみろよ。音楽を作りたいのか、それとも作った音楽を人に見せびらかしたいだけなのか?自分の行動すべてが、人目にさらされても気にしなくなってきている、というのもあるのかもしれない。10歳の頃から、Facebookが普及してるんだから。ただ単に存在している音楽を聴くのは、飽き飽きだ。スゲーつまんないよ。リミックスもつまんないね。

Buried
▲ 「Buried」 MV

??このアルバムの制作プロセスで、最も鮮明に記憶に残っているのは?

シュローモ:またLAに住み始めて、新しいアパートに引っ越したから、やっとレコーディングする部屋ができたのは興味深かった、自分のベッドルームじゃなくて。親父のジュピター6シンセサイザーは、巨大で埃を被ってるけど、その方が好きだから、そのままにしてて、一度も掃除したことはない。それを思い浮かべるな。あとは、ヴォリュームのつまみを動かすたびにパチパチ音がするから、置いてある場所から動かせないこと。親父(シンガーソングライター、プロデューサー、エンジニアのロブ・ローファー)は家にスタジオを持っていたけれど、それは親父のものだったから、子供の頃から関与することはなかった。彼は、ニール・ヤング、ビートルズ、ボブ・ディランとか、ベビーブーマーっぽい音楽が好きなんだ。親父の親友で、俺の叔父みたいな存在でもある2人は、キャプテン・ビーフハートのマジック・バンドで演奏してたから、両親はドン・ヴァン・ヴリートとも知り合いだった。けれど、彼は人生終盤に差し掛かると広場恐怖症になっていたから、会うことは出来なかった。飛行機に乗ることを恐れて、住んでいた場所を離れようとしなかったんだ。親父には、「“Bat Chain Puller”と“Trout Mask Replica”を聴け。」って、よく言われた。車のワイパーのような音を真似するんだ。俺はただ驚いてたね。

??あなたのアルバムは、まるで映画のようで、ヴィジュアル面においても一貫していますよね。今作を作る上で、影響を受けた映画はありますか?

シュローモ:もちろん色々頭に浮かぶけど、別に物語になっているわけじゃない。単なるイメージだ。これは…凍った川と吹雪のような―灰色の長いヒゲが背中まで飛ばされるほどの吹雪が吹き荒れる中、北欧の魔術師が立ちはだかる氷の壁を押し分けながら進んでいく様子。俺にはそんな感じがする。映画か…。このアルバムを作っている時に『The Sopranos』を初めて観たけど、それは特に関係ないと思う。ほとんどの奇妙な映画っぽいパートは、普通に思い浮かんだんだ。これが俺の音楽に対しての考えで、作りたかった作品なんだ。ストーリーを語らないことで、ストーリーを語りたかった。俺は自分が好きなタイプの映画が何て呼ばれているのか、ずっと考えてきた。共感できるテーマは一つでも、それが何か説明することが出来ない。それを今まで追い求めてきた。で、辿り着いた結論は、俺は悲劇が好きだってこと。最終的に報われないのが好きなんだ。それが現実ってだけじゃなくて、ただ単に。大体の場合、スティーヴン・スピルバーグ映画のようにはいかないからさ。

Q&A by Harley Brown / 2015年4月2日 Billboard.com掲載

"Beams" Music Video

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