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2018/04/06

ロッカペラ、大阪公演のライブレポートが到着“まさにこれぞエンターテインメント”

 1986年から活動を続けるニューヨークの人気ア・カペラ・グループ「Rockapella」がこの春、昨年9月に発表した最新アルバム『JAMS, VOL.1』を引提げ、3年ぶりに来日している。

 ゴスペルやドゥワップはもちろん、ジャズやロックやポップス、さらにジャパニーズポップスまで、あらゆるジャンルの音楽を親しみやすいアレンジで聴かせる彼ら。1986年から活動を開始し、1990年のスパイク・リー監督の映画『ドゥ・イット・ア・カペラ』への出演をきっかけに注目を集め、1990年代から2000年代初頭にかけてのア・カペラ・ブームの先駆的存在となり、日本のアカペラシーンにも計り知れない影響を与えてきた。

 その所為か、客層も幅広く、若者から中高年まで様々。客電が落ち、いよいよ開演の時。スクリーンにメンバー紹介のムービーが映し出される。

 High TenorのScott Leonard、PercussionのJeff Thacher、TenorのCalvin Jones、そして今回初来日となる新メンバー、TenorのMitchell RainsとBassのBryant Vanceの5人だ。まるでTV SHOWのオープニングさながらのユーモアあふれる映像に、早くも期待が高まる。そして5人がメロディを奏でながら、ステージに立つと、会場中から大きな拍手と歓声が飛び交い始める。

 アカペラのステージというと、ジックリ歌を聴き、そのハーモニーを楽しむという印象だが、「Rockapella」は違う。往年のポップソング、ロック、ブルース、スタンダードナンバーなど、幅広いジャンルのナンバーを5オクターブの幅広いレンジと豊かな歌声で披露する。楽曲によって様々なフォーメーションを組み、個々のキャラクターを歌声と全身を使って体現しつつ、オーディエンスを魅了していく。ドラムもベースも、リズムマシーンもそこには無い。5人が「声」だけでそれぞれのメロディ、リズムを声で奏で、刻みながら、ハーモニー、グルーヴを生み出している。それだけで彼らのヴォーカリストとしての能力の高さが伺えるところだが、そこに「Rockapella」の場合、ダンスなどのパフォーマンスが織り込まれているのである。軽やかなステップ、美しいハーモニー、耳馴染みのある往年のナンバーの数々。日本語やジョークを交えたトークで会場を沸かせつつ、テンポよく繰り広げられていくパフォーマンス。まさにこれぞエンターテインメント!時にハンドクラップ、コール&レスポンスを交えつつ、オーディエンスも一気に「Rockapella」のエンターテインメントショーに引き込まれていく。

 この日の選曲にはジャパニーズポップスの王道ナンバー、思いがけないポップスも織り交ぜられていた。メロディの美しさはそのままに、彼ら流のロッカペラ・サウンドに昇華されており、目を閉じてじっくり聴き入る人の姿も垣間見えた。中盤ではフロアからファンをステージに上げ、コントショーさながらのパフォーマンスを繰り広げるシーンも。ユーモア溢れるメンバーの仕草に、会場中の女性たちから歓声が飛ぶ。

 選曲、パフォーマンス、そしてトークからも、3年ぶりに来日できたことへの喜びが伝わってきた今回のステージ。今日は東京でのパフォーマンスが控えている。この機会にぜひ、「Rockapella」ならではのエンターテインメントなステージをぜひ堪能して欲しい。

Text by Yukari Sugimoto
Photo by Kenju Uyama

◎公演情報
【ロッカペラ】
2018年4月5日(木)※終了
ビルボードライブ大阪

2018年4月6日(金)
ビルボードライブ東京
1st 開場17:30 開演18:30
2nd 開場20:45 開演21:30

詳細:http://www.billboard-live.com/

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