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2023/04/14

<ライブレポート>さらさ「音楽はコミュニケーション」満員御礼の初ワンマン

 さらさが、3月31日に【1st Album "Inner Ocean" Release Party】を東京・Spotify O-nestにて開催した。

 ミュージック・バーのセッションで歌っていたという湘南育ちのシンガー・ソングライター、さらさ。2022年7月に配信シングル「ネイルの島」でデビューし、わずか1年で【FUJI ROCK FESTIVAL ’22】への出演を果たす。鞘師里保への歌詞提供をはじめ、碧海祐人やgatoなどの楽曲に参加し、POPEYEの人気企画「ガールフレンド特集」では野田洋次郎、YOU、塩塚モエカらに並びインタビューが掲載されるなど、ライブに留まらず多方面で発信を続けている。本公演は、2022年12月14日にリリースされた1stアルバム『Inner Ocean』のリリース・パーティーとして開催された。3月31日の東京公演、そして4月26日の追加東京公演が即日ソールドアウトとなり、さらに追加で大阪公演も決定しているなか、本稿では初日の東京公演の模様をいち早くお届けする。

 当日、会場には多くのオーディエンスが詰めかけていた。オンタイムを迎えると絵画や植物、カラフルなタペストリーが装飾されたステージに、バンドメンバーの磯貝一樹(Gr)、オオツカマナミ(Ba)、松浦千昇(Dr)、石田玄紀(Key/Sax)の4名が先に登場。少し間を開けてさらさ(Vo/Gr)が姿を現すと温かい拍手に包まれた。そのままドラムのカウントから「朝」でスタート。さらさのスモーキーで伸びやかな深みのある歌声と、グルーヴィーなバンドサウンドが心地よく、早速オーディエンスの体を揺らす。1曲目からしっかりと観客の心身を魅了した。

 さらさはギターを手に持ち「こんばんは。さらさです」と挨拶すると拍手が沸き起こり、そのまま「温度」へ。イントロから歓声があがるほど、会場の熱気とバンド自体のグルーヴ感も勢いとともに増していく。そして、リバーブが気持ち良い「jjj」など立て続けに披露。さらさは時折、嬉しそうな表情を見せ、観客ひとりひとりを見渡しながら歌い、バンドが織りなすサウンドとともに会場全体を音の海に巻き込んでいった。曲を終えるごとに温かい拍手と歓声が沸き起こり、会場はライブ序盤からすでに熱気を帯びていた。その後、松浦が刻むドラムのビートで次の曲が「太陽が昇るまで」だと観客へ伝えられると、太陽色のライトに照らされながら同曲を披露し、会場のボルテージは最高潮に。

 最初のMCでは、「歌い始めたとき、こうやって実際みんなに会ったらめっちゃ泣きそうになって、見たら泣くと思って目瞑って歌ってたんですけど……」とこの日会場に集ったオーディエンスを目の前に嬉しさを伝え、「初めてのワンマンなので、みなさんと時間を過ごせてすごくうれしいです」と喜びを口にすると温かい拍手と歓声に包まれた。

 「実はゲストを呼んでおりまして。一緒に曲を作ったりとかライブもご一緒させていただいている、私の大好きな先輩」と紹介され登場したのは、Michael Kaneko。会場はすごい盛り上がりで、そのままアコースティック・パートへ。さらさがInstagramのストーリーで事前にカバー曲のリクエストを募り、3会場それぞれで違う曲を披露するとのことで、東京・Spotify O-nestで選曲したのは、CHARAの「やさしい気持ち」。Michael Kanekoの鍵盤にのせ、さらさが歌い出すと会場はたちまちハート・ウォーミングな雰囲気に。その後、s**t kingzに楽曲提供した「炎」など数曲をアコースティックver.で披露し、心揺さぶるパフォーマンスで観客を魅了した。

 さらさ自身が“ラブリーさらさらバンド”と命名したバンドメンバーがステージ上に戻ってくると、そのままメンバー紹介を経てJAMセッションへ。再びさらさがステージに戻ってくると「ネイルの島」「Amber」など、説得力のあるまっすぐな彼女らしいメッセージ性のある歌詞と優しくもソウルフルな歌声をオーディエンスへ届けた。曲間MCでは、孤独などが前面に出たコロナ禍だからこそ生まれた1stアルバム『Inner Ocean』についてや、さらさ自身のパーソナルな部分にフォーカスした経験談を交え、音楽をコミュニケーションとしても愛する彼女の人柄が伝わるトークが展開された。そして、あらためてこの日ワンマンを開催できた喜びについて嬉し涙を見せるシーンも。ラストは笑顔で「火をつけて」を歌い上げ、観客から大きな拍手と歓声が贈られた。

 会場の温かい拍手のもと迎えたアンコールでは、披露する曲が決まっていなかったこともあり、リクエスト・タイムを行うことに。その場で観客が一斉にもう一度聴きたい曲を声に出し、選ばれたのは「Amber」だった。磯貝の提案でアンコールは同期なしで生っぽく“盛り上げゴリゴリAmber”としてアレンジして披露。各メンバーのソロも炸裂し、この日一番の盛り上がりを見せ、大盛況のなかライブを締め括った。2023年、【GREENROOM FESTIVAL 23】への出演なども決定しているさらさ。今後もますます魅力的になるだろう彼女の活躍に期待したい。

Text:Rumi Miyamoto

◎公演情報
【1st Album "Inner Ocean" Release Party】
2023年3月31日(金)東京・Spotify O-nest<終了>
2023年4月26日(水)東京・WWW
2023年4月28日(金)大阪・梅田Shangri-La

【さらさ × GLIM SPANKY「Tiny Ocean」】
2023年6月22日(木)
東京・LIQUIDROOM

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