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2021/01/23

バイデン米大統領就任を祝う、フィル・スペクターが死去、オリヴィア・ロドリゴが17歳で首位デビュー:今週の洋楽まとめニュース

 今週の洋楽まとめニュースは、ジョー・バイデン米大統領の就任に関する話題から。クリッシー・テイゲンは、レディー・ガガ、ジェニファー・ロペス、そしてガース・ブルックスの就任式でのパフォーマンスに喜ばずにはいなれない様子で、20日夜に予定されている特別番組『セレブレーティング・アメリカ』に出演予定のジャスティン・ティンバーレイクはハリス副大統領とミシェル・オバマ前大統領夫人が拳を突き合わせる動画に「THIS(これだよ)」とコメントをつけて投稿している。そして、現地時間2021年1月20日に行われたジョー・バイデン米大統領とカマラ・ハリス米副大統領の就任式での国歌独唱中に、巨大な金色の鳩のブローチを身に着けたレディー・ガガだが、その心には平和への想いがあった。ガガは、このアクセサリーを身につけた背後にあった想いと分断された米国への自身の希望について「オリーブの枝を運ぶ鳩。私たちがお互いに和解することができますように」とTwitterで説明した。

マライア/J・ティンバーレイク/ケイティ/U2など、バイデン米大統領&ハリス米副大統領の就任を祝う
レディー・ガガ、米大統領就任式で身につけていた金色の鳩のブローチに込めた想いを明かす

 1月18日、アリシア・キーズ、メアリー・J.ブライジ、T.I.などのアーティストたちが動画を公開し、近年亡くなったブラック・アメリカンの人々を追悼しながらバイデン次期政権に人種差別に向けた具体策を講じるよう呼びかけた。『17 More Ways You Could Be Killed if You Are Black in America』(アメリカの黒人なら殺される可能性がある、さらに17の方法)と題された動画は、Black Music Action Coalitionと#breathewithme Revolutionが制作。人種差別により命を落とした黒人犠牲者たちの名前と、殺害当時その人が何をしていたかを、複数のアーティストたちが淡々と述べることで、その異様な実態に焦点を当てている。約3分の動画には、ほかにもカリード、タイ・ダラー・サイン、オフセット、クエイヴォなどが出演しており、“パーティーから帰ろうとした”ジョーダン・エドワーズや“自転車に乗っていた”ロネル・フォスターなど、日常生活を送っていただけで殺されてしまった犠牲者たちを挙げている。

アリシア・キーズ/メアリー・J.ブライジ/カリードなど、次期政権に人種差別是正委員会の発足を要請する動画を公開

 伝説的音楽プロデューサーのフィル・スペクターが1月16日に死去した。享年81歳だった。今もなおアーティストに影響を与え続ける、彼の代名詞にもなった豪奢な“ウォール・オブ・サウンド”と呼ばれる手法を確立し、1950年代から数多くのヒット曲を手がけた一方で、2003年に自身の邸宅で女優のラナ・クラークソンが死体で発見された事件で、2009年に殺人罪で19年の実刑が確定したため、服役中だった米カリフォルニア州ストックトンにある医療刑務所でその波乱の人生を終えた。スペクターは50年代から70年代にかけて米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”を席巻し、TOP10入りした19曲のうち5曲が首位を獲得した。初めてのNo. 1は、ザ・テディ・ベアーズの「To Know Him Is To Love Him」(邦題:逢った途端にひとめぼれ)で、ビルボード・チャートそのものが発足されてから約4か月後の1958年12月にNo. 1を獲得し、3週間その座を譲らなかった。スペクターがプロデュースした楽曲は、なんと今年もチャート・インしていることから、その驚異的な影響力がうかがえる。

フィル・スペクターが81歳で死去、全米ソング・チャートを賑わせたベスト40曲をランキング

 さて、今週の米ビルボード・ソング・チャートでは、オリヴィア・ロドリゴの「drivers license」がNo.1デビューを飾った。オリヴィア・ロドリゴは、2003年2月20日生まれの17歳、米カリフォルニア州出身の女性シンガー・ソングライター。Disney+のオリジナル・ドラマ『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』で主役を演じ、同番組の挿入歌として起用された「オール・アイ・ウォント」が90位にランクインするヒットを記録した。17歳11か月での首位獲得は、2019年8月に「bad guy」を17歳8か月で1位に送り込んだビリー・アイリッシュ(2001年12月18日生まれ)に次ぐ歴代2番目の年少記録となる。また、グローバル・チャート“Billboard Global 200”と“Billboard Global Excl. U.S.”でもそれぞれ首位で発進しており、オリヴィアはTwitterで、「ビルボード・チャートでナンバーワン。これが現実だってことが本当に信じられない。サンキュー、サンキュー、サンキュー」と投稿している。

【米ビルボード・ソング・チャート】オリヴィア・ロドリゴ首位デビュー、モーガン・ウォレン/シザTOP10入り
オリヴィア・ロドリゴ、複数の米ビルボード・チャート制覇に喜びのコメント「本当に信じられない」

 また、アルバム・チャートでは、米テネシー州出身のカントリー・シンガー、モーガン・ウォレンの新作『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』が1位に初登場した。本作は、2018年4月にリリースしたデビュー・アルバム『イフ・アイ・ノウ・ミー』から約3年ぶりとなる、自身2作目のスタジオ・アルバムで、その『イフ・アイ・ノウ・ミー』が記録した13位を大きく上回る、自己最高位更新にして初のTOP10入り、そして初の首位獲得となった。初動ユニットは265,000で、そのうち74,000がアルバム・セールス、184,000がアルバム・ストリーミング(SEA)、トラックごとのユニット数(TEA)は7,000とそれぞれ高記録を打ち出している。カントリー・アルバムによる週間ストリーミング数としては、今週8位にランクインしているルーク・コムズの『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』が2020年11月7日付チャートで記録した、1億226万再生を2倍近く上回る歴代最高記録を更新している。

【米ビルボード・アルバム・チャート】モーガン・ウォレン自身初のNo.1、カントリーALとして史上最多の週間ストリーミング記録

 

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