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<インタビュー>「これからの[Alexandros]の基礎になっていく気がする」感動の幕張ライブを振り返る



[Alexandros]インタビュー

 6月から【ALEATORIC TOMATO Tour 2021】を開催中の[Alexandros]が、彼らのひとつの区切りとも呼べるライブ【[Alexandros] 10th ANNIVERSARY LIVE at 国立代々木競技場 第一体育館 “Where’s My Yoyogi?”】を収録した映像作品『“Where’s My Yoyogi?” at Makuhari & Documentary』をリリースする。このライブは、ドラマー・庄村聡泰の勇退ライブでもあり、長年サポートとしてバンドを支えてきたリアド偉武が正式にバンドに加入する前の大きな晴れ舞台でもあったことから、メンバーそしてファンにとっても忘れられない2日間だったことだろう。彼らの活動を語る上では外せないライブ定番曲から新曲「閃光」まで、新たな決意をファンに表明した興奮と感動が詰まったライブの裏側とこれからを、4人に直撃した。

 左から:リアド偉武(Dr.)、磯部寛之(Ba./Cho.)、川上洋平(Vo./Gt.)、白井眞輝(Gt.)

――映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の主題歌「閃光」が、リリースから3か月が経とうとしている今でも、ダウンロードを筆頭に好調らしく。[Alexandros]の新たな代表曲になりそうですね。

川上洋平:嬉しいですね。でも、あんまり気にしていないです。うちらは基本自分たちの好きなことをやっていて、それを気に入ってもらえたときもあれば、そうじゃなかったときもあって……の繰り返しだから。今回好調なのはよかったけど、(デビュー曲の)「For Freedom」の頃から心持ちは変わっていない。ただ、リアドが入って最初の曲が「閃光」でよかったとは思いますね。4人の音だけで作った曲なので、いい名刺になったなと。

――ミュージックビデオのコメント欄にはガンダムファンからの声も多く、「映画館で聴いて感動が増した」という感想や、歌詞の考察も見受けられます。でも川上さんはインタビューでも「こういう意図でこうした」と語らないですよね?

川上:語らないですね。

――そこはやはり、美学のようなものがあるのでしょうか?

川上:美学というほど高尚なものではないですけど、語らないで伝えるのが面白いし、それが音楽の良さだと思っているので。でも考察してくださった方が、こちらの意図とは違うことを考えたとしても、それはそれで素敵だし。「予告編でこう思ったけど、映画館で聴いて好きになりました」というのは、その人の感情の揺れで印象が変わったということだから、「音楽ってそういうもんじゃん」と思うし。そうやって受け取ってもらえたんだったら、この曲を作った甲斐があったし、ちゃんと生き物としてリリースできたんだなとは思いますね。


――「閃光」の勢いが止まらないなか、3月に行われた幕張公演の映像作品がリリースされました。今振り返ってみて、どんなライブだったと思いますか?

磯部寛之:1年ちかく延期になって、会場も変わった末の開催だったので、「やっとできた!」という感覚が強かったです。サトヤスの勇退も1年延びちゃったんですけど、それが奇しくも彼の誕生日に被るという(ライブ2日目の3月21日)。不思議な縁を感じるライブでもありました。

白井眞輝:庄村が最後の日ということで、ああいうセレモニー的なことを行えてよかったですよね。延期してでも有観客にこだわったのは、彼をちゃんと送り出してあげることがお客さんにとっても大事なんじゃないかと思ったからで。そういう場を作れたのは、お互いにとってよかったなと。だからこそ、リアドがちゃんと入ってこられたというのもあったかもしれないですしね。

川上:リアドがサポートとして叩く最後のライブでもあったんですけど、すごく頼もしく思えました。2日間終えて「この人はもううちのバンドの人だ」と思ったので、ステージから降りてくるとき(両腕を広げて)「Welcome aboard!」って迎えて。

リアド偉武:あれは嬉しかった(笑)。サトヤスの最後の日ということで責任も感じていたんですけど、「自分がやれることを全部出せばいいのかな」とも思って。結果的にすごくいい日になったと思いますし、サトヤスが「Untitled」を叩くことになって、それを近くで観られたのもよかったです。

――近くで観てどう思いました?

リアド:やっぱりドラミングがカラフルだなと。曲に表情を与えるし、観ていて楽しい。いいドラマーだなと改めて感じました。

磯部:俺、あの日イヤモニから聞こえてきたサトヤスのキックは、一生忘れないと思う。

川上:ね。サトヤスのドラムって、シンバルとかの金物系が強いんですよ。だから意外とバスドラが弱くて、俺が「もっと出して」と求めることもあったんですけど……でもあの日は、しっかり鳴らそうとしていて。右足が動かない疾患なので、本当はもう踏めないはずなんですよ。だから振り絞っていたんだと思いますよ。カッコよかったです。……これ未だに憶えているんですけど、彼が違うバンドにいた頃、そのバンドの他のメンバーが目に入らなかったんですよ。

――ずば抜けて輝いていたと。

川上:そう。リアドが言った通り、本当にカラフルだったから。初めてスタジオに入ったとき、「ここからうちら絶対カッコよくなるな」と確信したんですけど、何かそのときを思い出しましたね。ここまで信じてきてよかったな、やっぱり正解だったわって。ただ、(「Untitled」を演奏した)センターステージってめちゃめちゃ集中しないと音がズレるんですよ。それで俺が目をつむっていたら、「洋平さん、泣くのこらえている」と思った人もいたみたいで(笑)。

――まあ、そう見えるかもしれないです(笑)。お客さんが声を出せないなかでのライブでしたが、「寂しくなると思ったけど、そんなことなかった」と仰っていましたよね。

磯部:(観客の)熱量はしっかり感じたし、声が出せない=楽しんでないというわけではないと分かったので。1席空けでも、ステージからだと意外とバーッと手が上がっているように見えるんですよ。「幕張で5,000人というのは逆にレアだな」なんて思いながら、そういう環境でも楽しめましたね。

――シンガロングは起こらないと承知の上で、これまで通りお客さんにマイクを向けていたのも印象的でした。そのスタイルになったのは――

川上:いや、そんなプランなんて立てないですよ。これはコロナ関係なくですけど、お客さんがどんな服を着てくるのかも当日まで分からないし、MCも決まっているわけじゃないし。全てステージで判明します。それがライブの楽しみなところですよね。

磯部:そういう洋平を見て、メンバーである俺も、あときっとお客さんも、「もっとやったれ!」となるというか。それでまた会場のボルテージが上がっていくのもライブっぽくて好きですね。

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音と同じくらい、視覚演出にもこだわる
このやり方がこれからの[Alexandros]の基礎になっていく気がする

――庄村さんを送り出して終演ではなく、当時リリース前の新曲だった「閃光」を演奏して去るのが[Alexandros]らしいなあと思いました。

川上:その時点ではガンダムの予告にまだ「閃光」が使われていなかったから、(『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』企画・制作の)サンライズさんにもお伺いを立てたんですけど、「いいですよ」と快く言ってくれて。

磯部:ベスト・アルバムのライブ、かつサトヤス勇退の日だったから、「完結した」という印象を持たれやすいんだろうと思ってはいて。でも、そうじゃないということを、「閃光」という勢いのある曲で以って示せたのは、すごく気持ちよかったです。

川上:俺、ここで一番緊張したんですよ。「Untitled」が終わったあと、泣いているお客さんも多かったから、「ここで間違えたらヤバい」と思って。

――新曲なら間違ってもバレないのでは?

川上:いや、そうなんだけど、こうやって映像化されるじゃないですか。あとから「洋平さん間違っとるやん」と思われるのは嫌だなって(笑)。

磯部:そんな洋平の横で申し訳ないですけど、俺は「誰も知らない曲だし」ぐらいの気持ちで楽しんでました(笑)。収録が入っているのも意識の外にあったので。

――性格の違いが出ますね(笑)。そのほかに、ライブ当日の裏話はありますか?

川上:1日目が終わったあと、俺が映像チームの人にブチ切れました(笑)。でも、2日目は完璧でしたね(親指を立てながら)。

白井:「閃光」の最後の締めのタイミングで、バンドと映像が同時に終わるんですよ。俺らが変に音を伸ばしちゃうと映像が台無しになるし、映像チームは、クリックも鳴らしていない俺らの音に合わせなきゃいけないし。俺はそこで一番緊張したんですけど、多分リアドも緊張したと思う。

リアド:(頷く)

磯部:映像の人はリアドの動きを見ているからね。

白井:それに、前日に洋平が映像チームとケンカしたから、2日目は特に「絶対ミスんなよ!」みたいな……(笑)。

川上:ははははは!

白井:ラスト1秒にいろいろなものが集約されています(笑)。

――でも、そういう映像演出が、現在開催中の【ALEATORIC TOMATO Tour 2021】の布石になっていた気がしますね。

川上:そうですね。照明含め、視覚的な演出との掛け合いというのは、幕張から始まっていたのかな。ライブに来た人は、音だけではなく、映像や照明も含めて観ているわけじゃないですか。だから、音と同じくらい、視覚演出にもこだわってみたらいいんじゃないかという話になって。俺はそもそも映画好きなので、このやり方がこれからの[Alexandros]の基礎になっていく気がしますね。

――思えば、幕張からまだ4か月しか経っていないんですよね。

白井:今は今で濃密な日々を送っているし、映像を見直しても自分は髪色が違うのもあって、すごく遠い日のように感じていて。今も3人が喋っているのを聞いて、「ああ、そうだった」と思い出しながら話していました。

――その感覚は分かります。私は現行のツアーの横浜公演を拝見したんですけど、次の日にこのDVDを観たら、いい意味でギャップを感じて。既に幕張からかなり進化していたので、ものすごいスピード感で生きているバンドなんだなと改めて思いました。

川上:幕張が終わって、さあツアーだと言っても、「どういうテーマのツアーなんだろう?」と感じた人もいると思うんですよ。だけど今、「ライブという一つの生命体を楽しんでいこうよ」というツアーができていて。昔の曲も新曲みたいな感覚でやれているし、リアドを迎え入れて、いいスタートを切れていると思います。だから今、すごく楽しいですよ。自分たちも楽しいし……うちらのお客さんって、暴れる人も大人しく観る人もいるんですけど、どっちも楽しめるライブになっていると思う。しかも今はZepp規模でそれをやっているから。この感じを横浜アリーナ、武道館に持っていけるのが楽しみですね。

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