クラフトワークの共同創設者フローリアン・シュナイダーが73歳で死去

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2020/05/07

　ドイツのエレクトロニック・バンド、クラフトワークの共同創設者フローリアン・シュナイダーが73歳で亡くなった。

　バンドが発表した公式声明には、「クラフトワークの共同創設者で、エレクトロニック・ミュージックのパイオニアであるラルフ・ヒュッターより、長年に渡り彼の親友で仲間だったフローリアン・シュナイダーが73歳の誕生日を迎えた、わずか数日後に癌で亡くなったという悲しいニュースが届きました」と綴られている。

　故シュナイダーは、ヒュッターとともにマルチメディア・プロジェクトのクラフトワークを1970年に結成した。自作やカスタムのデバイスを含む電子楽器を操るクラフトワークは、そのサウンドスケープ、実験性、革新的なテクニックで、エレクトロニック・ミュージックのパイオニアとして知られ、ヒップホップ、シンセ・ポップ、ロックなど幅広いジャンルに多大な影響を与えた。故デヴィッド・ボウイも、故シュナイダーの影響を受けた一人で、1977年のアルバム『ヒーローズ』には、彼の名前を冠したほぼインストゥルメンタルの楽曲「V-2 Schneider」が収録されている。

　クラフトワークで、シンセサイザー、ヴォコーダー、フルート、サックスなど様々な楽器を担当していた故シュナイダーは、2008年にグループを脱退している。彼が在籍していた40年間で、クラフトワークは10枚のスタジオ・アルバムを発表しており、そのうち7枚が米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”にチャートインしている。彼らの代表作の一つである1974年の『アウトバーン』は同チャートで最高5位を記録し、表題曲は翌年の米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で25位まで上昇した。発展に寄与したインダストリアル、ダンス・ミュージックのジャンルにおいても功績を残しており、米ビルボード・ダンス・クラブ・ソング・チャートには8曲を送り込み、1987年に「Musique Non Stop」と「The Telephone Call (Remix)」で1位を獲得した。

　2014年に【グラミー賞】の＜特別功労賞生涯業績賞＞を受賞しているクラフトワークは、2017年にライブ・アルバム『3-D The Catalogue』で＜最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞＞を受賞している。【ロックの殿堂】には6度ノミネートされているが、未だに殿堂入りは果たしていない。

　クラフトワークは、結成50周年を記念した北米ツアーを今夏開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となっている。