Billboard JAPAN


NEWS

2020/07/28

米ビルボード・チャート80周年、初回チャートの顔ぶれは?

 米ビルボード・チャートが7月27日に80歳の誕生日を迎えた。1940年7月27日号で初めて発表されたのは、“National List of Best Selling Retail Records”(小売レコードの全国ベストセラー・リスト)と題されたTOP10ランキングで、録音された楽曲の人気を売上枚数に基づいて順位付けした初めてのチャートだった。

 その後、米ビルボードは全米アルバム・チャート“Billboard 200”を1956年3月24日に発足させ、現在の全米ソング・チャート“Hot 100”の原型は、1940年に開始された小売ランキングにラジオ・エアプレイ指標を加えたもので、1958年8月4日号に初回が登場した。

 近年ではストリーミング・ソングス・チャート、ソーシャル・チャート“Social 50”、アーティスト・チャート“Artist 100”を発足させるなど、時代ごとの音楽やアーティスト人気の指標となるランキングを提供してきた。

 1940年7月27日以前は、“Sheet Music Best Sellers”(楽譜ベストセラー)、 “Records Most Popular on Music Machines”(ミュージック・マシーンで最も人気のあるレコード/全国の蓄音機オペレーターからのレポートに基づいたリスト)、“Songs With the Most Radio Plugs”(米ニューヨークの一握りのラジオ局で最も放送された楽曲のリスト)を公開していたが、全国の小売業者に売上枚数の聞き取りをしたのは“小売レコードの全国ベストセラー・リスト”が初めてだった。

 この1940年の売上チャートは、米ニューヨークからロサンゼルスまで全米各地のレコード専門店だけでなく、シカゴの百貨店シアーズ・ローバック&カンパニー、ミルウォーキーのJ.B.ブランフォード・ピアノCo.、アラバマ州バーミンガムのノーレンズ・ラジオ・サービス・ショップなどの小売店も含めて“過去1週間のベストセラー・レコード10選”を調査しまとめた“trade service feature”(商業情報特集)として宣伝された。

 1940年の売上チャートで初No.1を獲得したのは故トミー・ドーシーの「I’ll Never Smile Again」で、故フランク・シナトラがヴォーカルを務めたこの楽曲は、12週にわたり首位に君臨し続けた。ドーシーは8位にもチャート・インしているほか、兄の故ジミー・ドーシーが2位を記録している。また、故グレン・ミラーが3曲をTOP10に送り込んでいる。

◎米誌ビルボード 1940年7月27日号 “小売レコードの全国ベストセラー・リスト”
(順位/タイトル/アーティスト) 
1位「I'll Never Smile Again」トミー・ドーシー
2位「The Breeze and I」ジミー・ドーシー
3位「Imagination」グレン・ミラー
4位「Playmates」ケイ・カイザー
5位「Fools Rush In」グレン・ミラー
6位「Where Was I?」チャーリー・バーネット
7位「Pennsylvania 6-5000」グレン・ミラー
8位「Imagination」トミー・ドーシー
9位「Sierra Sue」ビング・クロスビー
10位「Make Believe Island」ミッチェル・エアーズ(Mitchell Ayres)