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<インタビュー>星屑スキャット、「古き良き音楽業界の一端に常にいたい」音楽愛と8cm CD『蜃気楼』へのこだわりを語る



星屑スキャットインタビュー

Interview & Text:岡本貴之

 ミッツ・マングローブ、ギャランティーク和恵、メイリー・ムーの3人による音楽ユニット・星屑スキャットがニューシングル『蜃気楼』を2023年12月13日に発売した。「BAD PARADISE」に続き、西寺郷太(NONA REEVES)が書き下ろしたタイトル曲は、今年のツアーで初披露された、淡々としたビートと妖しく音像に乗せた哀愁漂う3人の歌声が耳に残る楽曲だ。ツアー後の6月に配信リリースされた同曲に「愛のミスタッチ (deep-in-the-night version)」をカップリングして、なんと8cm CDでのリリースとなる。楽曲のみならず、ジャケット、短冊CD仕様のジャケットデザインへのこだわりまで、たっぷりと語っていただいた。

――今回の新曲「蜃気楼」は【星屑スキャット TOUR 2023『023』】ツアーでも披露された曲ですが、ツアーも含めて2023年の活動はいかがでしたか?

ミッツ:ツアーっていつでしたっけ(笑)? もう、本当に出たとこ勝負でやってるから、終わった瞬間に全部忘れちゃう(笑)。でも、ふとしたときにまた急に思い出したりするけど。

メイリー:私たちは今まで自分たちでできることを相当やってきていて、前作の「BAD PARADISE」もそうでしたけど、どんどん新しいことをしないと自分たちが回っていかないみたいな感覚があって。そういう意味で「蜃気楼」も、何かお客さんが好きそうなものをやるっていうことではなくて、私たちが新しいところに行く感覚にする作品作りな気がします。

和恵:うん、確かにそういうところはありますね。

――なるほど、18年目の活動ともなると……

ミッツ:マンネリ化しますからね。何か3人でやって新鮮なものなんてないんですよ。芸能ってね、やっている本人が新鮮だったり刺激的だったりする必要は一切なくて、お客さんのためにあるわけです。とはいえ、伝統芸能的な感じで「いつ来ても私たちは同じことやってるから、いつでもどうぞ」っていうのが、私の中ではコンサートを作るときの一つのコンセプトなんですよ。例えば松田聖子さんはコンサートで毎年、後半の1時間は大ヒットメドレーをやって、ちょっと衣装が違うだけみたいなね。あの感じがステージと客席のすごく幸せな関係なんですよ。それを見て「今年の衣装はこうだった」「今年はあそこの曲順がちょっと違ったね」とか言ってるファン心理もわかるので。

和恵:ただ、星屑スキャットは歴史もそんなにないですし、ヒット曲もないですから。たくさんヒット曲を持っていてお客さんも知っている曲が多い中でやる「いつもの感じ」っていうのは聖子ちゃんはできると思うんですけど、私たちはいつもやってる曲はあるにせよ、初めて観に来られた方は、どう楽しんでいいかわからないと思うんです。そこで心をどう掴むかっていうところでは、カバー曲も大事だし、自分たちも新鮮な形で歌えるものがやっぱり欲しいんですよね。だから新曲もコンサートのときにひとつ、ふたつないとなって。

ミッツ:新曲をツアーで初披露するみたいな様式美は、音楽業界に昔からあるからね。


【星屑スキャット TOUR 2023『023』】東京公演
Photo by 唐澤友美

――新作のリリースがツアーをする理由になりますもんね。

ミッツ:そこはお客さんが試されるところなんです。聴く側からすると、新曲披露ってそんなに嬉しくないんですよ。知らない曲だし、どうノッていいかもわかんないし。でも私は昔ながらのそういう様式美をなぞるのが好きなので、それをやれる喜びも含めて乗り越えたいなと思っていて。そういう意味で、「新曲をやります!」って恩着せがましく拍手を強要してやってました(笑)。

――なるほど(笑)。EX THEATER ROPPONGIで歌った際にMCでミッツさんが「大好きな曲です。なかなか攻略するのがむずかしい曲ではあったんですけど、噛めば噛むほど(好きになる)という曲です」と紹介していました。実際歌ってみていかがですか?

ミッツ:あれは、私が2人の気持ちを代弁したんです。

メイリー:一番口当たりが良い言葉で言ってくださって(笑)。この曲はむずかしいなんてこともわからずに、今までデモをもらった中で、練習とは別の意味で一番繰り返し聴いた曲だと思います。何回も何回もリピートして聴きたくなるような、どこで始まってどこで終わるかわからないような。

ミッツ:それは曲を発注するときに郷太さんに私が言ったんです。どこがサビだかわからないような、展開がゴチャゴチャあって、いつの間にか終わっちゃっている“不親切な曲”が欲しいって。

メイリー:ずっと夜明けが来ない、みたいなイメージで聴いてましたね。歌ってみたら全然違いましたけど。

ミッツ:ジョージ・マイケルの「Older」(1996年リリース)っていうすごく好きな曲があるんですけど、ああいう感じが良いなって。私の中では、今は90年代なんです。

――え、どういうことですか?

ミッツ:要は、私たちが始めた頃って、何となく70年代昭和歌謡ブームみたいな感じで、徳永英明さんのカバーアルバムとかが流行ってる最中だったんですよ。新宿2丁目ってわりと昔から歌謡曲が好きな人が多いし、親和性は高いんですけど、そんなところで女装3人が生歌で歌うというのはちょっとだけ新しいことでもあったので、2005年に星屑スキャットを始めたんです。そこからだんだんディケイドが変わってくときに、こっち側がパロディーしたい時代も進んでいくんですよ。2010年であれば80年代、2020年に入ってからは90年代で、広瀬香美さんとかTRFとかが一番ナウい感じ(笑)。この人(和恵)はずっと70年代だけど。

――その感覚で言うと、和恵さんは「蜃気楼」はどう捉えていますか。

和恵:時代感の違いも感じるし、私のような女装している歌手が女装メンタルでこの曲にどう挑むんだろうみたいな、今までにはないテイストの違いみたいな感じもあって。私の中ではちょっとマニッシュな感じの楽曲というか、「これをどう歌えばいいんだろう?」みたいなところはありましたね。

――歌割りは話し合って決めたのでしょうか?

ミッツ:私が決めています。

メイリー:「とりあえず歌って」って言われるんです。

ミッツ:今回は全部歌って、全部いいところを取って繋げてみるっていう、「つんく♂さん方式」でした。私はまるで独裁者みたいに見えますけど、この人たちの歌の癖が、18年やっていて染みついているんですよ。老化とともに、歯茎が痩せたり歯が抜けたりするじゃないですか? 今まで使えていた筋肉が衰えるとか、「最近は“さ行”が弱いな、ここは苦戦しそうだな」っていうのを逆算して、歌割りを決めるんです。そうすると「意外とここいけたんだ!?」みたいなこともあるんですよ。

和恵:郷太さんも一緒にレコーディングに立ちあってくれたんですけど、3人の声に逐一反応してくれるんですよ。ミッツはこの辺りの洋楽的なフィーリングを持っているだろうし、メイリーも何気にそういうものがあるみたいで、「ミッツの歌い方ええわ~」とか「メイリーの声最高!」みたいな感じだったんですけど、私は70年代歌謡的なフィーリングが抜けなくて、その部分がすごく難しかったですね。

ミッツ:郷太さんはいろんな人をプロデュースしていますし、ましてやメンバーではないから、やっぱりある程度気を遣ってくれるし、乗せ上手にやってくれるんですけど、私は基本的に「ダメだ、やめちまえ」って真っ向から否定するので。まあ、あとで仕返しされるんですけど(笑)。

和恵・メイリー:あははははは(笑)。

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――(「蜃気楼」の)歌詞は西寺さんとミッツさんの共作クレジットになっていますね。

ミッツ:元は全部、郷太さんの歌詞です。一回できたものから、私が直したい部分、加えたい歌詞を先輩である郷太さんにどう伝えるか考えて、「新宿で飲みませんか?」って電話して、お店で実際に歌いながら「ここはこれがいいかなぁ」って、どんどん飲ませて。

一同:(笑)。

ミッツ:私の意見もすごく尊重してくれるし、憧れていた郷太さんとようやく仕事でご一緒できるようになったので、それが最近はすごく楽しいです。

和恵:私もNONA REEVESの音楽が大好きで、特に郷太さんのヴォーカルが私にとってはたまらなくタイプの歌声でめちゃめちゃ好きなんですよ。でも聴くと歌うじゃ全く違くって、それをいざ自分が歌うとなると、どう歌えば良いんだろうっていうむずかしさがあったというか。「郷太さんに気に入ってもらえる歌入れができたんだろうか?」っていう感じは多少あるんですけど、私はもともと、古い歌謡曲寄りの歌い方の癖がついているので、郷太さんからは、例えば「ライブの時と同じように力んで歌うんじゃなくて、もっと力を抜いて息を混ぜながら歌ってみるといいよ」とか、そういう指導をしてもらったことがすごく新鮮でした。だから普段とは違う歌い方にチャレンジしてる感じはあるかなと思います。

メイリー:私は誰にでも合わせられるっていう器用なことは一切できないので、まず2人がどんな感じで歌うのかを見てから「今回はどのぐらいの感じでいけばいいのかな」って歌い出す癖がついてるんですよ。そういう意味で言うと、そこら辺の地ならしは郷太さんとミッツさんが時間をかけてやられているでしょうから、郷太さんとのレコーディングは近所のお兄ちゃんに久しぶりに遊んでもらってる感じでした。「ああ、メイリーちゃんも上手。大人になったね」みたいな(笑)。そういう郷太さんのスタンスが面白くて、レコーディングはすごく楽しかったです。

ミッツ:すでに1曲やっていたので、うちらの面倒臭さはわかっていたと思うんですよね。

――郷太さんが作詞・作曲を手掛けた前作「BAD PARADISE」は、「蜃気楼」とはまた違ったクールな曲ですね。

ミッツ:あの曲は洋楽的な曲で、メロディが少ないんですよね。だからいつもライブで歌い終わった後、「歌う場所少ないな」と感じるんですが、その分、面倒臭い踊りをつけちゃったもんだから、肉体的なエネルギーは温存しておく必要があって、妙なちぐはぐさがあります。だけど、こっち(「蜃気楼」)はめちゃくちゃ得意です。今までの星屑スキャットのすべての曲の中で一番得意です。

――ライブでは、結構むずかしい曲だとおっしゃっていましたけど、だんだん体に沁み込んできた?

ミッツ:引き立て役がいるから。

和恵:いや、引き立てているつもりはないです(笑)。

メイリー:ははははは(笑)。

明らかに音楽が聴きやすくなっているのに、どんどん新しい音楽と距離が開いてきちゃっているんですよね(メイリー)

――ここ数年、音楽をサブスクで聴くことが浸透したことで、時代や国を越えたいろんな音楽が手軽に聴けるようになりましたが、みなさんの聴く音楽は変わってきたりしていますか?

和恵:私は自分が好きな歌謡曲に関しては、基本的に自分が今まで蓄えたものの音源を聴くことが多いです。サブスクはほとんど聴かないんですけど、たまに日本の若いミュージシャンでおしゃれな界隈の人たちが、今、どんな音作りをしててどういうテイストが流行っているんだろうと思って、聴きたくなるときに使ったりします。

ミッツ:おしゃれな感じって例えば?

和恵:ceroさんとかTENDREさんとか、ファッショナブルでちょっとストリートな香りがする今っぽい感じの音楽を作っているアーティストの感覚を知りたくてサブスクで聴きますね。

メイリー:私は何か不思議だなと思っていて。絶対にCD化されないレコードを神保町とかに探しに行っていた頃に比べると、明らかに音楽が聴きやすくなっているのに、どんどん新しい音楽と距離が開いてきちゃっているんですよね。スマホのライブラリに入っているのも、全部仕事用の音楽ですから。

――そうなんですね。それぞれが好きな音楽のプレイリストから、ライブで取り上げるカバーの曲のアイディアが出てくるのかなと思ったんですけども。

ミッツ:「シブいところ持って来て、いいね」と思うんだけど、シブいものって要は知名度が低いから、共感する人も少ないじゃないですか。そうすると私の優先順位が下がっちゃって、「また今度ね」みたいな感じになっていくんですよね。

――確かに、ライブでは「六本木心中」や「聖母たちのララバイ」といった大ヒットしたメジャーな曲をやってました。

ミッツ:だって、「そんなマニアックな曲をやられても……」って思われるんじゃないかなって思っちゃうんですよ。私もちゃんとマーケティングができてないところではあるんですけど。でも、アナログ盤を出したら買ってくださる方もちゃんといるし、いわゆる音楽ファンの方も最近はチラホラいらっしゃってます。

――一方で、The Good-Bye「浪漫幻夢 -Romantic Game-」のような意外な曲をライブで取り上げたりするのは、ファンを驚かせたいっていう気持ちもあるのでは?

ミッツ:う~ん、最近はそんなにないです。だって、私の中ではめちゃくちゃメジャーだけど、中森明菜さんの「TATTOO」をカバーしたときも、意外とみんな初見でわかってくれなかったんですよ。このレベルでもうマニアックの域に入ってしまうんだったら、ましてやアルバム曲なんか知らないですよ。まぁ、逆に私たちの曲だと勘違いしてもらえればラッキーっていう感じです。

やっぱり縦に開けるっていう情緒が大事なんですよ(ミッツ)

――今サブスクの話をお聞きしましたけど、そんな時代に星屑スキャットは敢えて8cm CDで『蜃気楼』をリリースするわけですが、いわゆる「短冊CD」ならではのジャケットデザインについてはどう考えていましたか?

和恵:私も短冊CDは一応通ってきた人間なんですけど、そんなに多くは持ってなかったので、短冊CDが持っているノスタルジーって、実はそんなにわからなかったんです。でも一応知っているから「こんな感じかな?」ってデザインを考えてたんですけど、3人をどう入れようか考えたときに、縦構図よりも横構図にしたほうがレイアウトしやすいので、軽々しく「これ、やっぱり横だよね」って進めてたら、ミッツさんが「短冊は縦よ!」って。

ミッツ:基本は縦ですよね。短冊CDが出てきたのは1988年からなんですけど、元々は7インチレコードのシングルがあって、それを強引に縦に引き伸ばして上下でデザインを分けてジャケットが作られるようになって。そこからCD時代になって、いわゆる縦構図でジャケットを撮るっていう文化が生まれたんです。もちろん横構図のものもありましたけど、やっぱり縦に開けるっていう情緒が大事なんですよ。

和恵:8センチCDに限らず7インチとかもそうなんですけど、ミッツさんのそこのこだわりは強くて。だから、私もその意見を聞きながら細かいところまでこだわりました。一番苦労したのは、ここなんですよ(CDが収納されたプラスチックの網目の下にある「ディスクをプレーヤーにセットする前に」という注意書きの部分)。ここを完璧にしようってミッツと盛り上がって。

ミッツ:久しぶりに3時間ぐらい電話したもんね? 画像を送り合ったりとかして。当時、全レコード会社共通で、8センチCDの規定があったんですよね。カーステにそのまま入れると破損するっていう注意喚起も含めて。ただ、今は当時には普及してなかったパソコンで聴く場合もあるから、そこも注意喚起しなきゃいけないんじゃないかとか。あとレコード会社によって句読点の位置が違ったり、平仮名にするところや漢字にするところが違ったりするから、あらゆるレコード会社の8cm CD画像を撮って確認したんです。

和恵:最終的に、CBSソニーとEPICソニーの製品をフォーマットにして、実際に印刷されてる当時のフォントに近いものを選んで、文字間や比率とかもめちゃめちゃ細かく調整しました。四角い枠とかも、印刷で潰れていそうな質感を出すためにエッジをわざと丸くしたりとか。

ミッツ:これを見て「文字が違う」とか、文句を言ってくる人はいないと思うけど(笑)。たまたま同じ事務所の先輩のゴールデンボンバーが10年ぐらい前に(8cm CDを)出してたんですよ。だからそれも参考にしつつ作りました。

和恵:私がデザインを担当して、ミッツさんはいわゆるクリエイティブ・ディレクター的な感じで。

ミッツ:その間メイリーさんは何やってたの?

メイリー:今の話、初めて聞きました(笑)。すごいこだわりですね。

一同:(笑)。

メイリー:もちろん個人的には短冊CDへの思い入れもありますけど、当時は学生でお金がなかったから、レンタルCDと短冊CDが同じ記憶にある感じです。

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事前に二人でぐるぐる歩いてロケハンしたんです(和恵)

――まさかジャケット内のデザインにそこまでこだわってるとは思わなかったんですけど、表1のデザインについて訊かせてください。ウェディングドレス姿は、以前ツアーでも披露されていますよね。今回はどんなコンセプトなのでしょうか?

和恵:これも、ミッツさんの頭の中にイメージがポツポツとあったんです。まずロケーションを工業地帯にしたいっていうことで、事前に二人でぐるぐる歩いてロケハンしたんです。

――〈⾬の13号地で〉という歌詞も関係しているわけですか。

ミッツ:それもありましたね。13号地(お台場エリアの埋立地は「13号地」と呼ばれていた)を入れたくて、それこそ私が郷太さんに頼んで入れてもらった言葉なんです。要は夜明けに情事を終えて男に捨てられた曲なんですよ。私はご当地ソングが好きなので、歌に使われてない地名はなんだろうなと思って、そこで13号地っていうのが音的にも良くて。それもあって工場地帯とか湾岸の感じを込めたくてこのロケーションで撮りました。

和恵:そこで何を着るかも、ミッツさんから提案があったんです。

ミッツ:捨てられて幻や蜃気楼を見ているのって、こういう感じじゃないのかなって。花嫁姿と工場地帯ってちょっとベタな気もしたけど、コントラストとしてはいいかなって。

メイリー:私、真っ白な衣装が好きなんですよ。やっぱりいいですよね。(ウェディングドレスは)私たちから一番遠いじゃないですか。それで最後も白い衣装着て死ぬんでしょ?

ミッツ:世間の同情を買うようなことを(笑)。


「蜃気楼」配信版ジャケット

――配信版の「蜃気楼」のジャケットも幻想的でこちらとはまた違った印象です。

和恵:それこそ本当に13号地を象徴するレインボーブリッジの写真を逆さまにしてデザインしました。あれはあれでちょっと不思議な、良い意味で不気味な感じがして好きですね。

ミッツ:配信用のジャケットなんか、作ってくださいって言われても、そこに情緒が全く湧かないんですよね。でも今の若い世代は、今後また音楽のプラットフォームが変わっていったときに、「配信のジャケットってこういう感じでさ……」みたいなこだわりが、私たちにとっての8cm CDみたいになるかもしれませんね。

――カップリングの「愛のミスタッチ (deep-in-the-night version)」は、1stアルバム『化粧室』収録曲ですが、今回取り上げた理由を教えてください。

ミッツ:実は、私が曲を作って中塚武さん(初期から星屑スキャットの作曲・編曲を手掛けている)にアレンジをお願いして、最初に出来てきた「初稿」がこっちなんです。アルバムに入れたものはもっとベタなユーロビートで、それこそWinkとかの時代感をイメージしたのですが、いつかちゃんと日の目を見せたいなと思っていました。お客さん人気も高い曲でもあるので。

――現在開催中の【クリスマスディナーショー2023】を経て、2024年はどんな活動をしていこうとお考えでしょうか?

メイリー:ディナーショーは、「興行をやらせていただいている」っていう感じがすごくて、新しい使命を感じて、お客さんに喜んでもらうことだけを考えて、やらせていただいています。冬はこの調子で皆さんにキラキラを与えていきたいと思ってます。2024年もいただいたものを一生懸命やるだけです。

和恵:ディナーショーはもう5年ぐらいやらせていただいて、今回は長野ホテルブエナビスタ(松本市)が増えて3都市での開催になりました。自分たちの活動の中で、冬はディナーショーっていうルーティンになってきているので、開催場所がどんどんと増えて冬の恒例ライブにできればいいなと思ってます。アルバムも1stアルバムから5年経っていて、そろそろ欲しいと思っている方もいるんじゃないかなと思うので、カバーとか録りためている曲もありますし、実現できたらいいなと思っています。

ミッツ:やっぱりみなさんディナーショーっていうと、もうとびきりのおしゃれをして来てくださるし、初日の松本も盛り上がって楽しかったです。私たちはショーが終わった後、必ず物販に立つんですよ。『蜃気楼』も札幌のディナーショーから販売します。クリスマス限定のグッズとかもあるから、年内に売り切らないといけないのでよろしくお願いします(笑)。2024年は、録り溜めている音源も少なくないので、ニーズとタイミングに合わせてアルバムも考えたいですね。年齢的なタイムリミットもあるし、そうそう時代もいつまでも私たちに付き合ってくれないっていうのもあるので、もったいぶらずにやらなきゃなって。肉体的な老化に抗いながら、でも「頑張ってる3人が好き」みたいなことは死んでも言われたくないので。「大丈夫、大丈夫」みたいなことを言われたらおしまいだなって。あとは古き良き音楽業界の一端に私たちが常にいたいというのが願いです。作品のリリースもそうだし、興行もそうだし。2024年も是非、かまってください(笑)。

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