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2019/10/23

【かわさきジャズ2019】Gentle Forest 5 & Gentle Forest Sisters、色とりどりのハーモニーを奏でる

 神奈川県川崎市を舞台に開催中の【かわさきジャズ2019】の一環として、10月8日、ミューザ川崎シンフォニーホールで【JXTGエネルギー Presents MUZAナイトコンサート60 10月レトロおしゃれにホールジャズ!】が開催された。

 同会場にて平日の夜に不定期開催される、約60分間のショートプログラム【MUZAナイトコンサート60】。この日は、在日ファンクのトロンボーン担当としても活躍するジェントル久保田率いるビッグバンド、Gentle Forest Jazz Bandの小編成バンドと3人組女性ヴォーカルによるユニット、Gentle Forest 5 & Gentle Forest Sistersによるジャズライブだ。ホールに入って先ず目を引くのが、鮮やかなステージ。緑、赤、黄、三色のライトが楽しげに中央に置かれたドラムを囲んでいる。同ホールのナイトコンサートは過去にも何回か足を運んでいるが、いつもより観客の入りは多く、年齢層はやや高めといった感じだろうか。

 さて、いよいよ開演。ジェントル久保田のトロンボーンを中心にテナーサックス、ギター、ベース、ドラムが奏でるジャズ・スタンダード「Broadway」から始まり、2曲目の「Take The A Train」で、緑・赤・黄色のドレスを着たシスターズが登場。「あ、この色は!」と見覚えのある三色に気を取られていると、何処からともなく手拍子が起こり、瞬く間にシスターズの見事なハーモニーで観客が一体に。

 酒場でライブを行うことも多いという彼らの音楽は、気取らない生活密着型のスイングジャズで、思わずクスッと笑ってしまう、ほろ酔い気分なオリジナル曲が多い。“男と女は旬が大切”と歌ったこの日の4曲目「生ものだから」は、ジャズでありながら歌謡曲のようなメロディーに、キャッチーなシスターズの歌声とホーンの掛け合いが絶妙。また、インストゥルメンタル曲「Mood Indigo」は、サックスの響きと気だるいトロンボーンの間に時折聞こえるギターの音色が心地良い。そして、ジェントル久保田のソロ・ボーカル曲「したくないブギ」は、歌詞と曲がその歌声に見事にマッチ。MCではラゾーナ川崎がオープンした15年前、ジェントル久保田は川崎で当時勤めていたメガネ屋さんの宣伝をしていたというエピソードも飛び出した。

 さて後半戦、新しいドレスに着替えたシスターズが再び登場。「月見るドール」は、ちょっぴり切ないハーモニーが幻想的なムードを作り出す、とても印象的なナンバー。また、「Undecided」は、コップとカズーを使ったパフォーマンスが面白く、まるでヘリウムガスを吸い込んだかのような、声なのか音なのかわからない不思議なハーモニーを響かせた。

 あっという間にラストの「あなたの立場」。ドラムのソロでは、メンバーみんなが持ち場を離れて帰ってしまうのかと思いきや、ステージ傍で温かく見守る姿がなんだか微笑ましい。アンコールの「おやすみのうた」もそうだが、シスターズのポップでキュートでキャッチーな歌声が光るステージだった。Text by mmaki(かわさきジャズ公認レポーター)

 


◎公演概要
【JXTGエネルギー Presents
MUZAナイトコンサート60 10月レトロおしゃれにホールジャズ!】
日時:2019年10月8日(火)19時開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
出演:Gentle Forest 5 & Gentle Forest Sisters

※記事初出し時に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。