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2018/11/19

SIRUP/CIRRRCLE/Taeyoung Boy/eillが出演、【Spotify Early Noise Night vol.9】を振り返る

 2018年11月14日、音楽ストリーミング・サービス『Spotify』が主催するイベント【Spotify Early Noise Night vol.9】が東京・代官山 SPACE ODDにて開催された。

 毎回『Spotify』がプッシュする旬のアーティストが出演するこのイベント。これまでにWONKや向井太一、CHAIやあいみょんなど、各方面から大きな話題を集める“今”のアーティストたちのステージが展開され、過去8回の開催を重ねてきた。

 9回目となる今回は、若手男性R&Bシンガーの代表格として一気に知名度を上げているSIRUP、LAと東京を拠点にネクストブレイクの兆しを見せる3人組の国際派HipHopクルー・CIRRRCLE、数多くの客演をこなし各方面で話題沸騰中のラッパー・Taeyoung Boy、ミステリアスな存在に注目が集まる女性シンガー・eillの4組が出演した。

 トップバッターは、10月にデビューアルバム『MAKUAKE』をリリースしたばかりで早くも多方面から注目を集めるシンガー・ソングライターのeill。「Special Girl」のゆったりとしたライブの幕開けから、6月にデビュー曲として発表された「MAKUAKE」の疾走感溢れるサウンドでライブのギアを一気に上げていく。終始踊りながら笑顔を弾けさせるeillのパフォーマンスは、楽曲やミュージック・ビデオでのミステリアスな雰囲気とは違いとても親近感があるもので、そういったギャップもライブならではの面白みを感じさせるものだった。ラストは、軽快なフューチャー・ポップチューン「FUTURE WAVE」でしっかりとオーディエンスの心を掴みステージを後にした。

 続くは、東京/ロサンゼルスを拠点に活動する国際派ヒップホップ・クルー、CIRRRCLEが登場。CIRRRCLEは、フューチャーR&Bユニット、AYENのボーカリストとしても活躍していたAmiide、アメリカ出身のラッパー・Jyodan、ビートメイカー・A.G.O.の3名から成る異色の3人組。8月末にリリースされた「Fast Car」は、300万人近いフォロワーを持つSpotify USの公式プレイリストに選出されるという快挙を成し遂げている。「Watch」でライブをスタートさせると、序盤から四方のオーディエンスを盛り上げる掴みを見せた後、2曲目「Talk Too Much」ではMVにも登場するGANMIがダンサーとして登場し、エンターテイメント性のあるステージに観客も大歓声を贈る。リアルタイムの海外ヒップホップ・シーンともリンクするハイクオリティなA.G.O.のサウンドと、Amiideが放つ透明感のあるボーカル、さらにキャッチ―なJyodanのラップで彩られるCIRRRCLEのステージは驚くほど完ぺきで、今後の活動に期待せずにはいられなかった。

 イベントが後半戦に突入し、3組目のアクトとして登場したのは、MSNのメンバーながら個人でも活動しシーンでも注目を集める若手ラッパー ・Taeyoung Boy。MCでは「呼んでくれてありがとうございます」と謙虚な姿勢も垣間見えるが、ひとたびステージに上がると「What's up~!!」とオーディエンスをガンガン煽り、「Gooddess」「Back seat」と立て続けに熱量の高いラップを展開。一つの節にぎゅっと言葉を詰め込んだリリックで魅せる勢いと、センチメンタルを感じさせるトラックとの相性が絶妙だ。中盤には、ビートメイカー/プロデューサーのKMを呼び込み哀愁漂う「Distance ~Live ver~」を披露。「1月にアルバム出します!」と嬉しい宣言も飛び出し、「HOWL」「Fault ~Remix~」と緩急をつけた飽きさせないパフォーマンスでライブを締めくくった。

 この日のトリを務めたのは、大阪出身のシンガー・ソングライターSIRUP。SIRUPは6月に大阪で初開催された【Spotify Early Noise Night vol.6】にも出演していたが、その時からわずか5か月を切り取ってみても彼の目覚ましい活躍っぷりは言うまでもないだろう。前回出演時は生バンドだったが、この日は3人での小編成。1曲目「Synapse」の軽快なダンサブル・ビートでライブをスタートさせ、「Maybe」になだれ込み一気に高揚感を上げていくともうフロアは踊らずにはいられない。歌っている時のクールな佇まいとはうってかわって、3曲目を前に「もうこれで最後やけどそんなんで盛り上がれんの?」といたずらに笑う自然体なMCで観客の緊張感も一気に解けていく。そして「LOOP」では甘く伸びやかなフェイクを聴かせ、フロアで大きなシングアロングも沸き起こり、「SWIM」では<誰かかけてよ  Virtual Insanity>という歌詞に合わせてキーボードの井上惇志(showmore)が「Virtual Insanity」を弾く掛け合いも見せた。コール&レスポンスで会場を熱狂の渦に巻き込み「Do Well」でイベントのラストを華々しく飾ったかと思うと、アドリブでアンコールにも応え、最後まで鮮烈な存在感を放っていた。

 今回は、これまでの同イベントに比べても全体を通してアーティストとオーディエンスの温度感が合ってたように感じたが、それはきっと、どのアーティストにおいても海外のトレンドと通ずるグローバルな音楽性という部分で共通していた点が大きかったのではないだろうか。また、登場するアーティストが皆熱量の高いアクトを繰り広げ、会場が終始一体感に包まれていたのがとても印象的だった。

text:神人未稀


◎公演情報
【Spotify Early Noise Night #9】
2018年11月14日(水)
開場 18:00 / 開演 18:30
東京・代官山 SPACE ODD
出演:SIRUP、CIRRRCLE、Taeyoung Boy、eill

<セットリスト>
eill:
1.Special Girl
2.MAKUAKE
3.HUSH
4.ONE
5.初恋
6.FUTURE WAVE


CIRRRCLE:
1.Watch
2.Talk Too Much
3.Foreign Tingz
4.Fast Car
5.PETTY

Taeyoung Boy:
1.Gooddess
2.Back seat
3.Play
4.Crave
5.Distance ~Live ver~
6.HOWL
7.Fault ~Remix~

SIRUP:
1.Synapse
2.Maybe
3.LOOP
4.SWIM
5.Do Well

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