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2020/05/05

【米ビルボード・ソング・チャート】トラヴィス・スコット&キッド・カディ「ザ・スコッツ」初登場1位、ミーガン・ジー・スタリオン自身初のTOP10入り

 トラヴィス・スコットとキッド・カディのコラボレーションによる新曲「ザ・スコッツ」が初登場1位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 同曲は、現地時間4月23日より開催されたオンライン・ゲーム『フォートナイト』のバーチャル・ショー<ASTRONOMICAL>でパフォーマンスされた新曲で、翌24日に配信/ストリーミングも解禁され、セールス、ストリーミング両チャートでもNo.1デビューを果たした。初週のストリーミング数は4,220万回、初動ダウンロード数は67,000といずれも高記録を打ち立てている。エアプレイは、初週550万回を記録した。R&B/ヒップホップ・ソング・チャート、ラップ・ソング・チャートでも1位に初登場している。

 ラッパーの作品としては珍しくセールスが高かったのは、トラヴィス・スコットの公式ウェブサイトで購入できるグッズの売り上げが好調だったため。これには、CD、LP、カセットテープ等15種のバンドルが含まれる。2020年度としては、BTSの「ON」(86,000ダウンロード)、ジャスティン・ビーバーの「ヤミ―」(71,000ダウンロード)に次ぐ3番目に高い週間セールスを記録した。

 意外ではあるが、トラヴィス・スコットがデジタル・ソング・セールス・チャートで1位を獲得するのは初の快挙。なお、ストリーミング・チャートでは3曲目の首位獲得となる。キッド・カディは、両チャートいずれも初の首位獲得で、Hot 100においても初の1位獲得曲となった。トラヴィス・スコットにとっては、「シッコ・モード」(2018年)、「ハイエスト・イン・ザ・ルーム」(2019年)に続く3曲目の首位獲得。

 初登場1位獲得曲としては、「ハイエスト・イン・ザ・ルーム」に次ぐ2曲目のタイトルを獲得したトラヴィス・スコット。初登場1位獲得曲を複数もつアーティストとしては歴代6組目で、同2曲にはジャスティン・ビーバー、アリアナ・グランデ、ブリトニー・スピアーズの計4組がいる。歴代最多の3曲をもつのが、マライア・キャリーと先日「トゥージー・スライド」で打ち立てたドレイクの2組。なお、Hot 100史上での初登場1位獲得曲は、「ザ・スコッツ」で通算37曲目となる。

 キッド・カディは、2009年に最高3位をマークした「デイ・アンド・ナイト」以来11年ぶりのTOP10入りで、初のランクインから首位獲得までの期間としては、ダディ・ヤンキーが「ガソリーナ」(2004年8月 / 32位)~「デスパシート」(2017年5月 / 1位)で打ち立てた12年9か月に次ぐ、歴代2番目の記録となる。

 タイトルの「ザ・スコッツ」は、トラヴィス・スコットとキッド・カディの本名であるスコット・メスカディの“スコット”から引用したものだが、タイトルにアーティスト・ネームが含まれる楽曲が1位を獲得したタイトルは、その他にも以下の7曲がある。

アルビン&ザ・チップマンクス「ザ・チップマンク・ソング」(1958年)
ポール&ポーラ「ヘイ・ポーラ」(1963年)
ラヴ・アンリミテッド・オーケストラ「愛のテーマ」(1974年)
スターズ・オン45「スターズ・オン45」(1981年)
ヒューマン・リーグ「ヒューマン」(1986年)
ヴァニラ・アイス「アイス・アイス・ベイビー」(1990年)
ソウルジャ・ボーイ「クランク・ザット(ソウルジャ・ボーイ)」(2007年)

 先週首位に返り咲いたザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」は2位にランクダウンしたが、週間1億970万回を記録してエアプレイ・チャートでは4週目、R&Bソング・チャートでは10週目のNo.1をマークしている。

 2位から3位に下降したドレイクの「トゥージー・スライド」も、週間6,790万回を記録してエアプレイ・チャートで12位から10位に、TOP10入りを果たしている。エアプレイ・チャートでのTOP10入りは通算23曲目で、集計を開始した1990年12月以降、2番目に多いランクイン数を保持している。歴代1位は29曲をもつリアーナで、ドレイクとのコラボレーションも4曲含まれている。

 先週の14位から4位に急上昇したのは、ミーガン・ジー・スタリオンの「サヴェージ」。ミーガンにとっては、ニッキー・ミナージュ&タイ・ダラー・サインとコラボした「ホット・ガール・サマー」の11位を超える自己最高位で、初のTOP10入りでとなる。

 「サヴェージ」が今週ジャンプアップしたのは、ビヨンセをフィーチャーしたリミックスが4月29日にリリースされたため。同リミックスの反響を受け、デジタル・ソング・セールス・チャートでは前週から160%増の26,000ダウンロードを売り上げ8位から2位に、ストリーミング・チャートでは、48%増の2,690万視聴を記録し8位から3位へ、それぞれTOP3入りを果たしている。エアプレイ・チャートでは、今週の<Airplay Gainer>を獲得して36位から18位に大きく順位を上げた(週間4,050万回)。

 ドジャ・キャットの「セイ・ソー」は5位から6位にダウンしたが、同曲も5月1日にニッキー・ミナージュをゲストに迎えたリミックスがリリースされたため、次週は再びTOP5入りすることが予想される。ここ数年、オリジナルが上昇したタイミングでリミックスをリリースし、上位ランクインに繋げるアーティストが増えている。昨年の年間チャート1位を記録したリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード」もそうだ。

 以下、デュア・リパの「ドント・スタート・ナウ」が4位から7位、ポスト・マローン「サークルズ」が6位から8位、ジャスティン・ビーバーの「インテンションズ feat.クエイヴォ」が8位から9位、ハリー・スタイルズの「アドア・ユー」が7位から10位に、それぞれランクダウンした。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月8日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ザ・スコッツ」トラヴィス・スコット&キッド・カディ
2位「ブラインディング・ライツ」ザ・ウィークエンド
3位「トゥージー・スライド」ドレイク
4位「サヴェージ」ミーガン・ジー・スタリオン
5位「ザ・ボックス」ロディ・リッチ
6位「セイ・ソー」ドジャ・キャット
7位「ドント・スタート・ナウ」デュア・リパ
8位「サークルズ」ポスト・マローン
9位「インテンションズ」ジャスティン・ビーバーfeat.クエイヴォ
10位「アドア・ユー」ハリー・スタイルズ

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