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2020/01/26

『AI崩壊』入江悠監督、危険が潜むAI社会の浸透に「これからの10年は勝負となる期間」

『22年目の告白―私が殺人犯です―』の入江悠監督がAIをテーマにオリジナル脚本で描く大沢たかお主演のサスペンス超大作『AI崩壊』が1月31日に公開する。

 本作は、AIが生活に欠かせないインフラとして普及した10年後の日本が舞台だ。入江監督はAIを徹底的に追求し、本作を手掛けた。劇中では実際に起こりうるAI社会の恐怖が描かれている。一つ目は監視社会が訪れるということ。劇中では、年齢、年収、家族構成、病歴、犯罪歴など国民の個人データを完全に掌握し、全国民の個人情報や、医療現場での検査や診療など健康までもAIが管理する社会が描かれる。健康などが管理され便利になる反面、常に社会から監視されている状況だ。

 二つ目は、私たちが普段愛用しているスマホやパソコンのカメラから映像が勝手に抜き取られるということ。劇中では知らないうちに抜き取られた個人情報を警察が使い、大沢演じる主人公でAI開発者の桐生は逃げ場を失い日本中で逃亡劇を繰り広げていく。入江監督は「360度カメラで撮られているので全然死角がなくて逃げられない」と、監視社会がやってくる怖さを語っていた。

 そして三つ目は、AIによって人間の職が奪われるということ。劇中では職を奪われた人による抗議デモが発生。実際に現代社会でも、受付係や駅の無人化が進み、コンビニでも人手不足に対応しセルフレジを使用した店舗が増えている。正確さに長けているAIは、この先も任される仕事が増加していき、人間の職が失われていくと言われている。劇中ではそうしたAI社会の恐怖の側面が描かれていくが、入江監督は「AI業界が今後成長する上でこれからの10年は勝負となる期間だと思います。僕たちの生活は恐ろしさと背中合わせにあるのでそういった危機感を持った上で、日本のAI業界を成長させる基盤を作ってくれることを期待しています」と持論を語った。

 本作を監修した東京大学大学院工学系研究科の松尾豊教授も、映画で描かれることは現代の延長線上にあり、実際に起こりうる可能性が高い日本の未来の姿だという。松尾教授は「まさに国がAIを使った医療機器をどう判断すべきかを議論しているところですし、いずれにしてもどんどん使われるようになる。当然お医者さんの支援というところが最初は必要なのですが、医療にアクセスできない世界中の人たちにとっては支援じゃなくて診断してくれとか治療してくれという風になってくるかもしれない」と将来を見据えた。劇中でも医療AIが普及し、国民の生活に欠かせないインフラとして詳しく描かれている。現実に起こりうるAI社会を徹底的に研究し創り上げた10年後の世界をぜひ、劇場で確かめてほしい。


◎公開情報
『AI崩壊』
2020年1月31日(金)より、全国公開
監督・脚本:入江悠
出演:大沢たかお、賀来賢人、広瀬アリス、岩田剛典、松嶋菜々子、三浦友和ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2019映画「AI崩壊」製作委員会

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