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ジェニフェル・ソウザ「永遠でないもの」

永遠でないもの

ジェニフェル・ソウザ               

2014/11/19 RELEASE

Track List
ブラジル音楽シーンの最先端できらめく、新しいスタイルのSSW

 ブラジル音楽にとって、「ミナス」というキーワードはとても重要だ。「ミナス」とは、南東部に位置するミナス・ジェライス州のことで、古くから個性的な音楽家を輩出してきた。特に、ミルトン・ナシメント、ロー・ボルジス、トニーニョ・オルタといったアーティストは国内だけでなく世界中に影響を与えているし、近年ではヘナート・モタ&パトリシア・ロバートやアントニオ・ロウレイロなどが日本でも話題になっている。彼らの特徴は、土着的な伝統音楽のテイストを持ちながらも、ヨーロッパのクラシックや教会音楽などにも似たメロディ・ラインやコード進行を駆使し、どこか空間的な音作りをするところ。ジャズやプログレを好む音楽ファンにも、「ミナス」は興味を惹くキーワードなのだ。

 そんなミナスから、新しいスタイルのシンガー・ソングライターが登場した。ジェニフェル・ソウザは、2000年頃からシンサというバンドで活動し、その後はトランスミソールというグループにも参加した。この経歴からもわかる通り、いわゆるオーセンティックなブラジル音楽というよりは、ポップスやロックの側面から語られるべきミュージシャンかもしれない。昨年発表されて話題になったソロ・アルバム『永遠でないもの』からも、その雰囲気は伝わるだろう。

 ミナスならではの浮遊感に溢れたメロディや、シンプルながら木管楽器からエレクトロニクスまでを絶妙に配したアレンジ・センスなど、特筆すべきところは多数ある。全体的にネオ・アコースティックやフォーク・ロックのような自然体な雰囲気をまとっているのも心地よさの秘密だろう。そしてなによりも、ジェニフェルの歌声の素晴らしさに耳を奪われる。情感は控えめながらも、聴く者を包み込むかのような慈愛に満ちたヴォーカル・スタイルこそ、彼女の最大の武器といってもいい。淡々としたなかにも繊細に揺れ動く中域の美しい声は、ブラジル音楽シーンの最先端できらめいている。(REVIEW:栗本 斉)

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