あくまでもキリンジらしく、兄弟ラストライブ終了

NEWS

2013/04/15

　昨秋、堀込泰行の脱退が大きく報じられたキリンジの2か月間に亘る全国ツアーの掉尾を飾る公演が、4月12日東京・NHKホールで行われ、17年続いた兄弟としてのラストライブを見届けようと往年のファンが多く詰めかけた。

　開演を告げるSEが始まると大きな歓声が起こり、会場が総立ちでアーティストを迎え、懐かしの名曲「グッディ・グッバイ」「双子座グラフィティ」から始まると、何度も歓声と拍手が大きく沸き起こり、ファンと築いてきた幸福な関係性を否が応にも感じさせた。同時に、泰行のボーカルに寄り添う、兄、高樹のギターとコーラスが、美しいメロディを引き立たせ、それがキリンジの大きな魅力となっていたことも強く感じさせる。そして、“早熟”とされた楽曲群が、キャリアを積むなかで熟成され、今の身の丈に合って聞こえてきて、プレイヤーとしても二人が着実に成長してきたことがよく分かる、3時間半を優に超える圧巻の33曲のセットリストだった。彼らの持ち味であるリラックスしたMCは終始ラストライブであることについてコメントせず、観客とともに楽曲でこの17年を振り返ってみせた。

　ようやく最後に泰行が、「新しいキリンジは兄がやっていくので宜しくお願いします。」と話し、暖かな拍手が包み込んだ。続いて同じく泰行が、「マイナー競技でオリンピックを目指します。」と続けると、高樹が「意味分かりません。」とすかさず返すなど、あくまで淡々と、キリンジらしさを損なうことなく最終公演の幕を下ろした。

Text：礒崎誠二

◎公演情報
【KIRINJI TOUR2013】
日時：2013年4月12日（金）
会場：東京・NHKホール

＊セットリスト
OP曲　「dusty spring field 」キリンジ
M-1　グッデイ・グッバイ
M-2　双子座グラフィティ
＜MC＞
M-3　風を撃て
M-4　野良の虹
M-5　ダンボールの宮殿
M-6　耳をうずめて
＜MC＞
M-7　僕の心のありったけ
M-8　愛のCoda
M-9　タンデムラナウェイ
M-10　Lady bird
＜MC＞
M-11　小さなおとなたち
M-12　さよならデイジーチェイン
M-13　ホライゾン！ホライゾン！
＜MC＞
M-14　夢見て眠りよ
M-15　ナイーブな人々
＜MC＞
M-16　ムラサキ☆サンセット
M-17　You&Me
M-18　Music!!!!!!!
M-19　都市鉱山
M-20　CHANT!!!!
M-21　アルカディア
M-22　祈れ呪うな
＜MC＞
M-23　早春
M-24　夏の光
M-25　TREKKING SONG
M-26　竜の子
M-27　ブルーバード

En-1　Drifter
En-2　千年紀末に降る雪は
En-3　スウィートソウル
En-4　茜色したあの空は～もしもの時は

W/En-1　エイリアンズ
W/En-2　悪玉