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珠玉のメロディと透明感溢れるヴォーカルで会場を魅了! スティーヴン・ビショップ来日公演の模様をレポート

 スティーヴン・ビショップ 8年ぶりの来日公演1st Showを観た。来日は久しぶりだが、ライヴのフォーマットは近年の定番であるキーボード奏者:ジム・ウィルソンとのツー・メン・ショウ。ジムは米国ではヒーリング系ピアノ奏者として成功しており、ビッシュがゲスト参加した作品など、複数のアルバムを発表している。そこでまずジムが2曲ピアノ・インストを披露。そのあとビッシュを招き入れ、まずは大きくアレンジを変えた「雨の日の恋(Save It For A Rainy Day)」で幕を開けた。

 ところが、ビッシュのナイーヴなハイトーン・ヴォイスの伸び具合が今イチ本調子ではなく…。どうも、日本へ向かう機内で風邪を貰ってしまったそうで、高音は少々辛そうだ。それでもビッシュは元々が楽曲の魅力、珠玉のメロディで聴かせるタイプのシンガー・ソングライター。故にライヴでも大きな影響はなく、透明感溢れるヴォーカルで名曲の数々を歌い綴り、フルハウスのオーディエンスを魅了した。

 3曲めに早くも名バラード「ルッキング・フォー・ザ・ライト・ワン」を歌い、ロマンティックな空気で客席を優しく包み込んだかと思えば、ジャズ・バラード「ニューヨーク・イン・ザ・フィフティーズ」では、いつもステージに登場するリズム・マシーン内蔵のオモチャのような楽器を弾きながら、小粋にサラリと。続けてアニメのサントラ曲「アニマル・ハウス」では、一転してユーモラスな曲想で彼の作風の幅広さをアピールする。ビッシュのライヴではMCの軽妙さも魅力のひとつで、ボブ・ディランやビリー・ホリディらの物真似はファンにはお馴染み。フィリピンでマッサージを受けながらリクエストに応えて歌った話など、ジェスチャーや声色を使いながら、オーディエンスを大いに沸かせた。

 それでもやはり、ビッシュのライヴのハイライトは、静かに琴線を揺らす1stアルバム・タイトル曲「ケアレス」や、映画『TOOTSIE』で有名な「君に想いを(It Might Be You)」、フィル・コリンズ&マリリン・マーティンに提供して全米No.1となった「セパレート・ライヴス」など、美しいメロディをシットリ聴かせてくれるところ。そして本編ラストでは、代表的ヒット曲「オン・アンド・オン」を高らかに歌い上げた。確かに高音部の発声は苦しそうだったが、彼が紡ぐ旋律の美しさは何モノにも代えがたく、シンガーである以前にソングライターの人なのだと強く印象づけられた。

 アンコールでは繊細なアコースティック・ギターが楽しめる「マッジ」と最新作からの楽曲で幕。聞けば2nd Showでは数曲が入れ替えて披露され、比較的新しめの楽曲が多く歌われたようである。

 8年ぶりと久しぶりの日本でのショウだったのとは裏腹に、そのパフォーマンスには以前との大きな違いはなく、ジム・ウィルソンとの和気藹々としたステージに思わずほっこり。風邪さえなければ、ほとんど完璧なステージとなっていたことだろう。でもコレはコレで十分に楽しめたし、彼の魅力も再認識。ただできることなれば、ライヴ盤のようにリズム隊を引き連れてのリヴェンジ・ツアーに期待したいところではあるな。

Photo:Masanori Naruse

Text:金澤 寿和(音楽ライター)

◎公演情報
【スティーヴン・ビショップ】
2017年3月4日(土)
ビルボードライブ東京

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