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<インタビュー>REIRIEという“言葉にできない関係”―― メジャー1st EP『Amethyst』から見えてくる現在地

インタビューバナー

Interview & Text:川倉由起子
Photo:Yuma Totsuka


 REI(黒宮れい)とRIE(金子理江)による二人組ガールズユニット・REIRIEが、メジャーデビューを機に新たなフェーズへと踏み出した。かつて同じグループで活動し、約5年の空白期間を経て再会した二人は、その後すぐにREIRIEを始動。結成の経緯や、彼女たちの関係性を振り返りながら、メジャー1st EP『Amethyst』の全貌と各曲に込めた思いを聞いた。

「二人の間に流れているものは変わってないんだな」

――まずは、REIRIEというユニットがどのようにして始まったのか、その成り立ちからお伺いできますか?

RIE:もともと「LADYBABY」というユニットで一緒に活動していた時期があって、そこから一度離れ離れになってしまったんです。でも、5年経って再会したときに「やっぱりこの二人だね」ってなってREIRIEが結成されました。……(REIに)え、だよね!?

REI:補足はないです(笑)。RIEちゃんの言う通り。

RIE:世の中にはいろんなユニットがあると思うんですけど、私たちには「ユニットをやっている」という感覚すらあまりなくて。二人で一緒にいるために、そこに音楽やライブという場所が乗っかって……という感じなんです。


――お二人の間には、すごく運命的な結びつきがあるのかなと思います。遡りますが、ファーストコンタクトについても聞かせてください。

RIE:本当に、出会うべくして出会っちゃったんです。学校のクラスメイトで、気が合うから友達になるみたいな次元の話ではなくて。初めて会ったのは、あるイベント会場のエレベーターでした。私が迷子になっていて、たまたまそこにいたREIちゃんに話しかけたらちょっと睨まれたんですよ(笑)。

REI:あはははは。本人は睨んでるつもりは全くなかったんですけどね。

RIE:でも、そのときのREIちゃんの佇まいや反応が私にはたまらなくて。ビジュアルはもちろん、全体的に「可愛いな、この子」って思ってしまったんです。まだ素性とか何も知らないのに(笑)。



REI

――REIさんのビジュアルの完成度はもちろんですが、それ以上の何かを感じたと。

RIE:そうなんです。存在そのものが私にとってドストライクだった。足が速い男の子に憧れるみたいな、そういう一般的な感覚を飛び越えて、出会った瞬間に衝撃が走った感じ。そこからはもう、ずっとくっついて回っていました。「REIちゃん、REIちゃん」って。


――REIさん側からすると、いきなり強烈なアプローチを受けたわけですね。

REI:私はもう、「なんだ、こいつ……」って。警戒してました(笑)。当時のRIEちゃんは今よりもっとあざといというか、私がパッと振り返るとニヤニヤして、急に困り顔をしたかと思えばまたニヤニヤ……みたいな感じだったんです。私からすると、何を考えているのか分からない子だなっていうのが最初の印象でした。


――5年ぶりの再会は、どのような空気感だったのでしょうか?

REI:本当にたまたま、同じ日に二人とも渋谷にいたんです。「RIEちゃんが今近くでイベントをやっていて、『来ない?』って言ってるよ」と共通の知人に聞かされて。私はRIEちゃんと5年も会っていなかったから「何を話せばいいんだろう?」って最初はちょっと迷ったんです。でもこれも運命だなと思って。RIEちゃんがその日ライブをやっていた会場に足を運んで、いざ顔を合わせたら、第一声は「イェーイ!」ってダブルピースでした(笑)。

RIE:あはははは。イェーイ(笑)。

REI:それを見た瞬間、言葉とかいらないんだなって思いました。時間は空いてしまったけど、二人の間に流れているものは変わってないんだなって。

RIE:再会するきっかけやタイミングがなかなか掴めなかったんですけど、私はずっと「会いたい」と思っていたので。緊張よりも、やっと会えたという感覚でした。

REI:その場でLINEを交換して、後日会ったときにはもう「REIRIEをやろう」という空気になっていましたね。「一緒にやらない?」とかではなく、「二人が揃ったらやるでしょ!」「オッケー!」みたいな。

RIE:引力がダイソン並みなんです!(笑) 磁石のS極とN極じゃないですが、どんなに離れていても引き寄せられちゃう。

REI:この世にある言葉で言うなら「運命」なんでしょうけど、自分たちの中では、もっと重たくて避けられないもの……「十字架を背負っている」ような感覚に近いかも。以前のユニットでもニコイチのような存在でしたし、離れても、また一瞬で引き寄せられちゃう。

RIE:昔から二人の波長は抜群に合っていたもんね。

REI:抜群だったね。



RIE

――友達、家族、恋人……どのカテゴリーにも当てはまらない、唯一無二の絆なんですね。

RIE:ソウルメイトと言われればソウルメイトなんですけど、自分自身がREIちゃんに引き寄せられることに対して抗えない感覚はずっとあります。それこそ初対面の日から。友達でも、姉妹でも、恋愛でもない。そのすべてを一括りにして、超越したもの……なのかな?

REI:多分、この世にまだない言葉だから表せないけど、それがREIRIEというものなんだと思う。


――これほど深く共鳴し合っていると、逆にぶつかり合うこともあるのでしょうか?

RIE:ケンカはしないですね。REIちゃんはズバッと言うタイプだから勘違いされることもあるんですけど、実は、私が今まで出会った人類の中でトップレベルに優しいんです。で、私以上に私のことを理解してくれる。逆もしかりで、私もREIちゃんを理解しすぎちゃうから、お互いがお互いを思いすぎて逆にすれ違っちゃうってことはあります。離れたほうがお互いのためなんじゃないか……とか。

REI:そのフレーズ、恋人みたい(笑)。でも本当に、「相手のためにこうしてあげなきゃ」という思いが強すぎて、「いや、本人は別にそう思ってない」って空回ってしまうことも。だから最近はもう「ほっといて」って。

RIE:そうだね。お互いに「ほっといて」って。「ほっといてフェーズ」に入っています(笑)。お互いを思い、リスペクトしているからこその「ほっといて」なんですけどね。


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  1. 「REIRIEらしさ」を軸に
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「REIRIEらしさ」を軸に


――そんなお二人が、メジャーデビューという新しいフィールドに進出されました。プレッシャーや、音楽への向き合い方に変化はありますか?

REI:私たちはある意味、この活動を「仕事」として捉えていないんです。だから、メジャーに関しても「楽しそうだし、一度やってみる?」ぐらいの感じで。もちろん、数字や売上、プロモーションといった面はスタッフの皆さんがすごく頑張ってくれているんですけど、私たちはあまり気にしていない(笑)。あくまでもREIRIEが2人で一緒にいるためのユニットなので、それが崩れるような無理はしないというスタンスは変わっていません。

RIE:もちろん、メジャーという場所に行くことでファンの皆さんに恩返しができるのはすごく嬉しいです。何かしらの結果を見せてあげたいという気持ちもあるし。ただ、レーベルの皆さんには「私たちについてこれる? 本当にいいんですか?」みたいな気持ちもあって(笑)。一緒に走っていく選択をしてくださったことに心から感謝をしているけど、私たちはやっぱり、「自由」とか「危うさ」みたいなものが自認としてあるので。やりたくないことは「やりたくない」と言っちゃうタイプですが、それでも「REIRIEらしさ」を尊重して、自由に遊ばせてくれる今のチームには感謝しかありません。


――レーベルのスタッフと非常にいい信頼関係が築けているんですね。

RIE:私たちのエゴみたいなものも、「REIRIEらしさ」を大前提に形にしてくださるので。すごくやりやすい環境で、のびのびと表現させてもらっています。

REI:もちろん、やるときはしっかりやりますよ(笑)。私たち以外の力が働くことで、REIRIEがやれることが増えたらすてきだなと思います。


――メジャー1st EP『Amethyst』は、REIRIEの剥き出しの個性が爆発した作品になっています。1曲目、8月に先行配信された「BaD=DoLL」からかなり強烈な仕上がりですね。

REI:私たちの根底にある反骨精神や、ちょっと危険な感じを前面に出した曲です。RIEちゃんのシャウトと、可愛い歌声のギャップがすごく生きていて。多分これが一番「REIRIEの通常時の精神状態」かな。

RIE:そうだね。これが私たちの標準状態(笑)。基本、ずっとこういうヘビーなサウンドをやってきたので、自分の喜怒哀楽を強く音に乗せるのはすごくやりやすかったです。個人的には、世間のレールから外れて生きてきた自覚があるんですけど、その中でも絶対的にブレない芯みたいなのがあって、それをこの曲で表現できたことが嬉しいです。結構ビックリされちゃいますけどね、このビジュアルでいきなり「うっぜー」ってシャウトすると(笑)。





「BaD=DoLL」ミュージック・ビデオ


――2曲目の「Holy Brighters」は、とてもストレートで希望を感じさせる1曲です。

REI:アニソンっぽさがあって、キャッチーですよね。今までのREIRIEにはなかった楽曲のテーマで、新鮮です。

RIE:ここまでストレートに<どんな困難が立ちはだかったとしても手を取り合う>なんて表現、したことがなかった。REIRIEの関係にハマってると思うんですけど、そういうのを表立って言ったことがなかったから、この楽曲が来たときに「ついに言うんだ!」って思った。今までは、2人とも天邪鬼な性格なので「わざわざ言葉にするのも違うな」というのがあったんです。


――なるほど。今回、言語化された歌詞はどう受け止めましたか?

RIE:ちょっとしたワクワク感もありつつ、私たちのことを今までそうやって見てくれてた人たちに対してやっとストレートに伝えられるなって。私たちの関係って、ストーリーも含めて何だかずっと『少年ジャンプ』なんです。それを分かりやすく言語化していただいて、ちょっとだけ成仏できた感じがあります(笑)。


――ガラッとサウンド感が変わる3曲目「Not Philosophy」では、どこか退廃的な愛の形が描かれています。

REI:この曲、いい意味でREIRIEっぽくないんですけど、不思議とすごくしっくりくるんです。特にRIEちゃんが歌っている<君が見たい世界を守れたら 泥にまみれることなど 喜びでしかない>というフレーズ。これって、まさに私に対するRIEちゃんの愛そのままなんじゃないかなって。

RIE:私も、最後の<たった一瞬のために足掻いてやるわ>という歌詞が「まさにREIちゃん!」と思いました。傍から見たらREIRIEってこういうことなのかなという一つの解釈を、作詞家さんが教えてくださいました。


――「Not Philosophy」は2人の声質の違いも存分に堪能できる1曲となっています。

REI:私は「椎名林檎さんを憑依させて」と言われました(笑)。「そんなディレクションあるんだ!」と驚いたのですが、気怠さの中に一本芯が通っているような、そんなイメージ。歌っていて新鮮でした。

RIE:私は特にディレクションをいただいていなくて、「REIちゃんがそう来るなら私は……」と、あえて逆の歌い方を意識しました。どこかクセ強、みたいな感じですかね。


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  1. 「命がけぐらいの本気度でステージに立ってる」
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「命がけぐらいの本気度でステージに立ってる」

――4曲目の「紺Tact」は、ジャジーでアーバンな雰囲気ですね。

RIE:ところどころに変拍子もあってすごく難しかったですけど、個人的に大好きな曲です。私、視力が悪いんですけど、あえてコンタクトを外して世界をぼやけさせたほうが生きやすいときがあって。歩いているだけでも刺激が多すぎるじゃないですか? だからたまにシャットアウトするんですけど、<ピントの合わせ方を 少しずつわかってきた>という歌詞は重く刺さりましたね。大人になるにつれて色々とピントの合わせ方を知っていかなきゃいけなくて、でも、その葛藤みたいなところもあって。

REI:RIEちゃん、この曲一番好きだもんね。

RIE:好き! 歌詞が本当にいいんだよ。

REI:<悩みも痛みだって全部ハイライト>という歌詞は、もし10代で歌っていたら伝わるものもあまり伝わっていなかったのかなって。20代になった今の私たちだからこそ、そこに深みが出たり、説得力が生まれるのかなって思います。


――そして、ラストを飾る楽曲は「あいしてよ」。

REI:<そんなもんありゃしねーよ>とか<んなわけねーよ>って、この曲でも強い言葉を叫んでいるんですけど、根本にはやっぱり誰かに愛されたいという純粋な思いがあって。そんな、REIRIEの素直に言えないような部分を歌に乗せた楽曲となっています。

RIE:私は「愛されたい」以上に、まずは自分が「愛したい」という気持ちが強いです。愛させて? そこから愛して?っていう。REIちゃんも言ったように、本当にREIRIEの心を表現していると思うし、これを書いてくださった作家さんは天才だなと思います。





「あいしてよ」ミュージック・ビデオ


――全5曲、収録順も流れが秀逸だと思いました。

REI:曲順はレーベルのスタッフさんにお任せしました。自分でも全部通して聴いてみたのですが、すごくいいですよね。「BaD=DoLL」で始まって「あいしてよ」で終わるというのが、やっぱりREIRIEらしいなって思いました。


――2月からは、このEPを引っさげた全国12箇所のツアーが始まります。意気込みを聞かせてください。

REI:12箇所も回るのは初めての挑戦です。初めて行く街で、初めて出会う方々に、私たちの生身の熱量を届けられるのが本当に楽しみです。今回のEPを聴いてきてくださる方も多いと思うので、それをリアルなパフォーマンスでお届けしたいです。

RIE:ツアーを回って、やっとこの『Amethyst』という物語は完成すると思っています。ファンの皆さんも作品の一部だと思って遊びに来ていただきたいです。みんなで一緒に、この物語を完走したいです。


――REIRIEは海外での反響も大きく、今後、グローバルな活躍や展開にも期待も高まります。

RIE:ミュージック・ビデオのコメント欄を見ると、海外の方にもたくさん注目していただいていて。日本だけじゃなく、世界のいろいろなところに散らばっている誰かにREIRIEが刺さっている……。それがうれしいです。

REI:海外、行きたーい!(笑)

RIE:行きたーーーい!!(笑)

REI:1月末にはタイのフェスに出演します。

RIE:うちらもう、水着の話してるからね。

REI:タイは暖かいから、「終わった後、泳ごうね」って。

RIE:私たち、ライブでえげつないほど集中するので終わった後の反動がすごいんです(笑)。

REI:本当に魂込めて、命がけぐらいの本気度でステージに立ってる。

RIE:気になった方はツアーにぜひ足を運んでみてほしいです。


REIRIE「Amethyst」

Amethyst

2026/01/28 RELEASE
LAMR-5038

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.BaD=DoLL
  2. 02.Holy Brighters
  3. 03.Not Philosophy
  4. 04.紺Tact
  5. 05.あいしてよ

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