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FMfanのアーカイヴであの時代にタイムスリップ!タイムマシーン特集

ポップスからクラシックまで幅広いジャンルを網羅した音楽情報とオーディオ関連の記事で人気を誇ったFM情報誌「FM fan」のアーカイヴを一挙公開。伝説のライヴリポートや秘蔵インタビューなど、ここでしか見ることのできない貴重なコンテンツ満載!

TOPICS - 1996※当記事の著作権は全て株式会社共同通信社に帰属します。

メタリカ

束縛から解き放たれ自由に楽しく
No.14

メタリカ
Photo: Redferns

 全世界で1500万枚を売った『メタリカ』から約5年。ヘビー・メタル界の頂点に立つバンド、メタリカがついにニュー・アルバム『ロード』を発表した。デビュー以来のバンドのロゴを変え、サウンド的にも野心をむき出しにして“変化”という領域に大きく足を踏み出している。
 「今まであまりにも頑固過ぎた。メタリカはこうあるべきだという考えを主軸にバンドはコントロールされ過ぎていたのかもしれない。レコーディング前にメンバーで話し合い、僕はさまざまな意味で他人を受け入れることの重要性を悟った」
リーダーのジェームズ・ヘットフィールドはニュー・アルバム制作前にバンド内部に起きた変化をこう語っている。
 メタリカはそのジェームズとラーズ・ウルリッヒが結成したバンドであり、2人がバンドを運営してきた。彼らの頭の中にはメタリカの方向性が明確に映し出され、他の2人のメンバーはジェームズとラーズの要求通りに動くことで、メタリカはメタリカとしての個性を際立たせてきたのである。
 その徹底的に鍛え抜かれた演奏力、センスは、前作の『メタリカ』で集大成として具現化され、寸分の狂いのないリズムや細かい表現力は、卓越した力の素晴らしさをファンに知らしめることになった。しかし、約5年間に彼らは着実に成長し、ジェームズは「寛大さを身につけた」と言っていたが、ジェイソン・ニューステッド、カーク・ハメットの意見も取り入れて、“メタリカはこうあるべき”という約束事から脱却し、失敗を恐れずに、新しいことを試すチャンスに向かって大きく一歩を踏み出すことを決意したのである。

進歩を追及しない音楽は飽きられる
 メタリカというバンドの醍醐味であるライブのフィーリングを大切にし、正確無比な演奏力ではなく、より人間的な温かい演奏力を前面に押し出し、そして、メンバー自身がその演奏を心から楽しむこと・・・・・・。これがニュー・アルバムのテーマだった。
ジェームズは「そのすべてがレコーディングで実現できた段階で、このアルバムはわれわれにとっての成功作となった」と語っているが、彼らの自由奔放なプレイは過去のどのアルバムにも感じられなかったものであり、束縛から解き放たれた楽曲もまた幅広い間口を持つことになった。サザン・ロックの要素まで加味し、しかも、ヘビー・メタルにロックン・ロールのAのキーを持ち込んだ曲作りなど、とにかく、シリアス一辺倒だったメタリカの音楽性に“Fun(楽しさ)”が姿を現した。
 「音楽だけではなく、生きることへの執着心でもある。旅行にでかけるにしても同じ土地じゃだめなんだ。生きているんだったらいろいろなことに挑戦するべきだと思う。その方が絶対に面白い。バンドにしても同じさ。失敗を恐れずにチャレンジした方が楽しいに決まっている」と、ラーズ・ウルリッヒは語り、一方では現代ヘビー・メタルの抱える病巣を鋭い視点でこう指摘した。
 「日本のことはわからないけど、世界中で“ヘビー・メタルは進歩がない”と言われている。その理由はヘビー・メタルを変えようのない音楽ジャンルとしてだれも新しいヘビー・メタルを追求しないからなんだ。“いつまでたっても相変わらずの “ヘビー・メタル”に世界中が飽きているんだ。だから“変えよう”とする意思は大切だ。でも、故意ではだめだよ。自分のおもむくままに、が、いいんだ」
 このメタリカのニュー・アルバム『ロード』における劇的“変化”に多くのファンは驚きの声を上げるだろう。しかし、天文学的なセールスを記録した前作とまったく異なった方向性のアルバムを制作したというのはさすがメタリカである。だれも真似はできない。自信があり、そして、プライドがある。

(インタビュー・文/伊藤政則)

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ブライアン・アダムス

映画用とロック用と二つの顔があるんだ
No.15

ブライアン・アダムス
Photo: Getty Images

 「僕はね、パブリックイメージってやつを信じていないんだ」このところ映画主題歌の仕事(「ロビン・フッド」、「三銃士」、「ドン・ファン」)が続き、すっかりバラードづいていることを聞くと、ブライアン・アダムスは笑いながら、こう話し始めた。「よく言われるんだ。バラード・シンガーとしてのイメージが定着することに不安はないかってね。でも、全然、気にしていないよ。イメージなんて、しょせんは日がわりで変わるものだろ?今日は最高、でも明日は最低と言われる。そんなことに振り回されたくない。風向きを心配してもしょうがないのさ。映画の仕事とロックン・ローラーとしての僕は別なんだ。いわばキャリアがふたつあるようなものなのさ。ラッキーなことにね」そのロックン・ローラーとしてのブライアンこそが、多くのファンが待ち望んでいたものだったのだが、前作から5年を経て、ようやく新作「18・ティル・アイ・ダイ」が発売になる。「この5年間、けっこう忙しくしていたんだよ。別に浜辺でノンビリと寝転がっていたわけじゃないさ。 最初の3年間はツアー、そして映画の仕事、ベスト・アルバムも出したしね。新作用に曲作りを始めたのは94年。はじめはジャマイカで、その後は南フランスでレコーディング作業を進めたんだ。すごく良い環境の中で、時間をかけて良い作品ができたと思う」その新作『18・ティル・アイ・ダイ』はタイトルどおり、実に元気のいいロック・アルバムに仕上がった。「曲作りに時間をかけるのは大切なことだ。曲を書こうと思えば毎日だって書けるけど、質の高い曲じゃなくちゃ意味がない。だから出来が悪くて納得できないものはドンドン切り捨てて、本当に良いと自分で思えた曲を厳選したつもりだ。僕のファンも5年間、待ったかいがあると思ってくれるはずさ」

●みんな本当は大人になんかなりたくない
 自信満々でこう語るブライアンは今、大きな仕事をやり終えた後の開放的な気分だそうで、すこぶる機嫌がいい。80年に正式デビューを飾り、そのキャリアは16年にもなるというのに、どこか生意気なティーンエイジャーのような印象は、全然、変わらない。新作のタイトルが「死ぬまで18歳」だというのも、いかにもブライアンらしい。
 「このタイトルには“いつも自由であれ”という意味を込めたんだ。自由という言葉を使わずに自由を表現したんだよ。常に心を開き、内面の自由を大切にしたいんだ」
 でも、人間として成長するのも悪くはないのでは?
 「そうかな?子供のころ、親から“成長しろ”“もっと大人になれ”とだれでも言われたと思うけど、皆、本当は大人になんかなりたくないはずさ。子供のころの自由な遊び心を持ち続けたいはずだよ。このタイトルは、そんな心の比喩なのさ」現在36歳のブライアンだが、その音楽に流れるユーモアのセンスと、若々しくストレートな感覚は彼ならではの持ち味だ。シリアスに考え込む音楽は好きになれないと言う。最近のバンドでは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズが気に入っているというのも、彼らの音楽にはユーモアのセンスとエネルギーがあるからだそうだ。今回は、新作のプロモーションで短い滞在だったが、クリスマスごろにはコンサートで戻って来たいそうだ。新しいツアーは5月のドイツ公演を皮切りにヨーロッパから始まる予定だ。「不思議だよね。18歳の時にA&Mとレコーディング契約を結んで、新作のタイトルが“死ぬまで18歳”なんだから・・・・・・」こう言って笑う笑顔は、いかにも屈託がなく明るい。彼なら本当に“死ぬまで18歳”のままでいられるかもしれない。

(インタビュー・文/東郷かおる子)

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アトランタ五輪閉会式の感動をもう一度

ニュースな音楽  TV / CM / CINEMA-WATCHING
No.19

 アトランタ・オリンピックが終わった。時差の関係で寝不足になった人も多いと思う。それぞれ感動したシーンは違うでしょうが、やはりアメリカ色が強く打ち出された開会式、閉会式が印象的だった。開会式はまだグラディス・ナイトが「我が心のジョージア」を歌い、セリーヌ・ディオンがデヴィッド・フォスターのピアノ演奏をバックに、「パワー・オブ・ドリームス」を熱唱したぐらいだったが、閉会式は実に盛りだくさんだった。ボーイズ・Ⅱ・メンがアメリカ国歌を歌い、続いてグロリア・エステファンがアトランタ・オリンピックの公式賛歌「リーチ」を披露した。“より高く、より強く”と歌うこの曲は、個人的にも大好きで、特にグロリア・エステファンが瀕死の交通事故を乗り越えて、今いると考えると、本当に感動的で、極限を越えて力を出しきるオリンピックにピッタリの曲だと思う。白いドレスに身を包み、鍛えた腕を高く掲げて歌うグロリアは、とても美しかった。もちろん、「イマジン」を歌ったスティーヴィー・ワンダーも感動深かったけれど・・・・・・。ちなみに「リーチ」は、アトランタ・オリンピック公式アルバム『リズム・オブ・ゲームス』と彼女の最新作『デスティニー』に収録されている。閉会式に続くイベントは、まさにゴージャス。グロリアの伴奏をシーラEと、ティト・プエンテが務めたり、ポインター・シスターズ、B・B・キング、リトル・リチャード、フェイス・ヒルらがそれぞれのヒット曲を演奏したり、そして、忘れてはいけません布袋寅泰も頑張っていました。

(文・服部のり子)

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THE 1996 MTV VIDEO MUSIC AWARDS

ニュースな音楽  TV / CM / CINEMA-WATCHING
No.19

THE 1996 MTV VIDEO MUSIC AWARDSPhoto: FilmMagic

 今年で13回目を迎える「MTVビデオ・ミュージック・アワード」の授賞式が9月4日夜にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで行われる。この模様はMTVジャパンの衛星中継でリアル・タイムでみることができる。
先ごろノミネートが発表されたが、注目されるのは、「アイロニック」で、ベスト・ビデオ・オブ・ザ・イヤーなど5部門にノミネートされたアラニス・モリセットと、「トゥナイト・トゥナイト」で、同じくベスト・ビデオ・オブ・ザ・イヤーほか8部門にノミネートされたスマッシング・パンプキンズが、いくつの栄誉を手にするかというところ。

 また、当日はメタリカ、スマッシング・パンプキンズ、オアシス、ブッシュなど豪華な顔ぶれがパフォーマーとして登場することも決定している。主なノミネートアーティストは以下のとおり。

■ベスト・ビデオ・オブ・ザ・イヤー
ボーン・サグスン・ハーモニー / フー・ファイターズ / アラニス・モリセット / スマッシング・パンプキンズ
■ベスト・メール・ビデオ
ブライアン・アダムス / ベック/ クーリオ / R・ケリー
■ベスト・フィーメール・ビデオ
ビョーク / トレイシー・チャップマン / ジュエル / アラニス・モリセット
■ベスト・グループ・ビデオ
ボヒン・サグスン・ハーモニー / フー・ファイターズ / フージーズ / フーティ&ザ・ブロウフィッシュ

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ニュー・エディション

ソロ活動でも成功したけどグループとして成しとげたい夢もある
No.20

ニュー・エディション
Photo: Redferns

●ソロ活動はすべてのことがプラスになった
 待ち続けるということは、時間が経つにつれて忍耐力及び精神力との戦いの中で、つらい時を過ごさなければならないのだが、費やされた時間の中で生まれ出て来るものは生涯において二度と出合えないものである。ついに完成したニュー・エディションのリユニオン・アルバム『ホーム・アゲイン』は、まさにこの言葉どおりの大作と言える。
 88年にリリースされた前作『ハート・ブレイク』からは8年という長い年月が経過。その間にボビー・ブラウン、ラルフ・トレスヴァント、ジョニー・ギルの3人は、ソロ・アルバムを発表、マイケル・ビウンズ、リッキー・ベル、ロニー・デヴォーの3人もベル・ビヴ・デヴォーという別グループを結成してアルバムをリリース、われわれが待ち望んでいたリユニオンとはまったく反対の方向へと進み、さらにはそれぞれがミュージック・シーンにおいて大成功を収めていただけに、もう再びニュー・エディションとしての再結成はないのではないかという不安や、解散説までが流れるという8年間。
 しかしその不安とは裏腹に、「ニュー・エディションのメンバーと離れて各自が活動をしていたけど、またニュー・エディションをやるという気持ちは常に待ち続けていたんだ。ソロとしてのキャリアを積みながら心の奥底にはいつもニュー・エディションとしてスタートした時から僕らにはグループとしての夢や、成しとげたいと思っていた目標があったけど、すべて達成したわけじゃなかっただけにニュー・エディションのことはいつも頭の中にあって、またニュー・エディションをやりたいと思っていた。各自がソロ活動をしていたことで、ニュー・エディションという名前も当時より知名度が高くなったし、もちろんレベルも高くなったので、すべてのことがプラスになったと思うよ」と、今までの不安をいっぺんに吹き飛ばしてくれた。

●アルバムに続いてツアーもスタート
 リユニオン・アルバムのレコーディングは、94年の夏からスタートし、6人が集まって最初にレコーディングした曲は、新進気鋭のプロデューサー、シルキー&ディンキー・ビンガムによる「DON'T JUMP」(アルバム未収録)だったという。シルキー&ディンキー・ビンガムのコンビは、マイケル・ビウンズが設立したBIV 10レコードの新人グループ、サブウェイを手掛けた実績を持ち、今回の起用もマイケルのアイデアで、『ホーム・アゲイン』からの記念すべきファースト・シングル「ヒット・ミー・オフ」も、彼らのソングライト及びシルキーのプロデュース。
 「ファースト・シングルだからって有名な人を起用しなくてはいけないっていうこともないだろう。今回のアルバムのプロデュースをやりたがってた人たちはたくさんいたけど、僕らは2人を選んだんだ。すごくいいものを持ってるよ。これから彼らはブレイクするだろうね」とマイケルが語るようにニュー・ファンクとも言えるざん新なサウンド・スタイルは、今後新たなるフォロワーを生み出し、一つのムーブメントを確立するだけのポテンシャルを秘めている。
 プロデューサー陣にはこのほかに、ニュー・エディションだけではなく、それぞれのソロ作品でもおなじみのジミー&ジャム&テリー・ルイス、メアリー・J・ブライジやノトーリアスB.I.Gのサウンド・クリエイターであり、バッド・ボーイズ・レコードの創立者でもあるショーン・〝バフィ〝・コムズと、彼の片腕として活躍するチャッキー・トンプソンのコンビ、そして最近ではマライア・キャリーをも手掛けたジャーメイン・デュプリーとパートナーのカール・ソー・ロウ、さらにはバラードには定評があるジェラルド・レヴァート&エドウィン・ニコラスといった豪華な布陣で固められ、ニュー・エディションのリリースに合わせてツアーも予定され、新旧のヒット・ナンバーを織り交ぜての盛大なショーが期待できるだけに、日本でのコンサートが待ち遠しい限りだ。90年代を締めくくるモンスター・アルバム、それが『ホーム・アゲイン』である。

(インタビュー・文/鈴木しょう治)

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ジャーニー

全盛期のメンバーで堂々の復活!
No.16

●自分が信じる音楽に忠実に
 長い休息であった。そしてだれにもそれが本当に休息なのか、永遠の活動停止なのか分からなかったのである。正式な再結成、そしてニュー・アルバム完成の報を耳にしても夢のような気持ちのままであった。しかし到着した10年ぶりの新作『トライアル・バイ・ファイア』を耳にすれば、80年代にロックを聴き始めた人々が、彼らの帰還を実感し、再びその旅に加われることに感慨深いはずだ。
 アルバムは実に彼ららしい。活動休止期間がまるでうそのようである。紛れもない。ジャーニーが帰ってきたのだ。世界先行発売。日本でとりわけ絶大な人気を誇っていたバンドにふさわしく、ボーナス・トラックも収められていて『トライアル・バイ・ファイア』は、秋の最有力商品としてマーケットの話題を独占。
 ところがメンバー、とりわけリユニオンの鍵を握っていたスティーヴ・ペリーがなかなかつかまらない。発売直前の10月半ば、ようやくサンフランシスコにいる彼と電話での取材に成功した。10年前の解散。そうして再会。過去と現在と未来についてスティーヴ・ペリーは語る。
 「アルバム『レイズド・オン・レイディオ』のツアーは、そんなつもりはなかったのに結果的には最後のものになってしまった。絶えずコンサートを続けて10年いっしょにいたんだ。シーン全体の状況も変わってしまった。外部のソングライターも雇って、売れるレコードをだれかにプロデュースしてもらう……それはもうバンドではない。自分が信じる音楽に忠実でいたかった。だから僕は先にメリーゴーランドから飛び降りることにしたんだ」

●ライブこそが最大の魅力
 燃えつきてしまったスティーヴは一時本気で音楽界からの引退を考える。さらに、ようやく発表したソロ第2作のツアー中に、今度は健康を害し休養を余儀なくされた。しかし、バンドに戻るきっかけはこの時に生まれた。
 「潮時かな、と思った。肺気腫を克服した後、何も予定を考えずにいたけど、ソロ・ステージで歌っていた5曲のジャーニーのレパートリーが、もう一度バンドに戻れたらいいなぁという気分にさせてくれたんだ。再びジャーニーのリード・ボーカルになることを自分自身に許す――それはとても強烈な気持ちだった」
 再結成は決意したスティーヴがジョナサン・ケインに電話をかけたことから具体化する。
 「昨年の6月だ。ふたりだけで会ってね。夢について話し合ったよ。話題集めの臨時のリユニオンじゃない。ドラム・マシーンもシンクラビアも使わず、ライブの、本物のバンドのレコードを作りたかった。それこそが僕らのやってきたことだし、ラジオから流れてくる音楽だし、みんなが聴きたがっているものだ。何よりも自分たちらしいものなんだ」
スティーヴはその後ニール・ショーンにも電話をかけ、まず二人きりで会った。出ていったのは自分だから、自分から1人ずつに会うのがいいと彼は考えたという。
 ジャーニーは60年代末、ロックがもっとも刺激的だった時代に、きわめて創造性あふれる活動を展開していたサンタナから派生したバンドだ。70年代半ばまで卓越した演奏力によってプログレッシブなインストゥルメンタルのグループという側面も持ち併せ、高い評価を得る。スティーヴ・ペリーの加入後、よりポップに、よりタイトに変貌をとげ80年代に本格的な成功を収めた。
よい曲が書ける。すばらしいパワーとエモーションにあふれた歌唱。それを支えるスケール豊かな演奏。それらを殺人的なスケジュールで組まれたコンサート・ツアーを通してファンの心に直接届け、一歩づつスーパースターへの階段を登り続けた。ジャーニーのライブを見た者は、必ず彼らを誠実なバンドだと思う。だから、レコードを買い、次のライブを心待ちにする。彼らはそんなバンドだった。

(インタビュー・文/矢口清治)

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