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2019/07/23

<ライブレポート>COUNTRY YARDの自主企画イベント【BROTHERHOOD vol.35】が開催 どんな音が鳴ってもいい空間を演出

 メロディックパンクバンドであるCOUNTRY YARDの自主企画イベント【BROTHERHOOD vol.35】が7月18日に渋谷のTSUTAYA O-WESTで開催され、COUNTRY YARDのほか、NOISEMAKER、KOTORI、Charlotte is Mineの計4組が出演した。

 最初に登場したのは、2019年1月にミニアルバム『RARA』をリリースしたオルタナティブロックバンド、NOISEMAKER。まずはその『RARA』から、「NAME」と「THIS IS ME」の2曲を披露。図らずもかもしれないが、縦横無尽に動き回るAG(Vo)が着ていた真っ白なトップスと黒いステージとの対照的な色使いが、NOISEMAKERの楽曲から感じられる泥臭さと洗練さの2面性にリンクしているように見えた。

 「Change My Life」を披露し終えるとAGは、挨拶の後、「バンドやっていればいろいろあって、出会ってすれ違う人もいれば、(COUNTRY YARDとは)道は違えど、常に隣を向けば一緒に走っているような仲間です。昔から一緒に駆け抜けているバンドに、こうやって大事なポイントで誘ってもらえたのは本当に嬉しいです。本当にありがとう。」とコメント。ライブ終盤ではコール・アンド・レスポンスも織り交ぜながら「Flag」、そして「Nothing to Lose」を披露。常にオーディエンスを意識して披露していると感じられるNOISEMAKERは、カルチャーとの出会い・衝撃が何よりも大事で、それによってNOISEMAKERが成り立っていることへの感謝と責任を背後に見出せるものだった。

 2組目に登場したのはKOTORI。6月23日にはサーキットイベント【TORI ROCK FESTIVAL 2019】を主催するなど、KOTORIが主導でイベントを行うことが多い中、今回はCOUNTRY YARDに呼ばれての出演。ライブの途中で横山(Vo.Gt)は「(僕は)やりたいバンドとやりたいから好きな人を呼んで(主催のイベントをやって)いるんですけど、今日は逆かなと勝手に思っていて。僕らのやっていることは間違いじゃなかったと思ってます。」とコメントしていた。「1995」や「トーキョーナイトダイブ」など、KOTORIのライブではよく披露される楽曲を披露し、いい意味でいつものKOTORIをオーディエンスに見せつけた。

 そして先のコメントに続けて、「僕はCOUNTRY YARDを神と言っているんですけども。まあ、一杯神様いるんですね、僕の中には。今日COUNTRY YARDの食の神ことMochizuki(Gt/Cho)さんから、あの曲で田んぼ一個分の米食えるって言われました。その曲やります。お供えします!」とコメントすると、「RED」を披露。NOISEMAKERがもし浴びる音楽ならば、KOTORIは歌う音楽であり、オーディエンスの中にはこぶしをきかせているような動きで一緒に歌う人もいるほど、束になった歌声が響いた。

 続いて登場したのはCharlotte is Mineだ。日本だとASIAN KUNG-FU GENERATION 、海外だとUSインディーシーンとの親和性も感じられるCharlotte is Mine。本イベントでは、6月26日にリリースした1stアルバム『IN SOMEWHERE NIGHTS』からの楽曲を中心に披露された。Charlotte is Mineはインタビューで、今回のアルバムは映画をよく観ながら作っていたと語っている。例えば、アルバムも本公演も1曲目は「Somewhere」だったが、2010年に公開されたソフィア・コッポラ監督の『Somewhere』などをアルバム制作の際に観ていたとインタビューでコメントしていた。最小限のMCだけをしつつ、淡々と楽曲が披露されていく。その時間の流れは、楽曲にゆったりと身を任せながら、今自分がいる空間が、現在進行形で進んでいる何かの物語の途中であることを強く思わせるものであった。

 今回、COUNTRY YARD主催の自主企画イベントにCharlotte is Mineが出演することに違和感を抱いたオーディエンスもいたかもしれない。今回の出演は、Country YardのYu-ki (Gt/Cho)がCharlotte is Mineを聴いて気に入ったことから始まっている。Charlotte is Mineが楽曲を披露している中、会場の壁際でYu-kiが少し体を揺らしながら聴き入っていた姿を目にしたオーディエンスもいるだろう。ジャンルは重要であるが、重要じゃない場面もある。Charlotte is Mineは、この世にあるいくつもの魔法の内の1つを紛れもなくかけていた。

 最後に登場したのは、もちろんCOUNTRY YARD。「I’ll Be With You」や「Just Take A Run Over」と疾走感あふれる楽曲からスタートしたステージは、冒頭から会場はモッシュやダイブが起こり、ステージにオーディエンスが入り込むことも通常運転のように発生した。「Here I Am」を披露し終えると、Sit(Ba/Vo)は「この感じ、さてはシャーロット(Charlotte is Mine)聴いて、いい感じに結構チルってたんじゃないかみんな。いい感じじゃないですか。そういうの見たかったから。」とMCでコメント。さらに「自分たちが始めたくて始めたバンドCOUNTRY YARD。そのCOUNTRY YARDが始めたくて始めた【BROTHERHOOD】。いろんな人たちが出てくれてます。だからってのもなんだけど、どんな音が鳴っていてもかまわないと思いませんか。俺たちがそう思っているのがこの場所【BROTHERHOOD】っていう場所。」と続け、「だってNOISEMAKERとシャーロットが対バンしてるの初めて見たでしょ。アチーなー。」と思いを語った。

 「思いっきり楽しんでくれWEST!」と叫んだ後に披露した「Alternative Hearts」以降、自分以外の人たちのことを考えざるを得ない楽曲が数多く披露された。人に優しく、人の心の内の火を見て、一緒に声を上げる。会場内の温度は誰がどう感じても上昇しており、壁面にはうっすらと微細な水滴がついていた。COUNTRY YARDは、そのすべてを受け止めていただろう。メンバーはみんな笑顔で会場に目を向け、ステージに上がってきたオーディエンスにもグータッチ等で迎えた。大きな音が常に鳴り響く会場で、様々なコミュニケーションが続いたまま本公演は終了した。

 盛大なアンコールの後、COUNTRY YARDが再登場した。登場してすぐ、Sitはこれまでの道のりを語った後に、「このタイミングで新しいレーベルに所属することが決まりました。まず10月16日にベストアルバムを、Pizza Of Death Recordsからリリースさせてもらいます。」と発表され、会場からは大きな歓声が上がった。Pizza Of Death RecordsはHi-STANDARDのギター&コーラスや、Ken Bandのボーカル&ギターでも知られる横山健が代表取締役社長を務めるレーベルである。そして、ツアーと来年春にフルアルバムをリリースすることも力強くアナウンスした後、「これはあんたらの曲!聴いてくれ!Starry Night!」と叫び、最後まで大興奮の公演が続いた。終了してもなお、COUNTRY YARDの名を叫ぶ人たちがたくさんいたのは、興奮ぶりを表す一つの象徴だった。

 ライブで隣にいた人は、COUNTRY YARDたちがいなければ存在を知ることもなかっただろう。隣にいる人は自分とは違う人間である。しかし、今この瞬間は同じバンドを見ている者同士である。このバンドがいるから自分は隣にいる人と繋がれるのである。そして、「道は違えど、常に隣を向けば一緒に走っている」という言葉が共有されているからこそ【BROTHERHOOD】は成り立っており、COUNTRY YARDはその架け橋、外交官として機能している。素晴らしい瞬間というのは、異なる何かがぶつかって混ざり合い、別の形になるからこそ生まれるものであることを感じる公演であった。


Text by Akihiro Ota
Photo by TAKASHI KONUMA


◎公演情報
【BROTHERHOOD vol.35】
2019年7月18日(木)
東京・TSUTAYA O-WEST

≪セットリスト≫
<NOISEMAKER>
1. NAME
2. THIS IS ME
3. Change My Life
4. Something New
5. Flag
6. Nothing to Lose

<KOTORI>
1. ドラマ
2. ジャズマスター
3. 1995
4. 羽
5. トーキョーナイトダイブ
6. RED
7. 素晴らしい世界
8. EVERGREEN

<Charlotte is Mine>
1. Somewhere
2. Hoarfrost
3. Grenier
4. 白昼夢
5. Ship at Dawn
6. Swirling
7. Moon at Morning

<COUNTRY YARD>
1. I'll Be With You
2. Just Take A Run Over
3. Here I Am
4. Alternative Hearts
5. Orb
6. Bed
7. You're My Fire
8. Quark
9. In Your Room
10. Don't Worry, We Can Recover
-Encore-
11. Starry Night
12. Seven Years Made My Now

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