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クラレンス・カーター名曲特集

クラレンス・カーター特集

 サザン・ソウルの至宝、盲目のR&Bシンガー/ギタリスト、クラレンス・カーター。大ヒット「スリップ・アウェイ」を収録したデビューアルバム『ジス・イズ・クラレンス・カーター』でシーンに登場して以来、77歳となった現在も活動を続けるソウル界の至宝。60年代初頭から太く、豊満な歌を武器にキャリアをスタートさせ、67年に名門アトランティックレコードからデビュー。「スリップ・アウェイ 」、「トゥー・ウィーク・トゥ・ファイト」、「バック・ドア・サンタ」などヒット曲を生み出し、のちに「バック・ドア・サンタ」はRUN D.M.Cにサンプリングされるなど、彼のソウルフルなサウンドは後世に大きな影響を残した。そして70年にリリースした「パッチズ」でグラミー賞ベストR&Bソングを獲得。作家の村上春樹も大学時代には毎日のように聴いていたという。以後、サザンソウルの至宝としていまなお活動を続ける彼が27年ぶりにいよいよ来日!全ソウル・ファン待望のライブを前に彼の足跡をこれで予習しておこう。

・公演日程:11月12日(火)・14日(木) ビルボードライブ東京

・ATLANTIC R&B BEST COLLECTION 1000

トップ・ソウル・シンガーへのステップ

シングルズ
「Tell Daddy」収録
『ザ・フェイム・シングルズ VOL1』
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 クラレンスは、1936年1月に南部アラバマで生まれた。1歳で視力を失いながらも、11歳でギターを独習、ジョン・リー・フッカーやライニトニン・ホプキンス、ジミー・リードが彼のフェイヴァリットとなる。同じく盲目のヴォーカリスト、カルヴィン・スコットとデュオ“クラレンス&カルヴィン”を組み、62年からプロのキャリアをスタートして、デューク・レコード(オーティス・ラッシュやO.V.ライト、ビッグ・ママ・ソーントンらが在籍)では4枚のシングルをリリースするものの不発。その後カルヴィンが事故により引退を余儀なくされコンビを解消することとなった。

 マッスル・ショールズ(特集『新・名盤探検隊』参照 http://www.billboard-japan.com/special/detail/566)にて、63年にFAME(Florence Alabama Music Enterprises)Studiosを独立させて運営を始めていたリック・ホールと出会い、当時ハイ、ゴールドワックス、スタックスなどなどスタジオ名を冠したインディーズ・レーベルが林立するなか、同様にフェイム・レコードから67年「Tell Daddy」(後にエタ・ジェイムズが「テル・ママ」と改題して再びヒットする)をリリースし、これがビルボードR&Bチャートで35位を記録する。同年終わりにアトランティック・レコードと契約し、鉄壁のフェイム・サウンドのバック・アップのもとヒット・シングルを連発、一躍トップ・ソウル・シンガーの仲間入りを果たすこととなる。

ビルボードHot100のトップ40位以内にチャート・インしたのは下記5曲。

クラレンス・カーター

Slip Away

「Slip Away」(68年 最高位6位)

Too Weak to Fight

「Too Weak to Fight」(68年 最高位13位)

Back Door Santa

「Back Door Santa」(68年 最高位4位)

Snatching It Back

「Snatching It Back」(69年 最高位31位)

Patches

「Patches」(70年 最高位4位)

 なかでも「Patches」は、UKでも最高位2位となり、発売後わずか2か月で100万枚を売り上げ、ゴールド・ディスクを獲得、71年のグラミー賞Best R&B Songに選ばれる最大のヒット曲となった。いずれの楽曲も彼の持ち味である声量有るバリトンの多彩な表現と、フェイム/マッスル・ショールズのシーンならではの土臭いリズム隊とホーン・セクションが相まって、これぞサザン・ソウルたる、ソウルやゴスペル、ブルースやカントリーを混ぜ込んだサウンドが楽しめる名曲揃いだ。

クラレンス・カーター

You don't love me no more

 ヒット街道を進む最中、たまたま立ち寄った小さなクラブで歌うキャンディ・ステイトンと彼は運命的な出会いを果たす。彼女の歌声に惚れこんで、フェイムのリック・ホールを紹介、これを契機としてキャンディのフェイムでのデビューが決まる。そして69年から72年までキャンディはフェイムに複数の名盤を残すことになる。「You don't Love me no more」はクラレンスが提供(73年に離婚)。

クラレンス・カーター

Back Door Santa

 70年中盤以降はヒット作こそ無いものの、彼は着実な活動を続け、サザン・ソウルの至宝としてのレスペクトも多数。例えば、Run-D.M.C.は前述の「Back Door Santa」をサンプリングして「Christmas in Hollis」を作り、ボン・ジョビやブラック・クロウズ、エリオット・ヤミンなどがカバーするスタンダード・ソングとなった。

クラレンス・カーター

 逆にフェイム繋がりで68年のエタ・ジェイムズによる「I’d Rather Go Blind」を、盲目のクラレンスが69年にカバーして注目を集め、同曲は同じくスタンダードとして、BBキングやロッド・スチュワート、ポール・ウェラーなどなどがカバーしている。08年の映画『キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語』では、制作総指揮も務めたエタ・ジェイムズ役のビヨンセが同曲を熱唱。

クラレンス版

クラレンス版「I’d Rather Go Blind」

オリジナルのエタ版

オリジナルのエタ版「I’d Rather Go Blind」

ビヨンセ版

ビヨンセ版「I’d Rather Go Blind」

 このように、今でも愛され、そして歌われ続けるサザン・ロックの至宝、クラレンス・カーター。わずか2日しかない貴重な彼の公演は正に必聴必見。昨年再発された名盤の数々を秋の夜長に聞きながら、来る11月を楽しみに待とう。

クラレンス・カーター「ジス・イズ・クラレンス・カーター」

ジス・イズ・クラレンス・カーター

2012/11/07 RELEASE
WPCR-27568 ¥ 1,028(税込)

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Disc01
  1. 01.愛を信じて
  2. 02.ルッキング・フォー・ア・フォックス
  3. 03.スリッピン・アラウンド
  4. 04.愛する資格
  5. 05.アイ・キャント・シー・マイセルフ
  6. 06.ワインド・イット・アップ
  7. 07.パート・タイム・ラヴ
  8. 08.スレッド・ザ・ニードル
  9. 09.スリップ・アウェイ
  10. 10.ファンキー・フィーヴァー
  11. 11.シー・エイント・ゴナ・ドゥ・ライト
  12. 12.セット・ミー・フリー

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