Billboard JAPAN


Special

今後の音楽シーンを担うアーティストを発信 【BOOM BOOM BOOM LIVE vol.1】ライブレポート



TikTok

 スペースシャワーネットワークとuP!!!による、今後の音楽シーンでブームを巻き起こすアーティストを紹介する新プレイリスト「BOOM BOOM BOOM」がスタートし、プロジェクトの一環として、無料配信ライブが10月29日に開催された。

 「BOOM BOOM BOOM」は2020年8月からスタート。「何曲しってる?次のブームをつくるオト」をコピーに、ストリーミング12サービスで今後の音楽シーンを先取りできるプレイリストで、YouTubeとスペースシャワーTVにて新番組『BOOM BOOM BOOM ch. 』もスタートし、横断的に新人をレコメンドしていくというものだ。さらに、新人アーティスト応援企画「STARTERS MATCH」もスタート。配信ライブ【BOOM BOOM BOOM LIVE vol.1】には、本企画で選ばれた上位3組、kobore、yonawo、神はサイコロを振らないが登場。イベント後半にはゲスト・アーティストとしてXIIXとSKY-HIが登場し、番組の司会も務める俳優の小関裕太がMCとして出演した。

 トップバッターは東京・府中を拠点とする4人組バンドkobore。冒頭曲「幸せ」では、佐藤赳(Vo, Gt)の突き抜けるようなハイトーンボイスが、疾走感あふれるバンドサウンドの上で、狂おしいほど切ないメロディを歌い上げる。続く「HAPPY SONG」は、ザ・バーズやREMを彷彿とさせるkobore流のフォークロック。甘酸っぱいギターのアルペジオが会場いっぱいに鳴り響いた。

 「今日にぴったりの曲をやります」との紹介で演奏されたのは、今年リリースされたアルバム『風景になって』に収録された、「夜に捕まえて」。“今すぐ窓際に吹いた風に乗って 君が会いに来てくれるといいな”と歌うこの曲は、ステイホームでなかなか逢えなくなってしまった大切な人を思いながら、しんみりと聴きたくなるラブソングだ。そして最後は一転、轟音ギターと美しいメロディが溶け合う「ヨルノカタスミ」を披露。「ライブハウスで会いましょう」と佐藤が視聴者に呼びかけステージを後にした。




 続いて登場したのは福岡出身の4人組yonawo。荒谷翔大(Vo,Key)と野元喬文(Dr)がステージの両端で向かい合い、2人に挟まれるように斉藤雄哉(Gt)と田中慧(Ba)が横一列に並ぶユニークなフォーメーション。冒頭曲「ijo」では、荒谷の艶かしいボーカルと斉藤のジャジーなギターが混じり合いながら、少しずつ熱量を上げていく。

 続く「矜羯羅がる」では、“矜羯羅がる”とリフレインする荒谷のワードセンスと、抑制の効いたアンサンブルによって、彼らにしか出せない緩やかかつ芯のあるグルーヴを展開。最後は荒谷と斉藤がポジション・チェンジを行い(「席替え」と言っていたのが微笑ましかった)、11月11日にリリースされるファースト・アルバム『明日は当然来ないでしょ』から、自らの地元を歌ったその名も「天神」を披露した。




 3組目は、「STARTERS MATCH」で1位に輝いた神はサイコロを振らない。「パーフェクト・ルーキーズ」「揺らめいて候」など、神サイの中でもアグレッシヴな楽曲を立て続けに披露し、「俺たちはバラードばっかり歌っているわけじゃない」というメッセージを明確に打ち出した。かと思えば「胡蝶蘭」では、メロウでソウルフルなミドルバラードへと変貌。美しくエモーショナルなメロディを切々と歌い上げていく。

 「どうかこの曲が、世界中の誰かの孤独をひっそりと照らしますように」

 そう柳田周作(Vo)が紹介し、しんと静まり返った深夜の空気を封じ込めたような「夜永唄」を披露。そして、「僕ら史上最も平和で暖かくグッとくるような最新曲をやりたいと思います」との挨拶とともに、映画『リトル・サブカル・ウォーズ 〜ヴィレヴァン!の逆襲〜』の主題歌でデジタルリリースされたばかりの最新曲「目蓋」を演奏し始めた。途中、感極まったのか柳田が泣きながら熱唱していたのがとても印象的だった。終演後は「STARTERS MATCH」の1位に輝いた彼らに、MC・小関裕太からトロフィーが贈られた。




 イベントの後半、ゲスト・アーティストの1組目として登場したのはXIIX。UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介(Vo, Gt)と、ARDBECKのメンバーとして活躍する元U&DESIGNの須藤優(Ba)により結成された2人組ユニットである。同期させた打ち込みのトラックに乗せて、並んで立つ斎藤と須藤がそれぞれエレキギター、ベースギターを演奏するという極々シンプルなスタイル。「E△7」ではスタイリッシュかつメロウなコード進行の中で、齋藤による艶かしいハイトーン・ボイスがメロディを紡いでいく。

 同じく軽快な曲調の「LIFE IS MUSIC!!!!!」を挟み、「ilaksa」ではクロマティックに進む鋭利なギターカッティングに、オートワウをたっぷりとかけたエグ味のあるベースラインが絡んでいく。さらに「Stay Mellow」では、斎藤がキレッキレのラップを披露し、視聴者からは「こんなラップっぽい曲まで歌うのか、これは反則」とのコメントも挙がっていた。




 そして、この日の大トリを飾ったのはSKY-HI。オープニングの「何様 feat.ぼくのりりっくのぼうよみ」からフロスロットルのパフォーマンスで観る者を圧倒していく。緩急自在のラップとトラックのリズムが完璧にシンクロし、進んでいく様は見事というほかない。

 そのまま「Doppelgänger」「Sky's The Limit」へと間髪入れずに雪崩れ込み、前半の張り詰めていた緊張から一気に心を開放させていく。「今日は出番がラストだし、明るい曲もやらなきゃね」と言って繰り出されたのは、「マイケル・ジャクソンとプリンスがもし天国でコラボをしたら……?」などと妄想をかき立てられる、きらびやかでファンキーなポップチューン。サビで訪れる高揚感が、ライブハウスの隅々まで満ちていった。

 「20代、30代は辛いことだらけで、『あの時ああいう大人がいてくれたらなあ』と思っていた一人に今の自分がなれていたらラッキーだと思っているし、俺には『あの頃の俺』みたいなお前がいて、共に人生を歩けていること幸せに感じてるぜ。紹介します、Novel Core!」という粋な紹介に導かれ登場したNovel Core。彼の代表曲である「SOBER ROCK」を共に歌ったSKY-HIは、さらに疾走感と哀愁が入り混じる「Snatchaway」を披露し、この日の全ての演奏に幕を閉じた。




 なお、スペースシャワーTVにて12月25日のクリスマスに、イベントのダイジェスト版を60分の特番としてオンエアされることも決定。 そして今後の音楽シーンでブームを巻き起こすであろうアーティストの楽曲を厳選してお届けするマンスリープレイリスト「BOOM BOOM BOOM」の11月分が、ストリーミング12サービスにて公開。神はサイコロを振らない「目蓋」、yonawo「rendez-vous」をはじめ、今聴くべき25曲がピックアップされている。神はサイコロを振らないとyonawoは、11月6日(金)にYouTubeで生配信されるレギュラー音楽番組『BOOM BOOM BOOM ch. #3』にもゲストとして登場する。

関連キーワード

TAG