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2019/12/09

【米ビルボード・アルバム・チャート】『アナ雪2』サントラが首位に、クリスマス・アルバムが続々とTOP10入り

 『アナと雪の女王2』のサウンドトラックが首位獲得を果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 2週前の11月30日付チャートで15位に初登場し、先週3位にジャンプアップした本作は、映画の大ヒットを受け登場3週目で1位に浮上。前作『アナと雪の女王』(2013年)に引き続き、2作連続の快挙を達成した。なお、その前作は初登場から約1か月を経て首位を記録しているが、本作はクリスマス・ウィークを待たずして1位に到達した。

 今週獲得したユニット数は80,000で、そのうちアルバムの売上枚数が37,000枚、ストリーミングによるユニット数が39,000と、いずれも安定したポイントを獲得している。週間視聴回数は5,070万回で、ヒップホップ系のアーティストが参加していないサウンドトラックとしては、かなり高記録といえる。

 2019年のチャートにおいてサウンドトラックが1位を獲得するのは、レディー・ガガ主演の『アリー/スター誕生』(3月9日付)、カニエ・ウェストの『ジーザス・イズ・キング』(11月9日付)に次ぐ3作目。『ジーザス・イズ・キング』は、同名のドキュメンタリー映画が制作されたため、サウンドトラック扱いにはなっているが、オリジナル・アルバムとしての認識が強く、実質は2作目の首位獲得作品となる。

 『アナと雪の女王2』は、2019年のアルバム・チャート38作目のNo.1アルバムで、そのうち本作とア・ブギー・ウィット・ダ・フーディの『Hoodie SZN』(1月19~26日付)の2作のみが、初登場1位を逃がした首位獲得となる。偶然ではあるが、いずれもデビューから3週目で1位に到達した。

 アニメーション映画のサウンドトラックが首位を獲得するのは、歴代5作目の快挙。『アナと雪の女王』以外には、『ライオン・キング』(1994年)、『ポカホンタス』(1995年)、ジャック・ジョンソンによる『おさるのジョージ』(2006年)がある。また、オリジナルと続編いずれも首位を獲得した作品としては、『ハイスクール・ミュージカル』(2006年)~『ハイスクール・ミュージカル2』(2007年)と、『トワイライト』(2008年)~『トワイライト・サーガ』(2009年)に続く、歴代3作目の記録となる。

 前作の傾向からみると、今後も更に売上、ストリーミングが伸びる可能性が高く、翌2020年の春あたりまでは上位ランクインが見込めるだろう。日本でも、映画、サウンドトラック共に大ヒットを記録している。

 続いて2位には、ポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』が先週の4位から浮上。ユニット数自体は10%ほど減少しているが(65,000ユニット)、強豪が不在のため繰り上がりのランクアップを果たした。本作は、2019年度の年間アルバム・チャートで9位にランクインしている。先週、自身初のNo.1デビューを果たしたトリッピー・レッドの『ア・ラヴ・レター・トゥ・ユー 4』は、半数近くポイントダウンし、3位に下降した(54,000ユニット)。

 11月24日に開催された【2019 アメリカン・ミュージック・アワード】の出演が尾を引き、テイラー・スウィフトの『ラヴァー』は先週の6位から4位に上昇。こちらは3%ほど増加の週間52,000ユニットを記録している。2019年の年間アルバム・チャートを制した、ビリー・アイリッシュの『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』は、50,000ユニットを記録して5位をキープした。

 7位には、2000年代に目覚ましい活躍を見せた中堅ラッパー=ファボラスの新作『Summertime Shootout 3: Coldest Summer Ever』が初登場。週間ユニットはは44,000で、そのうち37,000がストリーミングによるユニット数、およそ6,000枚がアルバムの実売だった。本作は、2014年にリリースした『The Young OG Project』(最高12位)から5年ぶり、通算7枚目のスタジオ・アルバムで、TOP10入りは2017年にジェイダキスとコラボレーション・アルバムとして発表した『Friday on Elm Street』(最高10位)以来2年ぶり、7作目のランクインとなる(うち1作が1位)。

 ホリデー・シーズンに差し掛かり、今週はクリスマス・アルバムが続々とランクアップした。まず、2011年にリリースされて以降、毎年TOP10入りし続けているマイケル・ブーブレの『クリスマス』が17位から6位に浮上(週間48,000ユニット)。通算売上枚数(総ユニット数)としては2010年代で24番目に高い記録で、ホリデー・アルバムとしては、最も売れたアルバムとして殿堂入りしている。

 続いて、こちらもクリスマスの常連となったペンタトニックスのベスト盤『ベスト・オブ・ペンタトニックス・クリスマス』が、先週の18位から8位に、登場6週目でTOP10入りを果たしている。本作は、これまでにリリースされた4枚のクリスマス・アルバムの人気曲と新曲が収録されたグループ初のベスト・アルバムで、『PTXmas』(2012年 / 7位)、『ザッツ・クリスマス・トゥ・ミー』(2014年 / 2位)、『ペンタトニックス・クリスマス』(2015年 / 1位)、『クリスマス・イズ・ヒア!』(2018年 / 7位)まで、全てのクリスマス・アルバムがTOP10入りを果たすという快挙を成し遂げた。

 「恋人たちのクリスマス」が、ソング・チャート“Hot 100”で早くもTOP20入りした、マライア・キャリーの『メリー・クリスマス』(1994年)も、週間37,000ユニットを記録して21位から9位にTOP10復帰を果たしている。そのうち、3万弱のユニット数はストリーミングによるもので、「恋人たちのクリスマス」の視聴回数がアルバムの総ユニット数に大きく貢献している。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、12月13日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『アナと雪の女王2』サウンドトラック
2位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
3位『ア・ラヴ・レター・トゥ・ユー4』トリッピー・レッド
4位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
5位『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』ビリー・アイリッシュ
6位『クリスマス』マイケル・ブーブレ
7位『Summertime Shootout 3: Coldest Summer Ever』ファボラス
8位『ベスト・オブ・ペンタトニックス・クリスマス』ペンタトニックス
9位『メリー・クリスマス』マライア・キャリー
10位『Over It』サマー・ウォーカー

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