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2019/07/12

『Revenge Of The Dreamers III』ドリームヴィル/J.コール(Album Review)

 昨年リリースした5thアルバム『KOD』が、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”でNo.1デビューを果たし、2011年のデビュー作『Cole World: The Sideline Story』から5作連続の全米1位獲得という偉業を達成している、J.コール。本作は、その『KOD』に続く6枚目のスタジオ・アルバム……ではないが、豪華アーティストたちが集結した待望のコンピレーション・アルバムということで、注目が高まっている。レコーディングの様子を撮影した制作ドキュメンタリー『REVENGE』の公開も、話題を呼んだ。

 アルバムのクレジットをみてみると、たしかに紹介しきれないほどのゲスト、プロデューサーの面々が揃っている。何といっても先行シングル「Middle Child」のヒットが大きい。今年1月にリリースされた同曲は、米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”でシングルとしては自己最高位となる4位をマークし、2019年の上半期中、ロング・ヒットを記録した。フィリー・ソウルの代表格=ファースト・チョイスの「Wake Up To Me」(1973年)をサンプリングしたクールなトラックで、ニッキー・ミナージュやDJキャレド、ドレイクなどの大ヒットを輩出したT・マイナスが、ソングライター/プロデューサーにクレジットされている。

 「Middle Child」に続き、6月には「Down Bad」 と「Got Me」の2曲が発表された。「Down Bad」は、自身のレーベル<Dreamville(ドリームヴィル)>所属のJ.I.D、バス、アースギャングと、米アトランタの注目株ヤング・ヌーディーの4人が参加したアップチューンで、「Got Me」は、 フェイス・エヴァンスのクラシック・ナンバー「Come Over」(1995年)をネタ使いしたメロウ・チューン。後者には、同レーベルの所属のオーメンと、業界も注目を置く女性シンガーのアリ・レノックス、米シカゴ出身の女性R&BシンガーDreezy(ドリージー)、それからタイ・ダラー・サインの4人が参加している。

 アルバムの発売直前にも、2曲の先行トラックが公開された。「LamboTruck」には、同<Dreamville>所属のコズと、米カリフォルニア出身のラッパー=リーズン、米アトランタを拠点とするラッパー/プロデューサーのチャイルディッシュ・メジャーがクレジットされている。もう1曲の「Costa Rica」には、前述のJ.I.D、バスに加えGuapdad 4000、米アトランタのラッパー=リーズ・ラフレア、米マイアミ出身のスモークパープ、故エクスエクステンタシオンの旧友スキー・マスク・ザ・スランプ・ゴッド、ファレル・ウィリアムスのレーベル<i am OTHER>からデビューしたバディ、米アトランタの5人組ヒップホップ・コレクティヴ<トゥー・ナイン>のJace等が参加している。5曲目の「Oh Wow...Swerve」にも、トゥー・ナインのメンバーがクレジットされた。

 「Suge」がチャート上昇中の新人ラッパー、ダベイビーをフィーチャーした1曲目の「Under The Sun」には、ノークレジットだがケンドリック・ラマーも参加している。当初は参加する予定ではなかったそうだが、アルバムを視聴するため訪れた際、急遽ボーカルを提供してくれたのだそう。J.コールは「最高のフックを提供してくれた」とコメントし、アルバムのプロモーションに繋げた。両者は、以前にも「Forbidden Fruit」(2013年)や、ヤング・ジージーの「American Dream」(2017年)など、いくつかの楽曲でタッグを組んでいる。この曲には、ゴスペル・グループ=アルゴ・シンガーズの「How I Love To Call His Name」という曲が一部拝借されている。

 エチオピア系の女性R&Bシンガー=メレーバと、ジャネール・モネイのバックアップを経てデビューしたセイント・ビューティ、それから米アトランタ出身のラッパー=デアンテ・ヒッチコックの3者がゲストとして参加した「PTSD」、J.I.D、バス、アースギャングに加え、昨年発表したデビュー・アルバム『NOIR』が高く評価された米シカゴ出身の新人ヒップホップ・アーティスト=スミーノが参加した「1993」など、日本ではまだ聞きなれない名前のアーティストが多数、参加している。

 本作は、そういった新時代を担う若手たちとの交流・コラボレーションを目的としたアルバムで、彼らの音楽に対する情熱や、共有された経験から生まれた絆がカタチになった、そんな作品。制作に集結したアーティスト、楽曲は100以上にのぼり、そこから厳選されたタイトルが収録されている。年代やジャンルを超え、互いをリスペクトすることで、すべてが成長に繋がる。すばらしいコンセプトだ。

 J.コールは、今年中に『The Fall Off』というタイトルの6thアルバムをリリースする予定だが、詳細についてはまだ明らかになっていない。


Text: 本家 一成

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