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BRADIO『O・TE・A・GE・DA!』インタビュー



 ジャパニーズ・ファンク・バンド、BRADIOが、前作からおよそ一年ぶりとなるシングル『O・TE・A・GE・DA!』をリリースした。本作には、今の彼らのリアルな感情が詰まった新曲3曲に加え、昨年NHKホールにて行われたツアーファイナルの音源7曲を収録。最新のBRADIOをたっぷり堪能できる一作となった。そんな同シングルと、5月からスタートする対バンツアーについて、真行寺貴秋(Vo.)、大山聡一(Gt.)、酒井亮輔(Ba.)の3人に話を聞いた。

身近な人たちを幸せにすることが、世の中に出る第一歩なんじゃないか

――今作『O・TE・A・GE・DA!』は、昨年4月にリリースされた『きらめきDancin’』以来、約一年ぶりのシングルになります。この一年間、振り返ってみていかがでしたか?

真行寺貴秋:去年はアルバム『YES』という自信作が作れて、それが軸となって充実した一年になりました。自分たちのやりたいことがアルバムだけで終わらないで、そこから音楽を届けるという意味での「YES!」を獲得するためのツアーでもあったので、とにかく充実してましたね。

大山聡一:去年の頭からシングルをリリースして、アルバムをリリースして、ツアーをして……。活動内容としてはかなり濃くて、濃いが故にあっという間に過ぎた一年でした。バンドとしても活動が長くなってきて、やってること自体は変わってないとは思うんですけど、その中でどんどんスピード感が増していってるような感覚があったので、常に意識して生きていきたいな、と思わせられました。

酒井亮輔:「成長できたな」という充実感が一番大きいかもしれないです。去年はアルバムの制作やツアーを含め、バンドに新たな核みたいなものを作ることができた一年だったんじゃないかなと思います。

――今作に収録されている新曲3曲は、どれも人間味に溢れた曲だと感じました。それは、今おっしゃったアルバム・リリースやツアーを経ての実感が影響しているのでしょうか?

真行寺:え~……そんなに……?

一同:(笑)

真行寺:ツアーの影響はそこまで意識してないかな。出てるとしたら無意識レベル。今回の制作は、歌詞の部分でメンバーやチームでディスカッションする時間が多く持てたんです。今までは音鳴らして、それが会話だぜ!みたいな感じだったけど、今回は音楽以前の、みんながそれぞれ何を感じているのかということを、曲を書く前の段階で話し合いました。そういう人間の関わりを濃くできたから、人間味に近付いたのかなと思いますね。

酒井:個人的に『YES』は、プレイヤーとしてやってやったぜ!感があったんですけど、(今作では)それとは違う、“伝わるもの”がもっとあったらいいのかなと思って。プレイヤーだから、どうしてもテクニックを身につけたり、見せたくなるって気持ちはもちろんあるんですけど、それよりもBRADIOという集団が何をやっていけばいいのか、どうやっていくべきなのかを今回はすごく考えました。だから、必然的にみんなで話し合う時間が多くなっていって、結果、それが曲に反映されたのかなとは感じています。

――表題曲「O・TE・A・GE・DA!」はインパクトのあるタイトルですが、これは実際にお手上げだ!と思うシーンがあったのでしょうか。

真行寺:しょっちゅうですよ。

一同:(笑)

酒井:この曲の話し合いをしている頃、ちょうど自分が世の中を嫌になってた時期だったんですよね。ニュースを見ていても、なんでこんなニュースが流れてるんだろう?って、暗い感じだったんです。それを最初に歌詞として表現した時、ダメではないんだけど……。

真行寺:ちょっとガチ過ぎる。

酒井:って言われて(笑)。確かになと思って。聡一の提案もあって、最終的には笑えたり、やっぱりオチがあったほうがいいんじゃないかってなりました。でも発端は、そういうネガティブなところから始まってますね。


▲BRADIO-O・TE・A・GE・DA!(OFFICIAL VIDEO)

――楽曲を作っていくうちに、暗い気持ちを跳ね返してやろう!というモードに変わったんですか?

真行寺:跳ね返そうみたいな気持ちではなかったですけど、いろんな要素があってここに行きついたのかなと思ってます。ネガティブだけじゃなくて、最終的にはぐっと救われるようなものは欲しいよねって。ニュースとかで嫌なことを見ても、他人事じゃなくて、当事者ではいたいなって気持ちはあって。じゃあ自分が当事者であるってどういうことだろう?と考えたときに、身近な人たちを幸せにすることが、世の中に出る第一歩なんじゃないかと。

――今「身近な」というワードが出ましたが、今回の新曲たちは、リスナーが聴いていて「僕の歌だ」「私の歌だ」となるような親近感のある言葉が多いなと思いました。これらは意図的に生活に寄り添おう、という考えがあったのでしょうか?

大山:生活感を出そうというよりは、前作の『YES』を作った時、人臭いものが好きだよね、って再確認みたいなものがあったんです。曲を書いていくうえで、リアルな感情を持っていないと、貴秋の歌詞として書く意味がない。その延長線上でできていった曲なんじゃないかなと思います。「お手上げ」という言葉も、いろんな意味があるじゃないですか。良いこともあれば悪いこともあるし。そういう中で、最終的には心をえぐられるというより、高揚感が持てたらいいなとは思ってます。

――「最後はハッピーがいいよね?」ということでしょうか。

大山:「ハッピーだろ?」というより、そうでありたいじゃないですか。たとえば、本当に嫌なことばっかりだったとしても、「嫌な人生でした、終わり。」というのはやっぱり残念なことなので。そうじゃないものを視点によって作っていける。そういうことが表現できたらいいなとは思ってますね。

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「今、音楽で生きてんな」ということを感じられるツアーにしたい

――2曲目の「バクテリアch.」についてですが、まずタイトルの“バクテリア”にはどういった意味が込められているのでしょうか?

大山:この曲は歌詞が最初にでき上がって、すごいイイ曲になったねってレコーディングに入ったんですけど、その時点でタイトルは決まってなくて。どうしようかってなった時に、亮輔がバクテリアについて調べ始めて……。なんでバクテリアについて調べてたの?

酒井:とにかくタイトルはネガティブが嫌だと思ったんですよ。バクテリアって、生き物の根源になるもので、良い方向にもいくし、悪い方向にいったりするんですよね。癌になっちゃったり、良い細胞になったりするのが、曲の雰囲気にすごく合ってるなって。良くなるのも悪くなるのもあなた次第、みたいな意味合いをこの歌詞から感じたので、バクテリアがしっくりくるなあと思って、調べ始めました。

――歌詞はSNSや情報社会について異議を唱えるような内容ですが……。

大山:ニュースやSNSに対してというよりは、いろんなことに対して、実際に体験してみたり、実際触れてみることって大事だよね、という部分にクローズ・アップしてます。自分たちも音楽をやっていて、当然映像も配信するし、楽曲も配信するし、そういうところでいろんな疑似体験をしてもらって、興味を持ってもらおうって気持ちはいっぱいあって、それ自体を否定する気持ちは全然ないんです。でもやっぱり、好きなギタリストのライブに行って、目の前のプレイを見たら、そこにしかない感動があるし。美味しいって評判のものを食べてみたら、美味しくないなって思ったり(笑)。「そういう感覚って自分次第だろ?」みたいな、すごくシンプルな歌だと思います。

――今回、作詞がBRADIO名義になっていますが、メンバーやチームで作詞をしてみた手応えはいかがでしたか?

真行寺:面白かった! 基本は僕対他人、じゃないですか。僕が思ってる価値観と全然違うものをみんな持っているので、言葉のチョイスだったり、思い描いているもの、それを持っていきたい方向、やっぱり全然違って。普通に面白かったです。

――意見が食い違うことはありませんでした?

真行寺:それはありましたね。みんな違う人ですし、思ってることも違いますから。それをどうやって一個のものに持っていくか。別に意見が食い違うことはネガティブなことでもないし、意見が食い違うことこそやるべきことなのかなとは思ってます。

――楽曲の制作の方向性に寄った感じですよね。今回そういう作業に挑戦して、バンドに新しい化学反応が起きたりしましたか?

大山:そうですね。別にどんなやり方も面白いなと思うんですけど。貴秋の世界を一つ作っていくって良さもあるし、今回みたいにああでもないこうでもないみたいなやり方もすごくいいなと思いましたね。そこからまた出てくるものがあって、毎回それがいいなと思うわけではないんですけど、今までとは違う感覚はありましたね。

――3曲目「帰り道のBlues」ですが、特に歌のイメージがいつもと違って、とても柔らかい印象を受けました。これは誰か参考にしたアーティストがいらっしゃった?

真行寺:うーん特には……。でも、玉置浩二さんみたいって言われたよね(笑)

酒井:あー、言われてた。しかも最初はもっと柔らかかったよね。

真行寺:そう! だから「もっとらしく歌いなよ」って言われて。

酒井:「真行寺貴秋が全然足りないな」ってね。腹に力が入らないままだったんですよ。

――曲に引っ張られ過ぎた感覚があった?

真行寺:曲に引っ張られてましたし、常々新しい自分、新しい歌い方を探しているので。なんとなくやってみると、それが良かったり、いやそれはちょっとって言われたりします。

――BRADIO楽曲の中でも数少ないバラード調の曲ですが、制作当時、バンドがそういうモードだったんでしょうか?

大山:(バラードは)常に作ろうとはしているかもしれないです。基本的に、情景が浮かぶ音楽がすごく好きで。特に帰り道なんてノスタルジックな気持ちになりたい時が多いじゃないですか。そういう時に聴きたくなるような音楽が大好きで、いつでも書きたいなという気持ちはありました。

――今作には新曲3曲の他にも、昨年行われたツアーのファイナル公演の音源が7曲も収録されています。しかも、7曲すべての動画がYouTubeにも上がっていますね。これはどうして収録することになったんですか?

大山:もっともっと多くの人に届けたいと思って。自分たちでもBRADIOのライブってすごく面白いと思ってるので、MVだけじゃなく、ライブもYouTubeで見れちゃってもいいんじゃない? みたいな軽いノリでした。それこそ「バクテリアch.」じゃないですけど、これを機に実際に来てほしい。47都道府県ツアーもあるので、見てみようかなって思ってくれる人がいたらいいな、というところから、シングルだけど入れちゃえ! ってなりました。


▲BRADIO-Funky Kitchen (OFFICIAL LIVE VIDEO)

――この音源で初めてBRADIOに触れる人もいるかもしれません。その点を踏まえて、BRADIOのライブの特色や強みを教えてください。

真行寺:“音”じゃなくて“音楽の圧”がすごいバンドだなって思いましたね。グルーヴもそうですし、音楽としてすごく圧があるな、というのは感じます。

――5月からは47都道府県ツアーが始まりますが、今回の対バンはどういう経緯で決まったのでしょうか?

大山:今回は本数が多いので、各エリアのイベンターさんに今BRADIOと当ててみたい、面白いと思う人を提案してもらいました。だから、初めてご一緒させていただく方もいますし、今まで切磋琢磨してきた方もいますし、ツアーの中でバラエティがあるので、僕らもすごく楽しみです。

――最後に、ツアーへの意気込みをお願いします。

真行寺:47都道府県ツアーということで、今まで行ったことのないところにも行くし、それぞれ全部生で聴かせられるので、すごくいい機会だなと思ってます。対バン相手の方々もファン方々も、僕ら的には一緒に音楽を鳴らす仲間なのかなと思っていて。曲の歌詞にもあるように、見て触れて感じてなきゃ本物じゃないのかなと思うので、そういう現場でその時々の“本当”に触れて、「今、音楽で生きてんな」ということを感じられるツアーにしたいです。

写真




Interview by Mika Fuchii / Photo by Yuma Totsuka

BRADIO「O・TE・A・GE・DA!」

O・TE・A・GE・DA!

2019/04/24 RELEASE
WPCL-13041 ¥ 1,800(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.O・TE・A・GE・DA!
  2. 02.バクテリアch.
  3. 03.帰り道のBlues
  4. 04.Funky Kitchen (YES Release tour 2018~ORE to OMAE de BOOM BOOM BOOM~2018.11.22@NHK HALL)
  5. 05.スキャット・ビート (YES Release tour 2018~ORE to OMAE de BOOM BOOM BOOM~2018.11.22@NHK HALL)
  6. 06.スパイシーマドンナ (YES Release tour 2018~ORE to OMAE de BOOM BOOM BOOM~2018.11.22@NHK HALL)
  7. 07.Flyers (YES Release tour 2018~ORE to OMAE de BOOM BOOM BOOM~2018.11.22@NHK HALL)
  8. 08.Boom! Boom! ヘブン (YES Release tour 2018~ORE to OMAE de BOOM BOOM BOOM~2018.11.22@NHK HALL)
  9. 09.人生はSHOWTIME (YES Release tour 2018~ORE to OMAE de BOOM BOOM BOOM~2018.11.22@NHK HALL)
  10. 10.Back To The Funk (YES Release tour 2018~ORE to OMAE de BOOM BOOM BOOM~2018.11.22@NHK HALL)
  11. 11.O・TE・A・GE・DA! (Hidden AFRO ver.)
  12. 12.バクテリアch. (Hidden AFRO ver.)
  13. 13.帰り道のBlues (Hidden AFRO ver.)

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