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サム・スミス 初来日インタビュー

サム・スミス 来日インタビュー

 デビュー・アルバム『イン・ザ・ロンリー・アワー』が、全英1位、米ビルボード・アルバム・チャート2位、iTunesアルバム・ランキングで52の国と地域で1位となり、世界売上枚数600万枚以上を越える大ヒットとなった22歳の英国人シンガー・ソングライター、サム・スミス。アルバムからのシングル「Stay With Me」は、【第57回グラミー賞】で、最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞を受賞、加えて最優秀新人賞、最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞にも輝き、新人としては異例のグラミー4冠を達成した彼が、遂に初来日。2月18日に行われたショーケース・ライブ、さらに5月に行う単独公演も即ソールドアウトとなり、追加公演も発表されたばかりだ。ここ日本でも大注目される若き才能が、デビュー作、現代のポップ・ミュージック、次回作について話してくれた。

★来日時に行われたショーケース・ライブの模様はこちらから!

自分の音楽を制限することはしたくない、
みんなに聴いてもらって、繋がりを感じて欲しい

Stay With Me
▲ 「Stay With Me w/ Mary J. Blige」 (Live at The 57th GRAMMYs)

――『イン・ザ・ロンリー・アワー』が、再び全英1位になったそうですね。おめでとうございます。

サム・スミス:ありがとう。信じられないよね。

――そして、【グラミー賞】では4冠に輝きましたね!ちょうど1週間経ちますが、実感はわいてきましたか?

サム:まだ状況を飲み込んでいるって感じ。あれからもう1週間経ったなんて、全然思えないよ。すごく不思議な感覚で、こう腰を据えて、ちゃんと考えられるまでに至ってないんだ。でも、本当にアメイジングな経験だったね。

――これまでのサムの頑張りが、報われた瞬間でもありますよね。

サム:うん、そうだね。【グラミー賞】を1つ受賞できるだけでも素晴らしいことなのに、それを4つも受賞できたなんて、まるで夢のようで、一生に一度のフィーリング。僕はこのアルバムことをすごく誇りに思ってる。自分には自信が持てないけれど、作る音楽には、自信を持っている。だから、このアルバムが評価されて、すごく嬉しいんだ。

――かなり幼い頃から、音楽をやろうと決意していたんですよね。

サム:そう、9歳の頃に歌い始めて、その当時から音楽をやりたいという気持ちに駆られていた。

――これまで思い留まることなく?

サム:いや、思い留まることは何度もあったよ。12歳の時に初めてマネージャーがついたんだけど、その後何度も変わっている。嘘をつかれたり、守れない約束をされたり…まだ子供だったから、すごくハードだった。でも、そのおかげで何が起きてもめげないような強さを身につけたんだ。

Money On My Mind
▲ 「Money On My Mind」MV

――サムが音楽を作るのは、気持ちを吐き出したり、セラピー的な役割りだったり、主に自分のためだと思いますが、アルバムがリリースされ、多くの人々が曲と繋がりを感じていることを受けて、その概念は少し変わってきましたか?

サム:うん、音楽は僕にとってセラピーで、少し傲慢な言い方だけど、スタジオに入ると自分のことしか考えていない。自分が感じていること吐き出す、そうしなければならないんだ。これは、次のアルバムを作る時にも変わらないこと。でも自分の曲が多くの人々から共感を得ているというのは、実感している。だから最近書いた曲で、より多くの人々にアピールできるように、詞を後から変えたりもした。自分の音楽を制限することはしたくない、特定の人や性別に限らず、みんなに聴いてもらって、繋がりを感じて欲しいから。それが音楽の美しい部分で、聴く人全員が共感できなければならないから。

――なるほど。同時に、サムが書く曲はとてもパーソナルですよね。自分をさらけ出すことで、自分らしさ、というものを見つけることができたと感じますか?

サム:100%ね。【グラミー賞】を受賞した時にも少し話したけれど、誰の真似をしなくてもいい、自分らしくするだけで十分なんだ。それが、このプロジェクトを始めてから学んだ、一番価値があること。言われなければ気づかないような小さなこと…たとえば、インスタグラムにポストする時も、より多くのお気に入りやRTのある写真は、単純に自分らしくしているものなんだ。僕が思っていることや普段の姿を載せたもの。それは、音楽に関しても同じことが言えると思うね。

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  2. もっと多くの人が買うかもしれない、という理由で、
    作品のレベルを下げるのは絶対にしていけないこと
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もっと多くの人が買うかもしれない、という理由で、
作品のレベルを下げるのは絶対にしていけないこと

I'm Not The Only One
▲ 「I'm Not The Only One」MV

――なぜ、“報われない愛”について書くことに惹きつけられるのですか?

サム:思慕の念かな。そこに、みんな共感してくれたんじゃないかな、とも感じるし。何かを待ち焦がれる感情は、これからもずっと僕の音楽に出てくるテーマだと思ってる。

――こういった曲を書き始めたのは、サム自身共感できる曲がなかったからだそうですね。

サム:ごく最近まで恋人ができたことがなくて、一般的なラヴ・ソングで歌われているフィーリングに共感することが出来なかった。だから、僕みたいな人間でも繋がりを感じることが可能なアルバムを作りたいと思ったんだ。

――題材としているテーマゆえに、音楽より私生活に焦点があたってしまうのではないかという懸念はありませんか?

サム:まったくないよ。だって僕の音楽は、そういったことよりもパワフルだと思うから。でも、そういう報道が増えているのは確かで、避けられないことだと思う。とは言え、僕の私生活は音楽と直結していて、最終的には音楽に辿り着くから。

――現在のポップ・ミュージックにおいて、ヴォーカルとソングライティングが作品の中核となっているアルバムはとても稀だと感じるのですが、この2点に重点を置くことにこだわりを持ってますよね。

サム:ヴォーカルとソングライティングは、とても、とても重要だよ。ポップ・ミュージックに再び“真実味”を注入したかった。音楽、そして僕の詞は心からの言葉で、他人を演じようとはしていない―それは僕にとって大切なこと。サウンドに関しても、僕の伝えたいことから注意がそれるような音作りにはしたくなかった。それから、僕は1つのアルバムを作ることを重視している。一環した作品、コンセプトやテーマあるアルバム作りを心がけている。それが、僕のやり方なんだ。

写真
2015.02.18 Sam Smith @ 東京キネマ倶楽部 / Photo: ユニバーサルミュージック

Leave Your Lover
▲ 「Leave Your Lover」MV

――では、次のアルバムもコンセプト・アルバムに?

サム:うん。既にタイトルも決まっていて、これに関しては僕自身がワクワクしてる。より趣向が広い、様々なことを網羅したアルバムになるよ。1人の人間や、1つのフィーリングについての作品にはしたくないんだ。

――ここ1年で、経験を積み、様々なことを体験していますからね。

サム:その通り。現状、色々なエモーションを感じているから、もっと幅広いアルバムになる。

――考えさせられたり、従来のあり方に挑戦するようなポップ・ミュージックは、必要だと思いますか?

サム:それが、ポップ・ミュージックの醍醐味だと思うんだ。ここ数年間は、少し迷走していた感じもするけど、ポップ・ミュージックというのは、大衆に届けるポピュラー・ミュージックのこと言う。だったら、クオリティの高い音楽を届けなければならない、というのが個人的な見解なんだ。
 たとえば僕のアルバム・タイトル『イン・ザ・ロンリー・アワー』は、4つの言葉で構成されている。当時のA&R担当には止めた方がいい、と言われたよ。長すぎて、みんなによく伝わらないから。

――(笑)。それは、変な話ですね。

サム:でしょ?代わりに、何だろう…『スクリーム』みたいなタイトルにした方がキャッチーだから、みんなの購買意欲が湧くんじゃないか、って。でも、僕が思うに、消費者ってそんなに馬鹿じゃない。もっと多くの人が買うかもしれない、という理由で、作品のレベルを下げるのは絶対にしていけないことだ。例えるなら、マクドナルドのハンバーガーとイン&アウトのハンバーガー…マクドナルドで食べるか、ちゃんとした店で食べるか。同じ食べ物でも、やっぱり違うよね。売り上げを増やすために、レベルを下げてわかりやすくしたり、食べ物に余計なものを入れたりすることもあるけれど、僕はちゃんとしたクオリティの作品を作って行きたいんだ。

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    デビュー作で打ち立てた記録を破ることではなく、
    今後も長く活動していくこと
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僕にとって大切なのは、
デビュー作で打ち立てた記録を破ることではなく、
今後も長く活動していくこと

Lay Me Down
▲ 「Lay Me Down」MV

――今の話にも少し通じると思うのですが、当初「Stay With Me」は、ラジオで流れないんじゃないか、というレーベル側の不安もあったそうですね。

サム:うん。曲のペースがゆっくりで、あまりラジオ向きな曲じゃない、って色々な人に言われた。でも、それだって、全然問題じゃなかったでしょ(笑)。

――では、ポップ・ミュージック史において、今はどんな時期だと思いますか?

サム:バランスが取れてるんじゃないかな。考えされられるようなポップ・ミュージックもあるし、そうじゃないものもある。バランスが保たれていれば、すべてOKだ。しばらくバランスが崩れていた時期もあったけれど、エイミー・ワインハウスやアデルのようなアーティストのおかげで、今はとてもバランスが取れているんじゃないかな。

――話は変わって、サムはよく“アイコン”になりたいと発言していますよね?

サム:それは、みんな同じだと思うよ。曲を書いたり、音楽を作るのが上手くいけば、それらの曲は永遠に生き続ける。それが、僕が言っている“アイコン”という言葉の意味なんだ。自分の音楽が、時間が経っても色褪せないものだと願いたい。100年経っても、自分の曲を聴いてもらいたいからね。

――先ほど、少し話してくれましたが、2ndアルバムの制作は順調に進んでいますか?

サム:そうだね。今2曲書き上げていて、さっき言ったように、コンセプト、タイトルも決まっていて、アートワークの撮影をして欲しいフォトグラファーまで、決まっているんだ。こういったことをすごく入念に計画するタイプでね(笑)。

写真
2015.02.18 Sam Smith @ 東京キネマ倶楽部 / Photo: ユニバーサルミュージック

Disclosuren
▲ 「Latch feat. Sam Smith」 / Disclosure MV

――いわゆる“2ndアルバムのジンクス”的な心配は、まったくなさそうですね。

サム:無いな~(笑)。これから僕がリリースするすべてのアルバムが、デビュー作と同じくらい成功するかと言えば、そうじゃないと思うから。それは自分でも十分理解している。僕にとって大切なのは、デビュー作で打ち立てた記録を破ることではなく、今後も長く活動を続けていくことと、築き上げたファンベースをキープすること。次のアルバムでは、従来と少し異なるファンベースが増えるかもしれないし、違う賞を受賞するかもしれない。そういうことをやり遂げながら、アーティストとして成長したいんだ。既にやったことを、何度も繰り返したくはないから。

――いいアルバムを作らなければ、というプレッシャーは感じていますか?

サム:自分が、いい音楽を作れるのは分かっているから、いいアルバムを作ることにもプレッシャーはない。プレッシャーを感じるか、というのはよく訊かれるけど、まったく感じていないよ。自分のアルバムがリリースされる前に、「Latch」と「La La La」がリリースされ、後者では全英1位にもなったし、その時点で賞を2つ受賞していた。その後、僕自身のシングル「Money on My Mind」で全英1位になった時も、みんなに「プレッシャーを感じる?」という質問をされたけど、「まったく感じていない。」って答えてた。僕は自分のアルバムが大好きだし、まったく売れなかったとしても、今と同じように誇りに感じると思う。このインタビューの冒頭で話したとおり、自分には自信が持てないけど、自分が作る音楽に関しては自信に満ち溢れている。ここから下り坂になることはないんじゃないかな。【グラミー賞】を4つも受賞し、夢が叶ったんだから。たとえ、2ndアルバムが売れなかったとしても、末永く音楽を作り続けるよ。

サム・スミス「イン・ザ・ロンリー・アワー」

イン・ザ・ロンリー・アワー

2015/01/21 RELEASE
UICC-10015 ¥ 2,420(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.マネー・オン・マイ・マインド
  2. 02.グッド・シング
  3. 03.ステイ・ウィズ・ミー~そばにいてほしい
  4. 04.リーヴ・ユア・ラヴァー
  5. 05.アイム・ノット・ジ・オンリー・ワン
  6. 06.アイヴ・トールド・ユー・ナウ
  7. 07.ライク・アイ・キャン
  8. 08.ライフ・サポート
  9. 09.ノット・イン・ザット・ウェイ
  10. 10.レイ・ミー・ダウン
  11. 11.リスタート (海外デラックス・エディション・ボーナス・トラック)
  12. 12.ラッチ (アコースティック・ヴァージョン) (海外デラックス・エディション・ボーナス・トラック)
  13. 13.ラ・ラ・ラ (ノーティ・ボーイ feat.サム・スミス) (海外デラックス・エディション・ボーナス・トラック)
  14. 14.メイク・イット・トゥ・ミー (海外デラックス・エディション・ボーナス・トラック)
  15. 15.リマインズ・ミー・オブ・ユー (日本盤ボーナス・トラック)
  16. 16.ステイ・ウィズ・ミー~そばにいてほしい feat.メアリー・J.ブライジ (ダークチャイルド・ヴァージョン) (日本盤ボーナス・トラック)
  17. 17.イン・ザ・ロンリー・アワー (アコースティック・ヴァージョン) (日本盤ボーナス・トラック)
  18. 18.ニルヴァーナ (日本盤ボーナス・トラック)
  19. 19.セーフ・ウィズ・ミー (日本盤ボーナス・トラック)
  20. 20.トゥギャザー (サム・スミス×ナイル・ロジャース×ディスクロージャー×ジミー・ネイプス) (日本盤ボーナス・トラック)
  21. 21.ステイ・ウィズ・ミー~そばにいてほしい (ダークチャイルド・ヴァージョン) (日本盤ボーナス・トラック)

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