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2018/02/05

テーマは「音楽とエンターテイメントを“リ・デザイン”せよ」! 【MUSIC HACK DAY Tokyo】成果発表&最終審査をレポート

 世界的な音楽ハッカソンイベント【MUSIC HACK DAY Tokyo】が、2018年2月3日・4日にレコチョク、朝日新聞メディアラボ 渋谷分室にて3年ぶりに開催された。この記事では4日に行われた成果発表と最終審査発表の模様をレポートする。

 【MUSIC HACK DAY】とは、アーティスト、デザイナー、プログラマー、デベロッパーが一斉に集い音楽の未来を24時間で創造する、世界8か国13都市で行われてるハッカソンイベント。今回のテーマは<音楽エンタメの再定義>として、音楽ビジネス、音楽制作がグローバルに大きな変革を遂げているなか、「音楽とエンターテイメントをリ・デザインせよ」という課題に向き合い、終始熱意に溢れたプレゼンテーションが繰り広げられた。

 今回はレコチョク、NTTドコモ、エムアイセブンジャパン、京セラコミュニケーションシステム、富士通総研、LINE、KKBOX Japan、nana music、Piascore、アマゾン ウェブ サービス ジャパン、Songle、START ME UP AWARDS、フューチャースタンダード、ヤマハの14社が技術を提供し、20組のチームが参加した。

 またこの日の審査員は、伊藤博之氏(クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役)、稲荷幹夫氏(レコチョク 執行役員 CTO)、鵜飼誠氏(朝日新聞メディアラボ)、斉藤迅氏(SIX INC.)、ジェイコウガミ氏(デジタル音楽ジャーナリスト)、中川悠介氏(アソビシステム 代表取締役)、伴幸祐氏(Enter Tech Lab代表取締役)、Yun*chi(アーティスト)の8名が務めた。

 審査基準は<完成度><革新性><エンタメ性>の3項目。試作開発の発表では、VRや画像認識、シェアサービスなどを使用し音楽を聴覚以外にも訴えかけたり、日常で自分が感じることをすぐに音楽にできたりといった、現代らしさと歩幅を合わせたアイディアに沿ってデモンストレーションなどを交えたプレゼンが披露され、審査員も三者三様の視点から質問を投げかけられた。作品には奇想天外なアイディアがたくさん詰め込まれていたが、そのどれもが現代の一歩先を見据えたテクノロジー×音楽を楽しんでもらいたいという想いが伝わってくるものだった。

 全てのプレゼンが終了し、審査員の協議によって各賞の受賞者が決定し、この日<最優秀賞>の作品に輝いたのは、“Wotamemo”。同作は、MusixMatch APIを利用し、アニメソングやアイドルのライブで楽曲の合間にコールを入れる箇所や内容をまとめることができ、音楽そのものと同時に音楽体験を共有するというもの。デモンストレーションでは、ヲタ芸の掛け声や振付けの名称が例として挙げられファン目線でのライブの楽しみ方をプレゼン。Yun*chiも「私のライブでもファンの方が一緒になって踊ったり歌ったりしてくださるので、色んなアーティストのライブで使われたらすごく嬉しいです!」とアーティスト側からの目線でコメントし、アーティストとファンが体験を分かち合う瞬間が生まれていた。なお“Wotamemo”は、企業賞の<レコチョク賞>とのW受賞となった。そして<優秀賞>には、自分の思い出をVRでミュージック・ビデオとして映像と音を合わせて作成できる“MY MEMORY”と、楽曲に対するリスナーのストーリーや思い入れをシェアできる「音楽版のInstaglam」、“otoglam”が受賞した。その他各企業賞としても10組が受賞した。

 最後には閉会の挨拶としてEnter Tech Lab代表取締役を務める伴幸祐氏が「音楽やテクノロジーなど未来を考える力はただただ素晴らしいと感じました。アイデアのきっかけは、カオスの中でしか生まれないと思っているので、、こういった活動はこれからも続けていきたいと思っています」とイベントを締めくくった。


◎イベント概要
【MUSIC HACK DAY Tokyo】
2018年2月3日(土)・4日(日)
レコチョク、朝日新聞メディアラボ 渋谷分室

<最優秀賞><レコチョク賞>
Wotamemo(オタク楽曲にMIXや家虎を入れるタイミングを共有するサービス)
<優秀賞>
MY MEMORY(自分だけの思い出をVRでmusic videoとして作成し、共有する)
otoglam(楽曲に対するリスナーストーリーをシェアする音楽版インスタグラム)
<レコチョク賞>
Wotamemo
<LINE賞>
Basho(今いる場所で思ったことを歌にして、シェアするサービス)
<nana賞>
otoglam(楽曲に対するリスナーストーリーをシェアする音楽版インスタグラム)
<StartupMeAwards賞>
Basho
<NTTドコモ賞>
週刊ストンプ(ドラマーの「家でも楽しく練習したい!」という声から生まれたアプリケーション)
<エムアイセブン賞>
ARと楽器で何か(AR上に楽器を表示して新たな楽器のインターフェースを提案)
<FutureStandard賞>
Super音姫(トイレをHackし、“Super”な“音姫”を作りました)
<Sigfox賞>
Super音姫
<MuFo賞>
HapTune(7つのHapbeat、7つのコントローラ、3つの照明 振動との親和性の高い音楽としてのチップチューン)
AngryBassLoad(マッドマックス怒りのデスロードのギター男を不良債権ガジェットたちを使って再現してみました)

※作品名(作品概要)