Billboard JAPAN


NEWS

2020/07/01

米ブロードウェイの閉鎖が2020年末まで延長

 米ブロードウェイの閉鎖が、少なくとも2021年1月上旬まで延長されることになった。公演再開の正確な日程は決定していないが、来年1月3日までの公演のチケットの返金と日程変更が可能だ。

 「ブロードウェイの経験は深く個人的なものですが、同時に極めて集団的なものです」とプロデューサーを代表するブロードウェイ・リーグの取締役会長のトーマス・シューマッハは述べた。「劇場が安全に満席の観客を招くことができるようになれば、1000人もの見知らぬ人が結合し一つの観客となり、舞台上と舞台裏にいる各演者を煽る魔法が可能になります」と付け加えた。「キャスト、クルー、オーケストラ、そして観客の安全は私たちの最優先事項であり、安全に実施できるようになってステージに戻ることを楽しみにしています」と続けた。

 米ブロードウェイの劇場は3月12日に突如閉鎖され、開始予定だった16のショーを含む全ての公演が停止、【トニー賞】の開催は無期限に延期されている。プロデューサーは保健機関と市当局の言葉を引用し、閉鎖を6月7日に延長し、その後再び9月6日に延長していた。

 俳優とステージ・マネジャーを代表する全国組合アクターズ・エクイティ・アソシエーションは、閉鎖延長に言及し、舞台芸術で働く人々を助けるために芸術資金と融資を行うよう議員に促した。同アソシエーションは、国立芸術基金、全米人文科学基金、アメリカ公共放送社、国立芸術基金の資格のない劇場のために低金利での融資、ライブ・エンタテイメント・チケット購入の事業税控除と共和党と民主党によるパフォーミング・アーティスト税パリティ法を可決するため、40億ドル(約4306億円)の緊急補足資金を推し進めている。

 舞台プロデューサー、キャメロン・マッキントッシュは、自身の会社が手がける英ロンドンのウェスト・エンドでの『ハミルトン』、『オペラ座の怪人』、『メリー・ポピンズ』、『レ・ミゼラブル』の公演はコロナウイルスのパンデミックのため2021年までは再開しないと述べている。米ワシントンD.C.にあるジョン・F・ケネディ・センターやボストンのハンティントン・シアター・カンパニーは、すでに発表された公演やイベントのほとんどを中止している。

 今回の閉鎖延長で秋に予定されていた大部分の公演が流れ、その多くは翌年に持ち越される。6月29日にリハーサルが開始予定だったヒュー・ジャックマンとサットン・フォスターによる『ザ・ミュージック・マン』のリバイバルは2021年5月に延期となった。『ハングメン』、エドワード・オールビー作『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』を含むこの春に始まる予定だった公演は中止となり、トレイシー・レッツによる『ザ・ミニッツ』とデヴィッド・マメットによる『アメリカン・バッファロー』は当初予定されていた開幕予定日からちょうど1年後の2021年春に始まる。

 米ブロードウェイは、昨シーズン過去最高の1500万人が来場し、18億ドル(約1936億円)の売上を記録した。プロデューサーや労働組合は劇場が安全に再開する方法を議論している。